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ワークマンの秋冬製品発表会が開催。寒暖差対策ウェアに新素材
“着るだけで疲労回復するリカバリーウェア”も大量生産へ
2025年9月2日 12:12
株式会社ワークマンは9月1日(月)、秋冬製品発表会「WORKMAN EXPO 2025秋冬」を開催した。同社アンバサダー、メディア、インフルエンサーのみの招待制で行われたが、会場の国際フォーラム E1、E2ホールは5,000㎡の広さを誇り、アパレル小売業の単独展示会としては国内最大規模のイベントとなった。
テーマは「気候変動・温暖化対策製品の大幅増産」。主力商品として投入する“着る断熱材”の「XShelter(エックスシェルター)」やリカバリーウェアの「MEDIHEAL(メディヒール)」をはじめ、今年2月から新業態となった「Workman Colors」など各種の展示ブースを構えた。
“45年ぶりの本気”で重点製品を大量生産へ
成長戦略プレゼンテーションには同社専務取締役の土屋哲雄氏が登壇し、今シーズンの経営戦略を発表。創業から45年を迎えた同社の、これまでのやり方を見直すことで“45年ぶりの本気”をユーザーに示していくとした。
とくに大きな方針転換として、人気製品については従来比10倍の生産を目指していくという。秋冬シーズンの重点製品としたのは、「XShelter」「MEDIHEAL」「ZERO STAGE」「KAITEKI WORK PANTS」の4製品。昨シーズンのおよそ8~10倍となる、465万点の生産を計画している。
その背景にはこれまで同社で人気製品と呼ばれたものが、在庫不足により顧客の手に届かない状況が頻発したことにあるという。それはもともと作業用品の専門として、幅広い製品を少ない在庫で販売してきた営業手法に影響するところでもあるが、一般顧客をターゲットにした製品においてはそういうわけにもいかず、近年の品薄が顧客満足度を下げているのだと同社は認識しているとのこと。
この大量生産を進めていくうえで、同社は群馬と岡山にそれぞれ2万5,000坪クラスの大型物流センターを建設。合計で300億超の巨額投資を実施した。
また新たな施策として、「ワークマン公式アプリ」を9月1日(月)にリリース。人気製品の先行予約や店舗の在庫検索ができるほか、いいねを付けた製品の入荷案内も受け取れるという。
2年後を目途に500万ダウンロードを目指しており、まずは現在140万人いるメルマガ会員はこのアプリに移行してもらう算段だ。
寒暖差に対応する“着る断熱材”
重点製品のひとつとなっている「XShelter」は、外部の暑さ・寒さを遮断して、衣服内を快適に保つことを企図した“着る断熱材”を謳う製品。とくに寒暖差に対応するとして、例えば1日の中で気温差が10℃以上あるような日にチョイスできる製品として訴求する。
秋冬モデルとして、新たな断熱素材「断熱β」を採用したアパレル製品を展開する。これは従来の「断熱α」から断熱性能を20%アップさせ、さらに新要素として伸縮性も兼ね備えた素材。
ただし、製品展開として「断熱β」と「断熱α」のどちらかに優位性を持たせることはないという。あくまでも素材として異なる性格を持つということで、より動きのある状況で着用することを想定してモデルには「断熱β」を、動きよりも保温効果を重視するモデルには「断熱α」を、といった使い分けをしている。顧客にとって製品選択の幅が広がったかっこうだ。
着るだけで疲労回復するリカバリーウェア
もう1つ注目製品として同社が押し出すのは、リカバリーウェアの「MEDIHEAL」だ。繊維に特殊鉱石が練りこまれており、体から発した遠赤外線を輻射することで体を温め、血行を促進するというもの。「一般医療機器」に認定されている。
同社がこの製品を投入したのは2021年のことで、当初はいわゆるプロ職人をターゲットに販売を開始。これまで累計170万枚を販売して実績を上げられたことから、一般顧客の需要増にも応えるため昨年の秋冬から10倍となる大幅な生産量アップを決めた。
ステージイベントとして、ブランドアンバサダーに就任したタレントの武井壮さんが登壇した。MEDIHEALを着用した感想について、「まったく心地悪い部分がない、驚くべき着心地。しかも動きやすくてスポーツの動きをするときも引っかかったりというのが全くない。本当に過去1ぐらいにストレスのない着心地だった」と語った。