パナソニック、地図表示が可能なGPS搭載20倍ズーム機「DMC-TZ30」


 パナソニックは、光学20ズームレンズを搭載したレンズ一体型デジタルカメラ「LUMIX DMC-TZ30」を3月8日に発売する。価格はオープン。店頭予想価格は4万円前後の見込み。本体色はブラック、ホワイト、レッド。

ブラックホワイト
レッド

 2011年2月発売の「LUMIX DMC-TZ20」の後継モデル。ズーム倍率を16倍から20倍に拡張したのが特徴で、それでいてボディの薄型化に成功。GPS機能も強化され、今回から背面液晶モニターでの地図表示が可能になった。

 レンズは焦点距離24-480mm相当(35mm判換算)F3.3-6.4。DMC-TZ20は24-384mm相当F3.3-5.9の光学16倍だった。ズーム倍率を引き上げたにも関わらず、レンズの厚みは27.5mmから23.2mmに薄型化。それに伴い、ボディの奥行きも33.4mmから28.2mmになっている。

 引き続き、アクティブモード対応の手ブレ補正機能や、ナノサーフェスコーティングを採用する。

 動画機能にも手が加えられた。前モデルのDMC-TZ20ではAVCHDに対応したことがトピックのひとつだったが、今回は1080/60pのAVCHD progressiveをサポート。インターレースの1080/60iと比べて、より滑らかで鮮明な映像になるという。加えて、MP4(30p)でのフルHD記録も可能になった。

 また、「風音低減機能」にオートを追加。風音を自動的に検出して、音声が聞こえるように低減する。ノイズ低減としては、他にも「ズームノイズキャンセル機能」が加わっている。

 前モデルから採用が始まったGPSは、本機から地図の表示が可能になった。撮影した写真は地図上に自動配置される。

 地図データは国内100都市、海外90カ国500都市をカバー。縮尺は最大で1/4万以下のものを利用できる。データサイズは全体で約6.3GB、国内で約700MBにものぼる。

 すべてをカメラ内に導入することは難しいため、パナソニックではDMC-TZ30に地図データを記録したDVDを同梱。ユーザーがそのDVDから必要なデータをSDメモリーカードに記録し、カメラで参照する方式をとった。

 加えてGPS関連では、新たにGPSアシストデータに対応したのもトピック。パソコンにUSBで接続すると、GPSアシストデータが本体に適用される。測位速度が向上するという。ちなみに、今回からUSB充電が可能になっている。ロガー機能は非搭載。


 撮像素子は有効1,410万画素の1/2.33型MOSセンサーで、サイズと画素数はDMC-TZ20から据え置き。ただし、高感度時の画質を向上させた新高感度MOSセンサーを採用している。具体的には、ISO1600時のS/N比が3.8dB改善したという。通常撮影時の最高感度はDMC-TZ20のISO1600からISO3200に引き上げられた。高感度モードはISO6400。

 画像処理エンジンのヴィーナスエンジンについても強化されている。3DNRなどのノイズリダクション関連が進化した他、iAズームの処理がより向上したことで、従来の光学ズーム比1.3倍から2倍になった。

 AF速度は従来機種より20%の高速化を実現。アルゴリズムを改善したためという。合焦速度は約0.1秒としている。DMC-TZ20と同様、タッチパネルによるAFおよびシャッターに対応する。

 その他、おまかせiAに「iHDR」を追加。逆光を自動判別すると、カメラが自動的に2〜3枚の高速撮影する。その後、自動的に合成を行なう。DMC-TZ30には、シーンモードにも同様の「逆光補正HDR」が含まれている。

 撮影時に適用できる「クリエイティブコントロール」には「ローキー」が加わった。また、再生時の「クリエイティブレタッチ」については、今回から「トイフォト」、「ソフトフォーカス」、「ダイナミックモノクロ」が利用可能になっている。

 パノラマ機能も進化した。これまでパナソニックのパノラマは、パソコンで合成することを前提としたものだった。DMC-TZ30では、シャッターを押してカメラをスライドさせる方式に変更。縦方向、横方向のどちらでも撮影できる。

 液晶モニターは3型約43万ドットで変更なし。電池寿命も260枚で変わりはない。

 水深40m対応のマリンケース「DMW-MCTZ30」も発売。価格はオープン。店頭予想価格は2万7,000円前後の見込み。

【2012年1月31日】製品写真を追加しました。


主な仕様
製品名LUMIX DMC-TZ30
撮像素子1/2.33型有効約1,410万画素MOS
レンズ焦点距離24-480mm相当(35mm判換算)F3.3-6.4
最短撮影距離3cm(広角)
手ブレ補正POWER O.I.S.
感度ISO100-3200(高感度モードISO6400)
撮影モードインテリジェントオート、プログラムAE、絞り優先AE、シャッター速度優先AE、マニュアル露出など
測光方式マルチ測光、中央重点、スポット
シャッター速度15-1/2,000秒
液晶モニタータッチパネル式3型約46万ドット
記録メディアSDXC/SDHC/SDメモリーカード
連写速度最大約5枚/秒(AF追従)
動画記録AVCHD Progressive(最高1,920×1,080/60p)など
バッテリーリチウムイオンバッテリーパック
撮影可能枚数約260枚
外形寸法104.9×58.9×28.2mm
質量約206g(バッテリー、メモリーカード含む)、約184g(本体のみ)



(本誌:折本幸治)

2012/1/31 14:24