ソニー、2011年第3四半期はレンズ交換式カメラなど好調で大幅改善


 ソニーは3日、2011年3月期第3四半期(2010年4月1日~2010年12月31日)の連結業績を発表した。

 売上高は5兆6,004億4,700万円(前年同期比1.8%増、以下同)、営業利益は2,731億8,900万円(211.1%増)、純利益は1,292億1,700万円(719.6%増)だった。営業利益、純利益とも前期から大幅に改善した。

 各事業分野の当四半期単独の実績は以下の通り。

 デジタルカメラを含むコンスーマー・プロフェッショナル&デバイス分野は売上高1兆909億円(4.2%増)、営業利益268億円(47.2%減)。液晶テレビ、中小型液晶パネル、レンズ交換式一眼カメラなどの販売が好調で増収となった。一方、販売費の上昇や為替の影響などにより減収となった。液晶テレビ、コンパクトデジタルカメラなどが受けた価格下落の影響もある。ブルーレイディスクレコーダーは販売が増加し、プラスに働いた。

 うち、デジタルイメージングの売上高は1,884億7,700万円(2.2%増)。コンパクトデジタルカメラの販売台数は750万台(15.4%増)だった。通期では2,400万台(14.3%増)を見込む。

 ネットワークプロダクツ&サービス分野は売上高5,666億円(6.4%減)、営業利益457億円(134.9%増)。プレイステーション3におけるハードウェアのコスト改善やソフトウェアの売上数増が増益の要因。

 映画分野は売上高1,490億円(26.7%減)、営業利益47億円(66.7%減)。「ソーシャル・ネットワーク」が好調だったものの、前期に公開した「2012」や「マイケル・ジャクソンTHIS IS IT」などを上回らず、対前年で減収減益となった。また「幸せの始まりは」の興行収入が想定を下回り損失を計上した。

 音楽分野は売上高1,398億円(14.5%減)、営業利益195億円(15.7%減)。音楽配信での売上が増加するも、パッケージメディアの音楽市場の縮小で減収となった。

 金融分野は売上高2,091億円(1.7%増)、営業利益327億円(6.6%減)。ソニー銀行が増収だったほか、ソニー生命の契約高が拡大し増収となった。一方、ソニー生命における有価証券売却益の減少などで減益になった。

 ソニー・エリクソンは売上高15億2,800万ユーロ(12.7%減)、税引前利益2,900万ユーロ(前年同期は1億8,000万ユーロの損失)、純利益は700万ユーロ(前年同期は1億5,900万ユーロの損失)。高価格帯のスマートフォンに注力するため、ラインナップを集約したことによる販売台数減少が減収の要因。増益の要因は、構造改革費用の減少や販売価格の上昇。

 併せて発表した通期の見通しは、売上高7兆2,000億円(変らず)、営業利益2,000億円(529%増)、純利益700億円(前年は408億円の損失)。

 同社はコンスーマー・プロフェッショナル&デバイス分野が厳しくなると予想しており、2010年10月時点の見通しから売上高のみ3%の減少を見込み、前年並とする。営業利益および純利益は、ネットワークプロダクツ&サービス分野の損益が前回予想を上回る見通しであることなどを考慮し前回発表を据え置いた。




(本誌:武石修)

2011/2/3 21:10