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ビクセン、ラージフォーマットでの撮影に対応した天体望遠鏡「VSD70SS鏡筒」
2024年10月8日 18:29
株式会社ビクセンは、天体撮影に加えて観測にも適しているという「VSD70SS鏡筒」を10月11日(金)に発売する。価格は55万5,500円。
2023年に発売したフラッグシップモデル「VSD90SS鏡筒」の性能をコンパクトボディに凝縮したもので、プロ・アマチュア写真家向けながら、眼視観測にも対応する高性能モデル。撮影から画像処理までの使いやすさに優れ、天体写真をより手軽に撮影できるよう設計したという。
光学系は、凸レンズにSDレンズ2枚と高屈折率EDレンズ1枚を、前側の凹レンズに新開発の高性能ランタン系ガラスを採用した。これにより色収差と非点収差を極限まで抑え、ラージフォーマット(44×33mm)の周辺部においてもシャープで均一な星像が得られるという。
大口径レンズを後群光学系に採用することで、周辺減光を抑制。これにより、撮影後の画像処理が容易になる効果も期待できる。
ピント合わせの精度に関して、エアリーディスクに収まる範囲を広く設定。「ピークのなだらかさ」に注力することで、多少のずれが生じても良好な結果が得られるよう工夫した。
これにより、ピント合わせが完璧でない場合や、スケアリング(望遠鏡の光軸調整)にわずかな誤差があっても、視野周辺における星像の色味の変化や形状の崩れが最小限に抑えられるという。
眼視観測においても、低倍率での広視野観察から惑星などの高倍率観測まで幅広く対応。多波長ストレール強度は96.7%を誇り、同社の81mmSDアポクロマート鏡筒「SD81SII」の95.7%を上回る結像性能を持つ。
接眼部には87.5mmの大口径を採用し、様々な観測シーンに対応できる。また、精密なピント合わせのためのデュアルスピードフォーカサー(別売)やZWO社製電動フォーカサーなども取り付け可能としている。
基本仕様
- 対物レンズ:70mm
- レンズ構成:5群5枚
- 焦点距離(口径比F):385mm(F5.5)
- 分解能・極限等級:1.66秒・11.0等
- イメージサークル:φ55mm
- 外形寸法:φ90×368〜444mm
- 重量:3.5kg