ワコム、新しいUI“ペン&タッチ”に対応した「Bamboo」シリーズ


新しいBambooシリーズ

 ワコムは24日、新技術の「ペン&タッチ」に対応したタッチ機能搭載ペンタブレット「Bamboo」シリーズを発表した。発売はいずれも10月3日。対応OSはWindows XP/Vista/7、Mac OS X。

 ペン&タッチは、従来のペン操作に加え、タブレットに置いた2本の指をスライドさせることで画面のスクロールやWebページの移動(進む・戻る)、2本の指を広げたり狭めたりすることでズームイン・ズームアウトを行なえる。また、タッチパッドに置いた2本の指をツマミを回すように動かすことで回転動作の指示も可能。ノートパソコンに搭載されているタッチパッドのように、パッドを軽く叩く操作を組み合わせてクリックやドラッグなどの操作にも対応する。

 製品の詳細は次の通り。


●Bamboo Art Master

 Bamboo Art Masterのパッケージと、同梱するガイドブック

 グラフィックス志向の強いユーザーに向けた製品。新技術の「ペン&タッチ」に対応し、画像やビデオの加工を行なえるソフトをバンドルする。Bamboo FunタブレットのMedium(シルバー)に、イラストレーターの佐藤尚氏によるガイドブックが付属する。価格はオープンプライス。直販価格は2万980円。

 バンドルソフトは、Photoshop Elements 7 for Windows、Photoshop Elements 6 for Macintosh、Painter Essentials、水彩LITE、Photo Creator for Wacom、LoiLoScope plus for Wacom。

 外形寸法と重量は、約336.8×223×8.5mm(幅×奥行き×高さ、以下同)、約740g(USBケーブル含む、以下同)。


●Bamboo Fun

Bamboo Funのホワイト(左)とシルバー(右)。それぞれMedium(奥)とSmall(手前)を用意

 Bamboo Art Masterからガイドブックを除いたもの。タブレットはMediumとSmallの2サイズを用意し、価格はオープンプライス。直販価格はMediumが1万9,980円、Smallが1万2,980円。カラーはシルバーとホワイトを用意する。バンドルソフトはBamboo Art Masterと同じ。

 外形寸法と重量はMediumが約336.8×223×8.5mm、約740g。Smallは約248.2×176.1×8.5mm、約420g。


●Bamboo

Bamboo(左)とBamboo Touch(右)。Bambooにはキャリングケースが付属する

 画像編集などのソフトをバンドルせず、ビジネスシーンでの使用を想定した製品。キャリングケースが付属する。価格はオープンプライス。直販価格は9,980円。

 外形寸法と重量は約248.2×176.1×8.5mm、約360g。


BambooをHP Pavilion Notebook PC dv2に接続したところBambooに付属のペン。側面に2つのボタンを備える

●Bamboo Touch

 Bambooをタッチ操作のみに特化し、小型化したもの。ペンとペンホルダーは付属しない。価格はオープンプライス。直販価格は6,980円。外形寸法と重量は約208.4×137.6×7.5mm、約210g。

実機デモ

 会場で行なわれたデモは、主にクリエイティブシーンとビジネスシーンを想定した内容だった。

 例えばBamboo Funを使ったGoogle Earthの操作をアピール。また、バンドルソフトを利用した写真やムービーの加工を経て、mixi動画にアップロードするまでの流れを実演した。

Google Earthでズームイン、ズームアウトの操作を行なっているところPhoto Creator for Wacomで写真に書き込みや装飾を行なっているところ
各クリップをタイムラインに並べることで自動でフェードイン/アウトするペンを裏返すと消しゴムツールを利用できる

 Bambooのデモではビジネスシーンを想定。Office 2007の校閲機能とPowerPointスライドへの書き込みを行なった。

Bambooのタッチ操作でパワーポイントのスライド上に画像をドラッグ&ドロップしているところBambooのペンでWord書類に校閲の書き込みを行なっているところ

 写真関連では、Photoshop Elementsにおける「ペン&タッチ」操作を紹介していた。右手にペンを持ちながら左手をBambooタブレットに置き、覆い焼きツールをペンで操作。左手のジェスチャーで作業エリアの拡大縮小やスクロールを行なうというBamboo独自の操作スタイルをアピールした。なお、ペン操作に対応するモデルでは、筆圧が512段階から1,024段階に向上している。

ペン操作の優先時はランプがオレンジ色に点灯し、タッチ操作を受け付けないタッチ操作時はランプが白く点灯する

「コンピューターとの接し方やルールが変わる」

代表取締役社長 山田正彦氏

 代表取締役社長の山田正彦氏は、現在のコンピューターにおいては「多機能化の壁」を乗り越えることが大きなチャレンジであると語った。同社はユーザーインターフェース(UI)において独自の貢献をしていけると考えており、今回の新しい「Bamboo」がその第一弾だという。

 また同社は20数年間にわたって「ペン」でコンピューターと人間との繋ぎ方を変えてきたが、タッチは新しい「発想の原点」と「素材」であり、コンピューターとの接し方やルールが変わると強調した。新しいBambooでは、タッチパネルでもペンでもマウスでもない、より直感的な全く新しいUIを提唱する。タッチは人間の五感において第一の優先課題であり、「触れる」、「抱く」など人間の感性に非常に近いところにあるという。


「気軽に創作活動を」

オペレーションズ統括プロダクトマーケティング部GM 大山和子氏

 オペレーションズ統括プロダクトマーケティング部GMの大山和子氏は、「コンピューターは処理系のツールからコミュニケーションや自己表現のツールになった」と話し、Bambooのあるべき姿を「やりたいことを思いのままに、自分らしさの表現をも可能にするもの」とした。

 ユーザーイメージは「Web2.0をしなやかに使いこなす人々」とし、ペンタブレットにタッチ機能を搭載したことで、今までのWeb2.0では伝えきれない部分を手書きで伝えることができるという。

 Bamboo Funは、写真やグラフィック加工ソフトに加え、新たにビデオ加工ソフトをバンドル。ニコニコ動画などのポータルサイトに触発されたユーザーが気軽に創作活動を行なえるとしている。




(本誌:鈴木誠)

2009/9/24 22:07