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「EOS R1」「EOS R5 Mark II」の最新ファームウエアが公開

ネット越しでのAF、流し撮り時の被写体ブレ補正など追加

EOS R1

キヤノンは7月24日(木)、「EOS R1」「EOS R5 Mark II」の最新ファームウエアを公開した。公開を中止していたVer.1.1.0の不具合を対策した。

7月17日(木)に公開されたVer.1.1.0(EOS R1、EOS R5 Mark IIともに同じバージョン番号)は、複数の機能追加などを含みながらも、2TB超のメモリーカードで動画が記録できない現象などが判明して公開を停止していた。

最新のEOS R1ファームウエアVer.1.1.2およびEOS R5 Mark IIファームウエアVer.1.1.1では、Ver.1.1.0で生じていた問題に対処。更新することで、Ver.1.1.0で追加された機能などを享受できる。

EOS R5 Mark II

ファインダー表示優先モード【EOS R1のみ】

新機能の1つ「ファインダー表示優先モード」は、EOS R1の発売以来、使用されていなかった「背面センサー」を使うもの。本体背面の向かって左下に設けられた「背面センサー」が撮影者を検知すると背面モニターのライブビュー表示をとりやめ、ファインダーでのライブビュー表示に切り替える。

赤枠内が「背面センサー」

アイセンサーによる自動切替(画面表示先AUTO)よりも高速に表示を変更できることから、とっさにファインダーをのぞいて撮影する際、決定的瞬間の撮影を有利にするという。またライブビュー画面をファインダーのみに、MENU画面や再生画面は背面モニターで表示……といった設定も行える。

ネット越しモード【EOS R1、EOS R5 Mark II】

サーボAF特性に「Case スペシャル」が追加される。バドミントン、バレーボール、サッカーといった、被写体がネット越しになるスポーツ撮影のため設けられた。ネットが手前にあっても、奥の選手にピントを合わせる。

Case スペシャルOFF
Case スペシャルON

流し撮りアシスト【EOS R1のみ】

ライブビュー映像をもとに被写体の動きを解析・予想する機能を利用し、流し撮り時に手ブレと被写体ブレを補正する機能。予測結果を光学式手ブレ補正に反映することで、歩留まりの向上やより長いシャッター速度での撮影をサポートするという。

対応するレンズが規定されている。

流し撮りアシストOFF
流し撮りアシストON

プリ連続撮影の枚数切替【EOS R1、EOS R5 Mark II】

プリ連続撮影の枚数を設定できる。「EOS R1」は1〜20枚まで、「EOS R5 Mark II」は1〜15枚まで。

更新内容一覧

  • 電源ON時にパスワード入力画面を表示可能に
  • カメラ単体でインターネット経由でのファームウエアの取得・更新に対応
  • 「ファインダー表示優先モード」を追加【EOS R1のみ】
  • 100/120Hzのフリッカーをライブビュー中に自動検知
  • カメラリモートアプリケーション「CR-A100」のプリセット機能にフォーカス位置が登録可能に
  • 「流し撮りアシスト」を追加【EOS R1のみ】
  • ネット越しの被写体撮影に適した「Case スペシャル」を追加
  • ソフトウェア開発支援キット(EDSDK/CCAPI)の対応機能を追加
  • 画像をレーティングする際、同時に画像をプロテクトする機能を搭載
  • 周辺協調制御対応レンズのブレ補正制御を改善【EOS R5 Mark IIのみ】
  • 8TBまでのCFexpressカードに対応
  • CR-A100でリモート撮影する際、撮像フレームレートを下げる設定を追加
  • 音声メモ付き画像をFTP転送した際、音声メモ→画像の順で転送するように変更。転送待ちの画像に音声メモを追記した場合は、転送順が最後になる
  • プリ連続撮影時の記録枚数を1枚単位で設定可能に
  • 撮影時ボタン カスタマイズに「機内モード」を追加
  • ストロボ使用時に露出シミュレーションが可能に
  • 動画AF撮影でピントが合いにくい被写体に対するAF追従性を改善
  • 「ブラックアウトフリー表示」を「する」かつ「サーボAF1コマ目レリーズ/ワンショットAF時のレリーズ」を「レリーズ優先」の設定で、撮影後に拡大表示するとErr70が発生することがある現象を修正
  • 他のBluetooth機器からの干渉により、Bluetooth通信中にErr70が発生することがある現象を修正
  • 「高速連続撮影+」で撮影を繰り返すと、ごくまれにErr70が発生する現象を修正
  • 起動後すぐに電子シャッターで撮影すると、ごくまれにErr70が発生する現象を修正
  • FHD239.8P/200.0Pで動画撮影中、ごく稀にErr70が発生する現象を修正
  • 動画モードでフレームレート「50.00P」、「動画電子IS」が「入」または「強」のとき、ごく稀にErr70が発生する現象を修正
  • 「プレ記録」を入かつimage.canonへの「自動転送」を「する」にして撮影待機中、Err70が発生することがある現象を修正
  • 「撮影画像の確認」を「切」に設定し、プリ連続撮影後にモニターが低輝度表示になると、カメラが正常に動作しなくなることがある現象を修正
  • HDMI出力をしながらEOS Utilityでリモートライブビュー撮影をすると、動画記録ができないことがある現象を修正
  • ファイルサイズの大きいRAW画像をCamera Connectで転送できない現象を修正
  • ファインダーに横線が一瞬表示されることがある現象を修正【EOS R5 Mark IIのみ】
  • Wi-Fi 7対応のルーターに接続できない現象を修正
本誌:折本幸治