ソニー、経営体制改革を発表。平井一夫氏がコンシューマー事業統括に


 ソニー株式会社は10日、エレクトロニクスおよびネットワークサービス事業の経営体制を変更すると発表した。現執行役EVPの平井一夫氏が代表執行役副社長となり、デジタルカメラを含むコンスーマープロダクツ&サービスグループを統括する。

「コンスーマープロダクツ&サービスグループ」を統括する平井一夫氏。SCEの代表取締役社長兼グループCEOとして、NGPの発表会で登壇したときの写真

 中核事業であるエレクトロニクスおよびネットワークサービス事業の経営体制を変革する内容であり、これにより、「ネットワーク・エンタテインメントとビジネスソリューションを提供する世界最強の企業を目指す」としている。10日の取締役会で決議され、4月1日付けでとり行なわれる。

 具体的には、「コンスーマープロダクツ&サービスグループ」と「プロフェッショナル&デバイス・ソリューショングループ」の2つのグループを新たに設置。現在は「コンシューマー・プロフェッショナル&デバイスグループ」(CPDG)と「ネットワークプロダクツ&サービスグループ」(NPSG)に分かれており、新体制ではコンスーマープロダクツ&サービスグループにネットワーク製品・サービス事業を併合。加えて両グループに含まれていた放送局向け機器や半導体などをプロフェッショナル&デバイス・ソリューショングループにまとめた体制になると見られる。

 このうちコンスーマープロダクツ&サービスグループについて、ソニーは「成長戦略の要となるB2B、コンポーネント、半導体事業を担当」と説明。放送局向け機器、業務用製品、半導体、バッテリー、その他のデバイス事業を担当するグループになるという。ソニーが持つ先端技術とコアデバイスにより、エネルギーやメディカルといった新規事業を開拓する。現執行役副社長の吉岡浩氏が統括する。

 一方コンシューマー・プロフェッショナル&デバイスグループが担当するのは、テレビ、ホームビデオ、ホームオーディオ、デジタルイメージング、パソコン、ゲーム、モバイル製品など、ソニーのすべてのコンスーマー・エレクトロニクス製品事業とこれらを繋ぐネットワークサービス事業になる。家庭およびモバイル双方の領域で、次世代の革新的な製品を開発し、「魅力的でシームレスなエンタテインメント体験を提供することにに注力する」という。

 統括する平井氏はゲーム事業の再建、PlayStation Networkの拡大、新たなネットワークサービスプラットフォームの導入を指揮してきた。

 なおハワード・ストリンガー代表執行役 会長兼社長 CEOは現職に留まる。

 ただしソニーでは、「次世代の経営陣への権限委譲を進め、短期の経営目標を着実に実現しつつ、長期の成長戦略の実現も併せて追求していくものです」とも説明している。



(本誌:折本幸治)

2011/3/10 14:10