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写真素材販売サイト「PIXTA」が東証マザーズに上場
投稿者は17万人 “日本関係の素材”に高いニーズ
Reported by 本誌:武石修(2015/9/14 18:25)
写真などの素材販売サイト「PIXTA」(ピクスタ)を運営するピクスタ株式会社は9月14日、東証マザーズに上場した。14日の終値は、公開価格1,870円を上まわる2,749円だった。
PIXTAは、投稿クリエイターと呼ばれるアマチュア作家が写真やイラストなどを投稿し、その素材を広告代理店や出版社が購入するストックフォト(マーケットプレイス)事業を行っている。購入代金の一部が投稿クリエイターに報酬として支払われる仕組み。
ピクスタ株式会社は、2005年に株式会社オンボードとして設立し、2009年に現在の社名に変更。8月に創立10周年を迎えた。従業員は60名。2014年12月期(通期)の売上高は10億6,800万円、純利益は9,000万円。今期は売上高28%増を見込む。
現在PIXTAの投稿クリエイター数は17万人で、1日1万点の素材が投稿されているという。全体のストック数は1,300万点に及ぶ。素材の単品販売は税別500円/点から。定額制販売は同33万円/年と同3万5,000円/30日のプランがある。
同社代表取締役社長の古俣大介氏は、「投稿された素材のかなりの割合が日本に関係するもの。国内の需要とマッチしており、PIXTAの大きな強みとなっている。また、これまでは素材を単品で販売していたが、2014年から定額制のダウンロード販売も始めた。購入者のリピート率が高く、加えて新規ユーザーの利用が積み上がっており、毎年売上増を達成している」とした。
加えて、蓄積された大量のデータの分析にも注力しており、売れ筋やトレンド、手薄なジャンルなどを割り出し、その情報を投稿クリエイターに提供している。「こうしたノウハウに沿って制作してもらう循環を作ることで、素材の質向上に繋がっている」(古俣氏)。
今後の成長戦略としては、定額制のサービスをより強化し、収益安定性を高める。「定額制プランはここ1~1年半で順調に伸びており、全体の数割を占めるものになると考えている」(古俣氏)。
また古俣氏は、スマートフォンやタブレットでの動画視聴が今年から急激に増えているとし、ニーズの高まっている動画素材の本格展開を行うという。
さらに海外展開も進める。これまでに台湾とシンガポールに拠点を設けた。「今後はまずは台湾でのシェアを伸ばし、将来的には東アジアや東南アジアといった成長性のある市場で売上を伸ばしたい」(古俣氏)とした。
上場で調達した資金については、顧客基盤強化に向けた広告宣伝と開発人員の採用、教育資金に投じるとした。「オンライン広告で費用対効果を見ながら積極的に広告展開していく。一方、サイトの利便性や検索機能のブラッシュアップのためにエンジニアの採用はキーになる」(古俣氏)と話した。