「カメラグランプリ2011」大賞はペンタックス645Dに


 カメラグランプリ2011実行委員会は18日、「カメラグランプリ2011」の各受賞内容を発表した。大賞はペンタックス「645D」。新設のレンズ賞は、タムロンの「18-270mm F3.5-6.3 Di II VC PZD」が受賞した。

カメラグランプリ2011大賞を受賞したペンタックス645D

 カメラグランプリは、写真・カメラ雑誌の担当記者の集まりであるカメラ記者クラブが主催し、カメラグランプリ実行員会の運営のもと、選考員を組織している。カメラ記者クラブのメンバーを始め、加盟雑誌の編集長、外部選考委員、識者、カメラライター、写真家などが審査に当たった。

 受賞製品は次の通り。

カメラグランプリ2011大賞

・ペンタックス645D(HOYA株式会社PENTAXイメージング・システム事業部)

 1年間に日本国内で発売されたスチルカメラの中から、最も優れたカメラ1機種を選ぶもの。

 選考理由は、「2005年のPIE(フォトイメージングエキスポ)で初めてモックアップが展示されてから、途中開発の凍結がありつつも、断念することなく製品を完成させたこと、多彩な機能を搭載した高画素デジタルカメラでありながら、従来の中判デジタルカメラと比べて低コスト化を実現したこと、苛酷な環境下での撮影を可能にする防塵防滴性能を備えた剛性の高いボディ、従来のレンズ群が使用できるシステムの互換性を持たせたことなどを総合的に評価した」。

 上記5機種の得点結果は、ペンタックス645D(177点)、ニコンD7000(70点)、富士フイルムFinePix X100(70点)、ソニーNEX-5(65点)、ソニーα55(54点)。


カメラグランプリ 2011 レンズ賞

・18-270mm F3.5-6.3 Di II VC PZD(株式会社タムロン)

 今回より新たに設けられた賞。優れたレンズを選定し表彰する。

18-270mm F3.5-6.3 Di II VC PZD

 「光学系のみならずAF駆動システムや手ブレ補正機構などに新規技術を取り入れ、高画質化と小型軽量化を両立させた点を高く評価した」という。

 上位5モデルの得点は、タムロン18-270mm F3.5-6.3 Di II VC PZD(71点)、タムロンSP 70-300mm F4-5.6 Di VC USD(65点)、コシナNOKTON 25mm F0.95(63点)、ニコンAF-S NIKKOR 35mm F1.4 G(60点)、キヤノンEF 70-200mm F2.8 L IS II USM(44点)。


カメラグランプリ 2011 あなたが選ぶベストカメラ賞」

・D7000(株式会社ニコン)

 カメラグランプリ25周年(2008年)を記念して設けられた賞。専用Webサイトでの一般ユーザー投票によって選考された。投票期間は3月20日から4月10日。

D7000

 寄せられた選考理由のうち、代表的なものは次の通り。


  • 一眼レフの性能、楽しさをまさに凝縮したカメラ。初心者にこそ必要なAF性能とホワイトバランス性能、持ち歩きに適したサイズ。奇をてらうことなく進歩するカメラ然としたカメラであると思います。(34歳・富山)
  • 撮る心地良さと、性能、機能のバランスがとれていて、とても良いカメラだと思うからです。(46歳・大阪)
  • 欲しいと思っていた機能がコンパクトな機体にこれでもかと思うほどに詰め込まれている。どの機能が突出しているわけではないけれど、全てがバランスよく網羅されている素晴しさ、そしてそのカメラが手の届く値段である事が何よりうれしい。(32歳・神奈川)
  • サイズ、機能、価格、画質、使い勝手、ブランド性、総合バランス、全ての項目に平均点以上で満足感がとても高い。(45歳・山形)
  • 視野率100%の見やすいファインダー、経済的なSDカードによるダブルスロットの記録方式、39点のフォーカスポイント、程よいホールド感、パソコンにやさしい画素数。(57歳・岐阜)
  • 上級機種をも凌駕する機能を搭載したカメラ。豊富なレンズとの組み合わせで、ジャンルを問わず、撮る気にさせるカメラだと思います。(50歳・神奈川)
  • 女性の手に負担のかからない大きさ。上級機種に見劣りしない性能。(59歳・和歌山)
  • 初めて一眼レフを購入しましたが、画質や細かい設定が初心者でも使えるように配慮されており、今後わたしにとって新しいカメラの世界に導いてくれるように感じたから。(36歳・北海道)
  • 必要とされる機能が期待以上に全て入っている。コストパフォーマンスが最高といえる。(62歳・埼玉)
  • 手に馴染んで連写の音も心地いいので。(38歳・香川)
  • 上級機を上回る機能を持ちつつ、コンパクトなので旅行などに気軽に持って行けそうですね。自然の風景から、建造物、街のスナップ、展示物、イベント撮影等あらゆるシーンに適応できるカメラだと思います。(40歳・東京都)
  • 1,620万画素CMOSセンサーで高機能なのに軽いので、手持ち撮影が軽快に楽しめるところに魅力を感じます! 特に注目する機能が、階調補正機能です。アクティブD-ライティングをオートにしておくだけで、夕景など明暗差の大きい条件でも、簡単にきれいな写真が撮れる。(24歳・鳥取)

カメラグランプリ 2011 カメラ記者クラブ賞

MAXART PX-5V(セイコーエプソン株式会社)
FinePix X100(富士フイルム株式会社)

PX-5VFinePix X100

 カメラグランプリの選考後に、大衆性、話題性、先進性に優れた製品をカメラ記者クラブのメンバーの合議によって選ぶ「カメラ記者クラブ特別賞」を1990年から創設。2008年より「カメラ記者クラブ賞」と名称を変更した。

 PX-5Vは、「PX-5500やPX-5600に引き続き、多くの写真ファンにA3ノビプリンターの魅力を伝え、かつ印刷品質をさらに高めた点」が受賞理由。

 FinePix X100については、「先進性や話題性はもちろん、富士フイルムが培ってきたノウハウを盛り込み、写真を撮る道具としての原点や、撮る喜びを感じられるデザインを追及。アナログカメラの魅力をも表現した製品そのものの佇まいを含めて高く評価した」という。

 なお、カメラ記者クラブ加盟誌は次の通り。アサヒカメラ、カメラ年鑑、カメラマン、CAPA、コマーシャル・フォト、デジキャパ!、日本カメラ、PHaT PHOTO、風景写真、フォトコン、フォトテクニック デジタル。



(本誌:折本幸治)

2011/5/18 12:00