ベスト電器、さくらやを清算。全店を2月28日に閉店


 株式会社ベスト電器は12日、連結子会社のさくらやについて、全面的な事業撤退と清算を行なうと発表した。

 同日に発表した事業再構築計画によるもので、「再建のめどが立たない」ことから、当期中に事業撤退を行ない、その後会社を清算するという。

2月28日全店閉店を告知するさくらやのページ

 12日現在、さくらやのホームページには「さくらや全店閉店のお知らせ」と題したページが掲載されている。2月28日をもってさくらや全店を閉店することを告知した内容で、さらに同ページでは、「これまでお貯め頂いたポイント、ならびにさくらやギフト券は、お早めにご利用くださるようお願いいたします」との案内文を掲載している。

 さくらやでは詳細を随時ホームページで告知するとし、3月1日以降にはHOT安心補償についての詳細を案内するとしている。いまのところ、「ベスト電器主要店舗などにおいて対応させていただく予定」という記述になっている。

 ベスト電器は12日、平成22年2月期の連結業績予想について修正を行ない、営業損失45億3,000万円、経常損失52億3,000万円、純損失301億8,000万円の赤字になる見通しを発表している。

 理由として、主力地域である九州地区における家電量販店の競争激化を挙げ、「業界他社の営業損益が改善する中、当社の回復は遅延」と説明。さらに「ニーズを的確に捉えた営業戦略や競合戦略といった構造的課題への取り組みが遅れたこと」、「不正郵便問題により顧客からの信頼が低下したこと」などを挙げている。

 今回ベスト電器が発表した事業再建計画には、全国50〜70店舗の閉鎖を予定すると同時に、余剰人員の整理などが含まれている。さらに役員数の削減や報酬の大幅なカットも行なうという。

 さくらや事業については、業績改善が遅れ、営業赤字が継続していた。今回の清算により、当期に対して来期の営業利益20〜25億円程度の改善を見込んでいる。また、ビックカメラとの提携は継続する。

 さくらやは首都圏を基盤とした駅前型量販店として知られており、時流に乗り最盛期には「YBS」(ヨドバシカメラ、ビックカメラ、さくらや)と並び称される大手カメラ系量販店にまで成長。しかし競争激化などにより業績が悪化し、2006年度には2億1,800万円の純損失を計上していた。

 ベスト電器がさくらやを子会社化したのは2006年11月。



(本誌:折本幸治)

2010/1/12 18:31