大西みつぐ氏主催の「東京写真・研究準備室」が開設


 写真家の大西みつぐ氏は、「街角写真研究の場」として、「東京写真・研究準備室」を開設した。公開講座「東京写真研究」「写真ワークショップ」「東京町づくし」などを順次行なう。2011年秋より2年程度実施する予定。原則として毎月第3土曜日の18時30分〜20時に「ArtLabo深川いっぷく」(東京都江東区白河3-2-15)内で開催する。


 2002年・縁の叙景(墨田区京島)、2004年・はるか北千住(足立区千住元町)、2006年・すみだ写真博覧会(墨田区横川 ・NPO法人ダークルームインターナショナル主催・アサヒビール助成)、2008年・浦安写真横丁(千葉県浦安市)、2010年・深川フォトセッション(江東区清澄白河)というように、ここしばらく東京下町地域を中心に、写真と地域を結ぶ写真展示イベントを企画実施してきました。それぞれ原則として手作りのイベントではありましたが、多くの来場者を得、人と風景が経てきた時間軸などを理解していただき、また私たちの暮す『町』をお互いがあらためて見直す機会に恵まれました。
 この3月11日の震災、そして復興への願いの中で、期せずして、写真と地域と市民というかけがえのない記憶について誰もが考えるという時間が出てきました。写真というメディアの果たす「ビジュアルコミュニケーション」というひとつの側面について深く考える場を重ねていくことはますます重要になってきたように思えます。そんな状況の中で、兼ねてより「拠点」を置き写真活動を願っていた身として、ささやかな実験場として、軒先をお借りして「写真と町」、「東京写真」の周辺について考察していきたいと考えています。具体的には、東京写真の研究会、写真ワークショップ、さまざまな分野のゲストを招いてのトークイベントなどを中心に、無理なくみなさんにご参集いただける「寄合所、夜会」のような場といたします。どうぞお気軽にご参加いただけたなら幸いです。(「東京写真・研究準備室」開設のお知らせより)

 

 「東京写真研究」の第1回として、11月19日には「ストリートスナップよどこへ行く! 大山高の作品をめぐって」を開催。昨年12月に急逝した大山高氏のストリートスナップ「Freezing at moment」を考察する。ゲストは大山氏が生前審査員を務めていたコンテスト「写真の殿堂」(アサヒカメラ.net)の担当、アサヒカメラ編集部の池谷修一氏。師匠にあたる土田ヒロミ氏などへのインタビューも行ない、その模様を上映するという。

 日時は11月19日18時30分〜20時。参加費は500円。ラムネあるいは昆布茶つき。定員20名。

 2011年10月から12月にかけての第3土曜日には、「ママはわたしの専属カメラマン」と題した母と子の写真ワークショップを実施する。普段自分の表現の場を失いがちな母親のために、子どもとともに行なう写真活動を通して、交流と写真技術の向上を目的とする。

 スケジュールは、10月15日(全体説明、自己紹介、基本テクニック、交流会)、11月19日(撮影会・木場公園が候補)、12月17日(講評、額作りと展示)。定員は7組。母親と就学前の子ども、父親との家族参加も可能という。参加費は3,000円。各1回のみの参加も可能で、1回1,000円となっている。

 詳しくは「東京写真・研究準備室」ホームページまで。

(本誌:折本幸治)

2011/10/3 18:52