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ソニー製の6,100万画素フルサイズセンサーを搭載した冷却CMOSカメラ
冷却効果は−35℃、長時間露光向けの読み出しモードも
2024年8月5日 12:39
株式会社サイトロンジャパンは、Player One Astronomy社のCMOSカメラ2機種を8月6日(火)に発売する。市場予想価格は「ZEUS 455C PRO(カラー)」が75万円前後、「ZEUS 455M PRO(モノクロ)」が77万円前後。
天体撮影向けの冷却システム搭載CMOSカメラで、天体望遠鏡などと組み合わせて使用する。
両機種ともソニー製の6,100万画素フルサイズセンサー「IMX455」を搭載。裏面照射型STARVISテクノロジーにより、「ZEUS 455C PRO」で約80%、「ZEUS 455M PRO」で約91%の高い量子変換効率と低読み出しノイズを実現した。
イメージセンサーの冷却には、2つのTEC(冷却素子)を用いた「デュアルTEC冷却システム」を採用。センサーチャンバーの構造の最適化、テフロンスペーサーによるヒートバックの軽減、大型ヒートシンクによる効率的な排熱により、最大で外気温−35°の冷却が可能。冷却による結露を防ぐため、ヒーターも内蔵する。
16bitADCを採用し、12bitADCの16倍、14bitADCの約4倍の高分解能を実現。独自のチューニングにより、飽和電荷容量を51keから71.6keに拡張した。512MB DDR3キャッシュメモリを搭載し、フレームドロップを回避して読み出しを安定させることで、リードアウトノイズとアンプグローを大幅に減少させている。
デッドピクセルサプレッション技術を搭載し、ホットピクセルやクールピクセルを自動で判別・補正する。
画素読み出しモードには「Normal」のほか、読み出しノイズを大幅に低減する「LowNoise」も用意した。
ボディデザインは八角形。東西南北の軸に対するセンサーの長辺・短辺の直交性が重要であることから、センサーの辺に対応する位置が平面となる設計となっている。セッティングや構図の変更時、角度合わせに活用できる。
望遠鏡との接続部分は円形で、回折光への影響を最小限に抑えている。また、チルトプレート形状を採用し、各辺に調整ネジを配置することでスケアリング調整を直感的に行える。チルトプレートと本体の間には遮光性の高いシェーディングパッドを装着している。
2024年8月時点で、ZEUSシリーズのカメラはASCOMカメラに対応しているキャプチャーソフト(SharpCap, N.I.N.A, AstroPhotographyToolなど)で動作する。ネイティブ対応については各キャプチャーソフトの対応機種を確認する必要がある。カメラとの接続には、Player Oneが無料配布する専用のASCOMドライバーが必要となる。
主な仕様
- イメージセンサー:SONY IMX455 裏面照射型CMOSセンサー
- フォーマット:フルサイズ(36mm×24mm)
- 解像度:9,576×6,388ピクセル(約6,117万画素)
- ピクセルピッチ:3.76×3.76μm
- シャッター:ローリングシャッター
- シャッター速度:32μs~2000s
- QE:約80%(カラー)/約91%(モノクロ)
- 読み出しノイズ:4.2-1.27e-
- 保護ガラス:ARコートクリアガラス(直径φ55mm/厚さ2mm)
- フランジバック:17.5mm/12.5mm(チルトプレート取り外し時)
- データポート:メインケーブルUSB3.0(Type-C)、アクセサリーUSB2.0(Type-C)
- 内部キャッシュ:512MB(DDR3)
- 電源:DC12V 3A(最大)
- 筐体直径:最大90mm、内径φ2.1mm、外径φ5.5mmセンタープラス
- 接続規格:M48 P0.75mm、50.8mm 差し込み/31.7mm 差し込み
- 質量:約650g