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「EOS R6 Mark III」はユーザーの不満点を見据えて開発
動画機能も強化 人気中古レンズのコンセプトを採り入れた「RF45mm F1.2 STM」も
2025年11月7日 10:25
キヤノンが11月6日にフルサイズミラーレスカメラの新モデル「EOS R6 Mark III」を発表した。ここでは同日に都内で行われた発表会の模様をお伝えする。
EOS R6 Mark IIIは、EOS Rシリーズのフルサイズラインにおけるスタンダード、EOS R6系列の最新機種。発売は11月21日。
想定価格はボディ単体が42万9,000円前後、RF24-105mm F4-7.1 IS STMレンズキットが47万8,500円前後、RF24-105mm F4 L IS USMレンズキットが58万3,000円前後。
画素数の不満点を解消
ボディのサイズ感や操作系はそのままに、画素数を大幅に引き上げたほか、動画機能の向上を図っているのがトピックだ。
ユーザーアンケートの結果、画素数について「もう少し欲しい」との声が多かったことから3,000万画素オーバーのセンサーを搭載したとのこと。
一方、画素数が増えても連写性能は従来モデルと同等の最大約40コマ/秒を実現するなど、スペックダウンしないように配慮したという。またバッファメモリを増やすことで、連続撮影枚数が従来よりも増えている。
外観チェック
ボディ外観は従来モデルと大きくは変わらず、買い換えや併用しても違和感は少なそうだ。メモリーカードスロットが従来のSDカードによるデュアル仕様から、SDカードとCFexpress Type Bのデュアルスロットになったほか、フルサイズのHDMI端子も装備された。
シャッターボタンを押す前の瞬間を撮影できる、プリ連続撮影機能を搭載した。これまで「EOS R1」と「EOS R5 Mark II」に搭載されていた機能になる。RAWでも利用可能で、最大0.5秒間遡ることができる。
従来モデルとの比較
従来のEOS R6 Mark IIと外観はほとんど変わっていないが、対応メモリーカードの変更によりグリップの後ろ側のシェイプが若干変化しているとのこと。
モードダイヤルには「S&F」ポジションが新設され、スローモーションとファストモーションが簡単に撮影できるようになった。
また、背面左上のRATEボタンに「COLOR」の表示が新たに付いた。これはカラーモード選択ボタンで、ピクチャースタイル、カラーフィルター、カスタムピクチャーを選べるようになる。
オープンゲート記録に対応
動画機能では新たにオープンゲート撮影が可能になった。3:2のセンサー全面を使って撮影するため、トリミング耐性が高まるほか、縦位置動画を切り出す際に、より解像度の高いデータとなる。
オープンゲート記録はシネマEOSでは採用例があるが、EOS Rシリーズでは初めての搭載となった。
RAW動画の内部収録が可能なほか、XF-AVC Sといった業務用フォーマットでの収録にも対応した。
大口径レンズ「RF45mm F1.2 STM」も登場
新レンズとして「RF45mm F1.2 STM」も同時に発表された。フルサイズ対応の大口径単焦点レンズとなっており、11月下旬に発売する。直販価格は6万6,000円前後。
F1.2の大口径ながら6万円台という低価格を実現している。一眼レフ用の「EF50mm F1.2L USM」と同等の解像力で、歪曲収差は電子補正前提の設計だという。
EF50mm F1.2L USMは、描写の柔らかさが特徴のレンズ。Lレンズではあるが、当時からほかのEFレンズとは毛色の違ったレンズとして知られていた。
キヤノンによるとEF50mm F1.2L USMは販売を終了しているが、独特の描写を求めて中古市場でも人気が高いという。そうした経緯もあり、同じコンセプトのRFレンズとして開発したという。
45mmという焦点距離については、すでにRFレンズに50mmが3本あるため、違った焦点距離の提案として決定したという。また、小型化の実現にはプラスチックモールド(PMo)非球面レンズが寄与しているとのことだ。
近い焦点距離のレンズには「RF50mm F1.2 L USM」(実勢価格35万7,500円前後)があるが、解像力や逆光耐性などがかなり違うとのことで、差別化を図っているそうだ。他のレンズで使われているASCやSWCといったコーティング技術も非採用となっている。
柔らかい描写は動画にも向くとのことで、動画撮影でも使ってほしいとのこと。EF50mm F1.2L USMは動画撮影時に滑らかなAFを行うのは難しいとされているが、RF45mm F1.2 STMはSTMの搭載により、動画でも滑らかなAFが可能だという。









































