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カシオ、“セパレート型カメラ”のシステム化も検討

発表会にLiLiCoさんらが登場。「カメラの革命が来た」

 カシオ計算機は8月26日、分離型デジタルカメラ「EXILIM EX-FR10」の発表会を都内で開催した。発表会にはゲストとして、タレントのLiLiCoさんらが駆けつけた。

EXILIM EX-FR10を持つLiLiCoさん

 既報の通りEX-FR10は、カメラ部とコントローラー部を分離することで、さまざまな撮影スタイルを実現する新機軸のデジタルカメラ。

3色を用意する。オレンジをメインカラーとしている

 カシオ計算機執行役員 QV事業部長の中山仁氏は、「“構えて撮る”というカメラの撮り方は昔から変わっておらず、スマートフォンでも同じ。カシオの役目として、撮り方を変えることを数年前から考えていた。東アジアなどでヒットしたTRシリーズもその1つ。このTRのスタイルをさらに追求したのがEX-FR10になる」と挨拶した。

カシオ計算機執行役員 QV事業部長の中山仁氏
カシオ計算機 QV事業部 第二開発部長の野仲一世氏

 製品説明をしたカシオ計算機 QV事業部 第二開発部長の野仲一世氏は、「これまでは被写体と撮影者という関係ができてしまったことで、例えば大勢でバーベキューを楽しんでいても写真を撮るときだけ楽しい時間が中断されてしまうといったことがあった。構えて撮ることから開放することは、自分も楽しみながらみんなを記録できると言うこと。EX-FR10は楽しい時間をそのまま楽しみ、楽しい時間を生み出せるカメラ」とアピールした。

 EX-FR10は、カメラ部とコントローラー部をBluetoothで接続する。両者に電気接点は無く、くっつけていても無線接続となる。

ヒンジを折り返すと一般的なデジタルカメラに近い形状になる

 カメラ部には液晶モニターは無いがカメラとしては完結しており、これのみで撮影が可能。写真はカメラ部のMicroSDカードに記録する。シャッターは、カメラ部、コントローラー部、タッチシャッターと3種類が利用できる。なお、カメラ部にはWi-Fiがあるため、コントローラー部を介すること無く、スマホからリモート撮影も行える。

ロックボタンを押すと簡単に離せる
シャッター操作は3カ所から行える
強化ガラスなども使用した
カメラ部は90度回転でき、縦位置と横位置を切り替えるいわゆるレボルビング機構となっている
カメラ部はヒンジのパーツと分離可能で、今後の拡張性を持たせた
自動で写真を選んでレイアウトする「ハイライトフォト」機能なども搭載

 他社からはスマホと接続して使うレンズ型デジカメも登場しているが、EX-FR10は、電源投入とほぼ同時に接続が確立されるため、スマホとWi-Fi接続を行う手間が無いのが特徴となる。「分離できるが、普通のデジタルカメラと同じ使い勝手」(説明員)。なお充電はUSB経由でそれぞれ別に行う。

 カメラ部とコントローラー部の接続は最長6日間持続する、スリープ時でもBluetooth接続は行われており、すぐに撮影に入れる。工場出荷時にカメラ部とコントローラー部のペアリングを行うため、混信の心配は無い。環境にもよるが5m離しても問題なく使用できる。10m離すとライブビューのフレームレートが落ちるが、シャッターは切れるという。

 カメラ部とコントローラー部の接続は、カメラ部のヒンジをコントローラー部に差し込むことで行う。差し込むだけなので、簡単にセットできる。また、腕や自転車に付けるためのアタッチメントへの接続も、差し込むだけとなっている。

付属アタッチメントの使用例
クリップも付属する

 防塵防滴、耐落下性能、耐低温性能などアウトドアに求められるタフネス性能も備える。同社の腕時計「G-SHOCK」ともかなりの技術ノウハウを共有しているという。カメラの企画としてもG-SHOCKのイメージを出しているとのことだ。

撮影シーンの一例

 昨今ではGoProに代表されるアクションカメラも活況だが、こちらとはターゲットユーザーが異なるとする。「アクションカメラは本格的なスポーツを撮るものだが、EX-FR10は身近なファミリー層がターゲットとなる。またアクションカメラは動画がメインだが、EX-FR10は静止画がメイン。気軽に撮るには静止画が向いていると考える。さらにアクションカメラは長く撮った動画を編集するのが前提。一方EX-FR10は、簡単に1日のハイライトを残せる自動編集機能を備えた」(中山氏)。

 カシオではEX-FR10をシステム化することも想定している。ヒンジを変えて別の機能を持たせたり、レンズやモニターにバリエーションを持たせることを検討しているという。またEX-FR10についてはカラーバリエーションも今後考えていきたいとした。

「考えた人は天才」とLiLiCoさん

 ゲストのLiLiCoさんは、先行して使っていたというEX-FR10を手にカメラの魅力を語った。

カメラに合わせてオレンジのファッションで登場したLiLiCoさん

 自分撮りも含めて普段から写真をよく撮るというLiLiCoさんは、「このカメラを使ったら天国だった。カメラ部を置いておいてコントローラー部でちゃんと撮れたかを確認できるので、いちいちカメラの所までいって確認しなくてもいいんです。おいておけば風景も入れて撮れる。腕を伸ばして撮る普通の自分撮りではこうはいかない。このカメラを考えた人は天才。子どもからお年寄りまで、芸能人から主婦まで使えるカメラの革命が来た」と気に入った様子だった。

 またLiLiCoさんは、ガラス越しに撮影するテクニックを紹介した。ベランダにカメラ部をおいてガラス越しに室内にいて撮ると、シルエットになって格好いい写真が撮れるとのこと。「彼氏ができたらこのカメラでツーショットを撮りたい。年内には作りたいですね」と話していた。

 会場にはアンバサダーとして、ミュージシャンの小宮山雄飛さん、同じくミュージシャンの井手大介さん、女優の田中美保さんも登場。撮影した写真とともにエピソードを語った。

左から井手大介さん、田中美保さん、中山仁氏、LiLiCoさん、小宮山雄飛さん

 小宮山さんは、公園の天守閣にEX-FR10をセットして広々とした自分撮りを披露。「このときは盛り上がりました。それから自分が料理を食べているところも撮れるし、お祭りなども手で離して撮れるのがおもしろいです。持っているだけで皆さんから興味を持たれるカメラですね」(小宮山さん)。

小宮山雄飛さん

 井手さんは、海で水上オートバイに乗って使った。「濡れてもタッチ操作ができるのが凄いですね。カメラをライフジャケットに付けましたが、インターバルで勝手に写真が撮れるので、友達の自然な姿が撮れるのが良かったです。当てずっぽうにとってもちゃんとピントが合っているのも凄いところですね」(井手さん)。

井手大介さん

 田中さんは、自分撮りでEX-FR10を活用した。「ブログに私服の写真をアップしているので、全身を撮れるのがいいです。髪型の写真も投稿するので、カメラ部を持って自分で撮れて便利ですね。本当に使い勝手が良くて、画質も綺麗。形も可愛いので皆さんに使って欲しいです」(田中さん)。

田中美保さん
デジカメ普及のきっかけとなった「QV-10」から20年ということで、歴代のカメラも展示していた

(本誌:武石修)