「CEATEC JAPAN 2011」にデジカメ関連製品が出品


 映像・情報・通信の総合展示会「CEATEC JAPAN 2011」が4日、幕張メッセで開幕した。期間は10月8日まで。10月4日は特別招待日。一般公開日は10月5日から。入場料は一般1,000円/学生500円。ただし最終日の8日のみは入場無料。また、事前登録を行なうことで5日〜6日は入場無料となる。

 コンシューマー向けのAV機器、通信機器、パソコンなどに加え、それらで使用する最新のデバイス、またはサービスの紹介が中心のイベント。例年通りデジタルカメラ関連の出品は少ないものの、その中で見つけたデジタルカメラ関連の話題をまとめてみる。


パナソニック

 パナソニックは3D関連コーナーの一角に、二眼式3Dデジタルカメラを参考出品していた。ドイツで9月5日に閉幕したイベント「IFA2012」で開発発表した製品で、発売は今冬を予定。価格や具体的なスペックは未定としている。

 IFA2012から外観上の大きな変化はなく、筐体に記されたスペックも同じ。焦点距離25mm相当(35mm判換算)の画角をカバーするとみられる2眼式のレンズを採用し、レンズの中央丈夫にストロボを備える。レンズシフト式の手ブレ補正機構を表す「MEGA O.I.S.」の文字も見える。

参考出品の二眼式3DデジタルカメラAVCHDに対応
3D撮影のため2つのレンズユニットを装備

 スライド式とみられる正面のレンズバリアには「LUMIX」のロゴがある。向かって右側に2系統のレンズおよび撮像素子を集中配置するためか、三脚ネジ穴は向かって左にシフトしている。

 上面にはステレオマイクに加えて、「AVCHD」のロゴ。録画ボタンも備えている。外形寸法は既存の薄型LUMIXとあまり変わらない印象だ。

 二眼式3Dデジタルカメラの横には、マイクロフォーサーズカメラのLUMIX Gシリーズを紹介するコーナーを設置。10月13日発売のXレンズをアピールしていた。「LUMIX G X VARIO PZ 14-42mm F3.5-5.6 ASPH. POWER O.I.S.」、「LUMIX G X VARIO PZ 45-175mm F3.5-5.6 ASPH. POWER O.I.S.」の両方を用意しており、「LUMIX DMC-G3」、または「LUMIX DMC-GF3」の両ボディに装着して試せる。実際に動作するスケルトンモデルも展示していた。

LUMIX G X VARIO PZ 14-42mm F3.5-5.6 ASPH. POWER O.I.S.をLUMIX DMC-GF3に装着。「電動ズームレンズキット」(DMC-GF3X)として10月13日に発売LUMIX G X VARIO PZ 45-175mm F3.5-5.6 ASPH. POWER O.I.S.も展示。ボディはLUMIX DMC-G3
どちらも電動ズーム機構を搭載。会場で操作感を試せるスケルトンモデルも展示してあった
スケルトンモデルは実際に動作する

 また、9月22日発売の新製品「LUMIX DMC-FX90」の専用コーナーも設けられていた。無線LAN(IEEE 802.11b/g/n)機能を内蔵したデジタルカメラで、撮影画像をカメラ単体でインターネットにアップロード可能。パナソニックが運営する写真・動画共有サイト「LUMIX CLUB PicMate」へ送信するだけなら、カメラ単体で設定が終了するという。また、PicMate経由でFlickr、Picasa、Facebookなどへアップロードできる(パソコンでの設定が必要)。

 撮影画像の送信は、基本的に再生モードから行なう。Web、スマートフォン、パソコンなどから送信先を選び、送信したい画像を画面に上にドラッグすることで送信が開始。複数の画像をタッチすることで、一度に複数の画像を送信することもできる。Eye-Fiのように自動での送信機能はない。

 なお、本体右手側のWi-Fiボタンを押すと、送信先の設定などを省略し、前回送信した先へ少ない手順で送信できる。

 会場では撮影画像をFacebookにアップロードするデモを実施。また、DMC-FX90からAndroid端末P-07Cへ撮影画像を送信、Androidアプリ「LUMIX LINK」を経由して、各種Webサービスにアップロードする体験もできた。

LUMIX DMC-FX90一見すると既存のLUMIX DMC-FX77などと変わらない大きさだ
側面に無線LANアンテナを内蔵前回の送信設定を呼び出すWi-Fiボタンも備えている
再生モードで送信したい画像を選ぶ今すぐ送るか送信設定だけ行なうかを選択
送信先を選択送信中
Wi-Fiボタンを押すと、前回の送信設定をワンボタンで実行できる送信先一覧

ソニー

 4K SXRDプロジェクター「VPL-VW1000ES」のシアター展示や、デジタル双眼鏡「DEV-3」の体験コーナーが人気のソニーブース。デジタルカメラをメインにした展示はなかったが、3D関連の紹介コーナーと、Personal Spaceのデモコーナーでαおよびサイバーショットが置かれていた。両コーナーともα65、NEX-5N、サイバーショットDSC-WX30を展示。

α65。10月14日発売。同時発売のα77は展示がなかった
NEX-5N。9月9日に発売済み
3Dスイングパノラマをアピールしていた

 Personal Spaceは、ソニーが運営する写真・動画共有サイト。メールアドレスで指定したメンバーと写真や動画などを共有できるサービスで、ソニーのデジタルカメラに付属するとソフト「PMB」(Picture Motion Browser)などからアップロードできる。多人数とのシェアというよりは、家族や友人など少人数との共用に向いたサービスという。

 会場ではBRAVIAやVAIOからPersonal Spaceを閲覧するデモを行なっていた。9月にリリースされたSony Tablet Sでの閲覧も可能だ。

Personal Spaceのデモ

TransferJet

 近接無線転送技術「TransferJet」を紹介する独立ブースもあった。ソニーとアイ・オー・データ機器のUSBステーションおよびUSBクレードルを紹介しつつ、業務用プリンターでの活用提案、東芝製ノートパソコンへの組み込み例(試作機)、TransferJet用デバイスの展示などを展開していた。

 例えばメモリーカードの抜き差しが激しい繁華街の店頭プリント端末では、1日でメモリーカードスロットが破壊されることがあるという。コネクタの挿抜がなく、非接触で大量データを転送できるTransferJetなら、そうした用途にも向くのではとの説明があった。

東芝のノートパソコンにTransferJetを内蔵した試作機。TransferJetのアンテナの位置にシールが貼ってあったソニーのUSBステーションでの送信デモ
こちらはアイ・オー・データ機器。USBクレードルという名称業務用写真プリンターでの使用例
メモリースティックPRO-HGデュオへの搭載例前回に続き、今年も東芝がTransferJet対応のSDHCメモリーカードを参考出品

 また、「未来の本屋さん」をイメージしたという展示では、空間センサーを利用した書架を使い、書籍を書架に置くと内容をディスプレイに表示するという技術を紹介。本の紹介映像をなどを表示することで、パックされた本の中身が確認できるという。さらに書籍のサマリーをTransferJetでスマートフォンにダウンロードするというデモを行なっていた。

 担当者は「大容量コンテンツを素早く送受信できる。これまで使い道が限られていたが、スマートフォンの普及で活用が増えるのでは」(ソニー)とアピールしていた。

「未来の本屋さん」をイメージしたという「Atoyomi Book Store」。空間センサーとTransferJet、スマートフォンを書籍の結びつけている。


(本誌:折本幸治)

2011/10/4 18:20