ペンタックス、一眼レフカメラ用GPSユニットを正式発表

〜天体追尾撮影機能「アストロトレーサー」搭載

 ペンタックスは、一眼レフカメラ用GPSユニット「PENTAX O-GPS1」を6月下旬に発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は2万円前後の見込み。

O-GPS1

 対応するカメラのホットシューに装着することで、撮影画像にGPSから受信した位置情報を記録できるアクセサリー。デジタル一眼レフカメラ「645D」、「K-5」、「K-r」に対応する。CP+2011で「一眼レフ用GPSユニット」としてプロトタイプを参考展示していた。接続にケーブルなどは用いず、ホットシューの接点ですべての通信を行なう。

 撮影画像には、緯度・経度・高度・UTC(世界協定時)・方位を記録。コールドスタートは約40秒、ホットスタートは約5秒としている。測位間隔は1秒。GPS精度は10mRMS。

 電子コンパス機能も搭載。内蔵の磁気センサーで磁北を検出し、GPSの位置情報と照らし合わせることで偏角を踏まえ真北を算出する。精度は±5度(精密キャリブレーション実施時)。

645Dに装着したところK-5に装着したところ

 O-GPS1は位置情報記録機能のほか、簡易天体追尾撮影機能「アストロトレーサー」、撮影地点までの方角と距離を示す「直線ナビ」機能も搭載。利用には発売に先駆け公開予定という対応ファームウェアをカメラに適用する必要がある。

 アストロトレーサーは、K-5およびK-rで利用できる機能。磁力を用いたセンサーシフト式の手ブレ補正機構「SR」を利用し、通常なら赤道儀を用いるような天体追尾撮影を三脚だけで簡易的に行なえるというもの。追尾動作は、K-5などが搭載する構図微調整機能の原理と同様に、センサーのみを動かして行なう。手ブレ補正機構を持たない645Dでは利用できない。

 センサーの動作は、GPSの緯度情報、磁気センサー、加速度センサーから得たカメラの姿勢情報などにより決定。最大追尾可能時間は5分で、撮影地点の赤緯や装着レンズの画角などに応じて短くなる。なお、K-5、K-r以外の「SR」搭載機種への対応については未定という。

 直線ナビは、現在地から目的地までを直線的にナビゲーションする機能。SDメモリーカードのDCIMフォルダに位置情報付きの画像をコピーしておくと、画像のExifに記録されている地点情報を読み込み、目的地として指定できる。

 画像はDCF規格に準拠したExif情報であれば、他社のGPS搭載デジタルカメラや携帯電話の撮影画像でも読み込めるという。目的地情報はパソコンでテキストファイルを編集し、ファームウェアに読み込ませることもできる。購入時は各国のペンタックスサービス拠点を9カ所プリセットしている。

O-GPS1の背面単4電池で駆動するため、カメラのバッテリーを消費しない

 電源は単4電池×1本を使用。アルカリ電池で約7時間、リチウム電池で12時間駆動する。外装は簡易防滴構造とした。

 外形寸法は約49×33×59.5mm。重量は本体のみ約50g、アルカリ電池使用時約61g。



(本誌:鈴木誠)

2011/6/2 10:13