ソニー、AVCHD再生対応の「S-Frame」を特約店向けイベントで参考出品

〜「α55」「α33」も展示。予想を超える予約数

 ソニーは8日、都内で開幕した特約店向け内覧会「ソニーディーラーコンベンション2010」で、AVCHD動画対応の「S-Frame」(国内未発表)を参考出品した。

 いずれも国内での発売は未定。AVCHD動画再生対応モデルは、PCレスで記録メディア内のAVCHD動画を楽しめる点を特徴とする。海外では同様のAVCHD動画対応モデル「DPF-XR100」などを9月1日に発表し、11月発売予定としている。

参考出品のデジタルフォトフレーム「AVCHD動画再生対応モデル」。10型と8型を展示していた
バッテリー搭載モデルも参考出品

 バッテリー搭載モデルはケース内の展示。8型SVGAの液晶ディスプレイを搭載し、2GBの内蔵メモリーを搭載する。バッテリー駆動時間は約2時間。動画と音楽の再生に対応する。海外では同様の特徴を持つモデルとして「DPF-D830」を9月1日に発表している。海外では11月発売予定。

 会場では、9月10日発売のレンズ交換式デジタルカメラ「α55」および「α33」を多数展示していた。撮影体験コーナーも設けている。また、αEマウントを採用するNEXシリーズの展示もあった。

 9月17日発売のαAマウントレンズ「Distagon T* 24mm F2 ZA SSM」を手に取れる状態で展示しており、熱心に画質をチェックする来場者の姿も見られた。

9月10日発売のα55とα33α55の撮影体験コーナーの様子。回転する花などを撮影できる
Distagon T* 24mm F2 ZA SSMを手に取れる状態で展示α900に装着したところ
マネキンがNEX-3を身につけていたEマウント標準レンズ「E 18-55mm F3.5-5.6 OSS」に49mm径のサーキュラーPLフィルター(発売済み)を装着したところ
レンズ交換式ビデオカメラ「NEX-VG10」の体験コーナーも設置αAマウントレンズ「35mm F1.4 G」を装着したNEX-VG10

 コンパクトデジタルカメラ「サイバーショット」は、現行モデルの全カラーを用意。「3Dスイングパノラマ」や、動画手ブレ補正「アクティブモード」を試せるコーナーを設けていた。

サイバーショットDSC-WX5同DSC-TX9
CCD搭載モデルのサイバーショットDSC-T99DSC-T99のバリエーションモデル「サイバーショットDSC-T99D」
パノラマ撮影機能「スイングパノラマ」の体験コーナーは、すぐ隣で3D鑑賞できる動画撮影時の手ブレ補正「アクティブモード」や、フルHD動画の画質比較なども行なっていた

 また、販売店向けの売り場提案コーナーも用意。販促ポイントなどを掲示していた。

デジタルカメラの売場提案コーナーαAマウント対応の現行3モデルが並ぶ
枠内の絵が動き、α55の特徴である10コマ/秒連写を体感できる仕組み交換レンズの展示例。発売前の“はじめてレンズ”「DT 35mm F1.8 SAM」、「DT 85mm F2.8 SAM」もあった

 3D立体視に対応するVAIOの参考出品もあった。ブラビアと同様の方式で3D鑑賞が行なえるという。価格は未定だが、2011年春までに市場投入予定としていた。

3D VAIOの参考出品コーナー。価格は未定スイングパノラマで撮影した画像の再生に対応。使用ソフトなど再生方法は未定

 記録メディア関連では、ソニーブランドを冠したClass 10対応のSDHCメモリーカードを展示。11月発売としていた。同社ブランドのSDHCメモリーカードはClass 4対応の製品が発売済み。また、SDXCメモリーカード(UHS-1対応)とメモリースティックデュオに対応するカードリーダーも11月発売予定としていた。

Class 10対応のSDHCメモリーカードSDXCメモリーカードとメモリースティックデュオ対応のカードリーダー。UHS-1に対応する

年末商戦は「総力戦で挑む」

ソニーマーケティング代表取締役社長の栗田伸樹氏

 開場に際してソニーマーケティング代表取締役社長の栗田伸樹氏は、2010年FIFAワールドカップにおける3Dスクリーンを用いたパブリックビューイングの実施などを例に挙げ、「International CES 2009」で宣言した3D普及への取り組みを通じ、3Dの普及を図ってきたと説明。今後もソニーのアドバンテージである制作現場のノウハウをテレビなどの製品に積極的に反映させていくと話した。

 パッケージメディアでは、年末に向けて多くの3D対応製品を投入するとし、映画、音楽、ゲームを結集した「総力戦で挑む」と話した。同社の3D対応テレビ「ブラビア」の購入者には、3D版の「マイケル・ジャクソン THIS IS IT」やPS3用ゲームソフトなど8タイトルを進呈する大規模なバンドルキャンペーンを実施。「3D=ソニー」のイメージ獲得を目標とする。


同社の3D関連の取り組み

 また栗田氏は、「パーソナルコンテンツ」が3D普及の大きな鍵と強調。「SDビデオがHDになったように、子どもの成長などが3Dでスクリーンによみがえる」と話した。例として、3D静止画撮影機能を持つ「α」や「サイバーショット」の撮影画像をPS3でライブラリー化することができる点を挙げた。

 「クラウドコンピューティングが当たり前になりつつある」(栗田氏)というなか、オンライン共有サービス「ブラビアポストカード」では、これまでのPCや携帯電話に加え、テレビからのアップロードにも対応。テレビが「家族のための情報端末」として注目され、再びテレビがリビングの主役になるだろうと語った。

 デジタルカメラ関連では、3D対応サイバーショットの発売後に金額シェアNo.1を獲得したと説明。9月10日に発売する「α55」および「α33」は、予約数が予想を大きく超えているという。「新しいジャンルを確立した」(栗田氏)とする「NEX-5」、「NEX-3」も合わせ、引き続き「カメラはソニー」をテーマに、シェア総合No.1を目指して特徴あるカメラを続々投入するとしていた。

撮影した3D画像はPS3でライブラリ化できるカメラ関連の総合戦略

 また、デジタルカメラとビデオカメラの境界が少しずつオーバーラップしているという状況については「従来の“ハード(ウェア)先行”の買い方から、やりたいことからカメラを探すニーズが増えてきていると考えている」と述べた。

 ほかにも「ニュービジネスの拡大」として、先日欧州で発表した電子ブックリーダーを紹介。年末に国内導入し、2014年には国内で1,300億円の市場規模を見込む。

電子ブックリーダーを手にする代表取締役社長の栗田伸樹氏コンベンション会場には2モデルを展示。来場者の注目を集めていた
画面サイズの大きいモデルのみ、SDメモリーカードとメモリースティックに対応するスロットを装備。イヤホン端子も持つスタイラスで書き込みを行なうと、リストからその部分にジャンプできる機能を搭載。単語をタップして辞書を呼び出す機能も利用できる
開発中の「フレキシブルディスプレイ」も技術参考出品。基板に軽量なプラスチック素材を採用した画像を表示したところ。ほぼA4サイズで、大画面化が容易な点や対衝撃性を特徴とする


(本誌:鈴木誠)

2010/9/8 16:39