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「カメラグランプリ2026」贈呈式が開催

ソニーが大賞・レンズ賞に 一般投票はキヤノンが受賞

カメラ記者クラブは「カメラグランプリ2026」の贈呈式を6月1日(月)に都内で開催した。

受賞を受けての各社代表のコメントを抜粋して紹介する。

大賞:ソニー「α7 V」

α7 V、FE 50-150mm F2 GM
ソニーの出席者

町谷康文氏(ソニー カメラビジネス統括部長)

日々訪れるシャッターチャンスを思いのままに撮影できる。偶然を必然にするといったことを最新の技術で実現できたらと考えて開発しました。

新時代の基準を作るという高い目標を掲げ、結果的に開発にはかなりの時間がかかりましたが、発売以来、多くのクリエイターに使っていただけているということで、我々として本当に幸せを感じています。

牛尾拓也氏(ソニー α7 V商品プロジェクトリーダー)

幅広いお客様に使っていただくことを想定して開発を進めてきました。そのため、いかに商品としてのバランスを高いレベルで実現するかに徹底的にこだわりました。画質、AFスピード、AI認識といった性能を大幅に向上させながら、他の性能との両立を実現するのが苦労した点です。

中でも、高い性能と低消費電力の両立はこのモデルでの大きな挑戦でした。AIプロセッシングユニットを統合した新しい画像処理エンジンBIONZ XR2を搭載していますが、そのソフトと電源回路を密に連携させることで実現しました。

レンズ賞:ソニー「FE 50-150mm F2 GM」

岸政典氏(ソニー レンズテクノロジー&システム事業部長)

このレンズは先に発売したFE 28-70mm F2 GM同様、ズームレンズとして開発したものではなく、焦点距離が変えられる単焦点レンズという想いで作ったレンズになります。F2だと大きく重く普段使いできないようになってしまうのが一般的ですが、大三元のようにどれだけ普段使いしてもらえるものにするかが大きなチャレンジでした。

当初は135mmが限界じゃないかという話もありましたが、このレンズでなければ表現できないテレ端まで伸ばそうということで、150mm化を行いながらサイズを大きくしないでこのスペックを実現しました。ワイド端も70mmでよいという話も出ましたが、50mmまでカバーすることで、1本のレンズで表現できる幅が一気に広がると考えました。あるフォトグラファーから「レンズのゲームチェンジャーだ」とおっしゃっていただき、本当に嬉しく思っています。

中西仁氏(ソニー 商品設計第5部門長)

私たちがこのレンズを設計しようとしていた時点では、技術力が全然足りていませんでした。このスペックを実現するため、XAレンズを1段上の高い精度にして、アクチュエーターもハード、ソフトとも進化させました。組み立ての精度も1段上のレベルでないとできないということで、設備やプロセスなど製造工程から作り直しました。

インナーフォーカスで静音というところもありますので、静止画だけではなく動画でも使っていただけるレンズになっていると思います。これから皆さんに手に取っていただいて、新しい体験をしてもらえることを希望しています。

あなたが選ぶベストカメラ賞:キヤノン「EOS R6 Mark III」

EOS R6 Mark III
キヤノンの出席者

佐藤洋一氏(キヤノン IMG製品第一開発センター所長)

EOS R6の3代目ということで、EOS R6 Mark IIのお客様の声を丁寧に反映するということを目標に作り上げたカメラになります。モールドだったところもマグネシウムに変えたりと、実は色々見えないところにも手を入れています。

海外の発表会に出席していたときに、複数のディーラーからすごく価格と性能のバランスが良いという話を聞き、やってきたことに間違いはなかったということを改めて感じることができました。

あなたが選ぶベストレンズ賞:キヤノン「RF45mm F1.2 STM」

RF45mm F1.2 STM

畠山弘至氏(キヤノン 光学技術統括開発センター所長)

憧れのF1.2という大口径レンズをもっと気軽に使っていただきたいという設計者の熱い想いから開発が始まりました。オールドレンズをかき集めて、スペックだけではない撮影の体験や心に響く描写とは何かを改めて追求して作ったレンズです。

採用したダブルガウス型は本来絞りを中心に対称形ですが、わざとそのバランスを崩すことで軸上から周辺まで像面を整えるという設計をしています。またステッピングモーターのギア構成も一から見直して静音化も実現しました。

カメラ記者クラブ賞(企画賞):シグマ「SIGMA BF」

SIGMA BF
シグマの出席者

山木和人氏(シグマ 代表取締役社長)

ドラえもんのキャラクターで言うとソニーさんは出木杉君。キヤノンさんも出木杉君ですね。当社はのび太ということで、のび太が一生懸命作ったのがSIGMA BFになろうかと思います。持つと写真を撮りたくなる気持ちを呼び起こさせるカメラを作ろうと企画しました。

発売後は普段カメラの最新情報に触れないような方からも、BFで写真を撮るのが楽しくなったという声を多く聞きます。カメラ業界ののび太として、のび太がいたから業界が楽しくなっていると思われるように面白いことをやっていきたいと思います。

田中武志氏(シグマ 開発第1部長)

このカメラは見てわかるようにアルミの削り出しということで、組み立てもかなり特殊なことをしています。開発の初期段階から工場の組み立て部門と開発メンバーが膝を突き合わせて議論した上ででき上がったカメラです。

シグマとしてはソフト面でも色々チャレンジをしていて、被写体認識を初めて入れたカメラとなります。このように、BFは技術者全員がどうやったらお客様に喜んでもらえるかを議論してでき上がったカメラになっています。

カメラ記者クラブ賞(企画賞):富士フイルム「X half」

X half

米山諒氏(富士フイルム 商品企画グループ)

ハーフサイズや2枚の写真を組み合わせる表現といった商品の魅力をいかに実現するか、特にコンパクトなサイズの中にファインダーや液晶などを入れ込む部分が難しい課題でした。例えば背面の2つの画面は、実はつながっていて1枚の液晶でできています。こういった複数のアイデアの積み重ねでコンパクトなサイズを実現しました。

フィルムカメラの撮影の楽しさをデジタル時代に再現し、さらに進化させる商品を作り上げることができたと思っています。

富士フイルムの出席者

カメラ記者クラブ賞(技術賞):リコーイメージング「RICOH GR IV Monochrome」

RICOH GR IV Monochrome
リコーイメージングの出席者

齊木一伸氏(リコーイメージング 取締役)

我々が企画するイベントや写真展の中で、モノクロのフィルターを使って撮影してくださっているファンの方が非常に多いことを認識していました。そうした中、モノクロ専用機をぜひ作ろうという気運が2020年に高まりました。GRが持っている携帯性や速写性などを担保するのは当然ですが、モノクロにしかない楽しみを広げてもらうために、レッドフィルターを内蔵するといったことも企画しました。

GR1というフィルムカメラをお届けしてからちょうど30年の節目に素晴らしい賞をいただけたことを誇りに思います。

大久保恵慈氏(リコーイメージング 商品企画部)

モノクロ専用機がほしいと我々にインプットしてくださったお客様にお礼を申し上げます。そのときに、普通のGRでもモノクロは撮れるじゃないですか? という話もするのですが、お前はわかっていないと言われていろいろな教えを受けました。そうしたことで、本当にいいカメラにできたと思っていますので、写真に興味を持ったすべての方に使っていただきたいと思います。白黒写真はすごく楽しいという想いを込めたことが、この賞につながったのだと思っています。

1981年生まれ。2006年からインプレスのニュースサイト「デジカメ Watch」の編集者として、カメラ・写真業界の取材や機材レビューの執筆などを行う。2018年からフリー。