オリンパス、現旧取締役19名に最大36億1,000万円の賠償請求

〜経営改革委員会は意見書受付窓口を設置

 オリンパス株式会社は10日、同社が7日に取締役責任調査委員会から調査報告書を受領し、現旧取締役に対する損害賠償請求訴訟を8日に東京地方裁判所へ提出したことを発表した。

 1月7日に監査役全員の一致で損害賠償請求訴訟の提起を決定。1月8日に現旧取締役19名に対し、損害賠償請求訴訟(責任追及等の訴え)を東京地方裁判所に提起した。請求金額は下記表の通り。請求金額は調査報告書の内容に従い、各現旧取締役の支払能力や各責任原因に対する関与の度合いなどを考慮している(遅延損害金も含む。各現旧取締役間での連帯債務)。

氏名請求金額
下山敏郎10億円
岸本正壽10億円
菊川剛36億1,000万円
山田秀雄30億1,000万円
森久志28億1,000万円
中塚誠1億1,000万円
遊佐厚2億5,000万円
降籏廣行2億5,000万円
寺田昌章5億円
長崎達夫5億円
大久保雅治5億円
柳澤一向5億円
森嶌治人5億円
高山修一5億円
塚谷隆志5億円
藤田力也2億5,000万円
千葉昌信2億5,000万円
林純一2億5,000万円
川又洋伸2億5,000万円

 同社は2011年12月7日に「責任ありと判断された取締役は同社の業務執行に支障をきたさないようにした上で役職を退く」旨を告知しているが、現取締役においても責任ありと判断された場合、3月〜4月を目途に開催予定の臨時株主総会終了時をもって全員取締役を辞任する予定としている。

 また同社は10日、第三者委員会の調査結果および提言を受けて経営改革委員会の設置を決議。同社取締役会による「経営体制の刷新」、「ガバナンス体制、内部統制システム及びコンプライアンス体制の見直し」、「事業再建計画案の策定に関する重要決定事項(提案)」について審査の上、指導・勧告を目的とするもの。同委員会では利害関係人からの意見書を受け付けるとし、提出に関する詳細をWebサイトで告知している。受付期限は1月末まで。

 なお、東京証券取引所は同日、「一部報道について」というニュースをWebサイトに掲載。管理銘柄(審査中)に指定されているオリンパス株式に関し「特設注意市場銘柄に指定して上場を維持し、オリンパスに対して上場契約違約金の支払いを求める方向で当取引所が検討しており、月内にも決定」という内容の報道がなされているが、同社株式の上場適格性は東証の自主規制法人で審査中であり、そのような内容を決定・公表した事実はないとしている。

 ※長崎達夫氏の崎の字、高山修一氏の高の字は本来異なる文字ですが、環境により表示できないためそれぞれ代用しています。




(本誌:鈴木誠)

2012/1/10 20:52