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DJIの国内コンシューマ市場はOsmoシリーズが躍進
産業用では360°ドローンが新標準に
2026年6月22日 12:15
ドローン関連事業を展開している株式会社セキドは、2026年のドローン市場動向や活用事例に関する業界関係者向けイベント「SEKIDO パートナーサミット 2026」を開催した。
株式会社セキドは、水中ドローンを含む民生/産業向けドローンの国内卸販売をはじめ、ハッセルブラッドやカメラ向けアクセサリーブランドPGYTECHなどの国内代理店などを手がけている。今回のイベントは、コンシューマ向け/産業向けドローンの市況や戦略などに関する事例を共有する目的で開催した。本記事ではこのうちドローンの市場動向と、産業用ドローンの活用事例についてお伝えする。
ドローン市場の動向については、セキドの実績推移から報告。とりわけコンシューマカテゴリについては継続的な伸長がみられ、市場の拡大が確認できるとした。
DJI製コンシューマ製品の中では、各カテゴリの割合変化を2023年と2026年で比較した。アクションカムやジンバルカメラのOsmoシリーズを含む「ハンドヘルド」が大幅な伸びを見せ、この背景には、Instagram、TikTok、YouTubeなどの各種SNSにおけるVlogブームや、企業のPR動画内製化など、従来のカメラ機材と重なる領域で認知と需要が進んだことが影響している。
ドローンのユーザー拡大施策については、一等/二等無人航空機操縦士の取得支援やドローンスクールなどを運営している株式会社ハミングバードのデータを提示した。ここではスクールの視点から受講生の確保と受講後の機体購入に繋がる施策について話している。
受講生の確保については、SNSや検索広告を含むWeb広告に加えて、店頭での声掛けや外部イベントへの参加、ニュースリリースの発信など広告以外の施策を組み合わせて集客を実施。体験会などの開催を通して各種講座のコース案内なども行なう。
機体購入率は、講習完了後にドローンを購入した受講者の割合。講習中に個々のニーズに合致した機体を提案するほか、製品の体験機会を設けて購入ハードルを下げる、卒業生コミュニティでの空撮会開催、YouTubeチャンネルによる最新情報の発信などの施策を実施し、導線の設計やアプローチ方法を工夫した結果、2022~23年期には28.7%だった購入率が2025~26年期には78.4%まで向上している。
産業用ドローンの活用事例という文脈の中では、2025年からコンシューマでも展開が始まっている360°ドローンの可能性と現場での利用事例についても言及された。現行機種としてはDJI「Avata 360」のほかAntigravityの「A1」も例に挙げている。
一般社団法人 日本低空経済振興会(LEAD-J)代表理事の千葉一兼氏は360°ドローンの可能性について「空間を丸ごとデータ化する」技術が次世代産業用ドローンの主戦場になるとの予測を明らかにしている。「低空経済(Low-Altitude Economy)」とはドローンの活動圏である地上1,000m(用途によって最大3,000m)以内の空域を利活用する経済形態を意味する語であり、物流、インフラ点検、防災、農業支援をはじめとした産業活動と、それを支える地上設備、通信ネットワーク、航空管制システム全体を指す。LEAD-Jの事業目的には、低空経済圏の創出と振興ならびに360°ドローンによる全天球映像データの利活用と普及が含まれている。
従来のカメラドローンは撮影時に映像として成立する構図や視点を作る必要があったが、360°ドローンでは撮影後に編集ソフトでカメラワークを作り込むことができる。これによって情報の断絶や死角を減らし、記録できる範囲の拡大をもって現場における意思決定の円滑化や再撮影コスト、人件費の削減も見込める。
実際の活用事例としては、ビル設備保守やインフラ点検などを手掛ける千代田ビル管財株式会社の高橋史詩氏が登壇。Avata 360を用いた非破壊検査の現場における使用感と撮影データの特徴について説明した。
同社の検査現場では、静止画とLiDARのスキャンデータをもとに建造物などのフォトグラメトリを作成する「Matterport」を利用している。Matterportでは純正のカメラもしくは他社の360°カメラを三脚に据えて一定の間隔で設置し直しながら撮影する工程を繰り返さなければならないが、三脚の設置箇所(視点の真下)には常にぼかし処理がかかるため、時折地面の特徴点を消してしまい、画像をつなぎ合わせた際に距離の整合性がとれず、正しく結合できないことがある。360°ドローンを用いた場合は三脚の設置が必要ないため、フォトグラメトリを作成する場合でも、動画の静止画切り出しなどから正しく特徴点を撮影できる利点がある。
ドローンの画像取り込みについては、Wi-Fi経由で画像を取り込むよりも、あらかじめ現場を撮影した映像からフォトグラメトリを生成した方が完成度が上がるとの知見も共有された。具体的には、Wi-Fi取り込みで発生していたスリップ(形状の歪みやズレ)が映像切り出し画像の結合では発生しなかったという。
現行のドローンカメラ性能については、ノイズ処理や露出制御が以前とは比べ物にならないほど優秀になったと評価している。古い機種では映らなかったひび割れや、現場に設置したプレートの通し番号などもはっきり映るようになり、見落としや撮影場所確認のための手間が明らかに減っているとした。












