銀座ニコンサロン、石川武志写真展「ガンガー巡礼」


 銀座ニコンサロンは、石川武志写真展「ガンガー巡礼」を3月16日から開催する。

世界でガンジス河ほど信仰の対象になった河があるだろうか。インドの人たちはガンジス河のことを敬愛を込めて「ガンガーマタジー」と呼ぶ。「母なるガンガー」とか「女神ガンガー」という意味で、まさしく母なる大河なのである。
ヒマラヤの氷をその源とするガンジス河は、約3000キロに及ぶインド大陸の旅を終えてベンガル湾に注ぐ。その上流から下流までには数え切れない聖地や寺院があり、絶えず祭りや儀礼が行われ、女神ガンガーをはじめ多くの神々や悪霊、聖人、動物たちが登場して神話が演じられている。ここでは河そのものがまさしく巨大な劇場であり宇宙でもあるのだ。
人々は「聖なる河ガンガーの聖なる水で沐浴すればすべての罪は浄化され、ここで死んで、遺灰がガンジスに流されれば、輪廻からの解脱が得られる」と信じられていて、この河を目指し、巡礼という形で劇場に参加する。
作者が最初にガンジス河を訪れたのは1980年のことである。以後何度もインドに通った。あるときはヒマラヤの聖峰の洞窟で、あるときはベンガル湾に注ぐ河口の島で、あるいは12年に一度行われるクンブメーラという大祭では、裸体に牛糞を焼いた灰を塗ったサドゥーたちと多くの時間を過ごし、またヒンドゥー教徒のようにガンガーを彷徨した。
以来30年に及ぶ作者のガンガーを巡る旅は、幻想と現実、生と死、神聖と穢れ、彼岸と此岸との間を交錯する巡礼の旅であり、展示する写真はガンガー巡礼の叙事詩でもある。
モノクロ約50点。
(写真展情報より)

  • 名称:石川武志写真展「ガンガー巡礼」
  • 会場:銀座ニコンサロン
  • 住所:東京都中央区銀座7-10-1 STRATA GINZA (ストラータ ギンザ) 1階・2階「ニコンプラザ銀座内」
  • 会期:2011年3月16日~2011年3月29日
  • 時間:10時30分~18時30分(最終日は15時まで)
  • 休館:会期中無休

(本誌:武石修)

2011/3/2 00:00