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ライカ監修カメラ搭載のスマートフォン「AQUOS R9」

AQUOS R9

シャープは5月8日(水)、ライカが監修したカメラを搭載したスマートフォン「AQUOS R9」を発表した。

発売は7月中旬以降。NTTドコモ、ソフトバンクからの発売に加え、シャープ自身もメーカーモデルとして同時に発売する。メーカーモデルの価格は税込10万円前後。

AQUOS R9は、SoCにSnapdragon 7+ Gen 3を搭載したスマートフォンで、AQUOSシリーズではハイエンドに位置づけられる。SoCを従来のSnapdragon 8シリーズから下位の7シリーズに変更。コストを抑えつつ、最新チップということで、ハイエンド端末の前モデルAQUOS R8と同等クラスの性能を実現しているという。

「LEICAのある毎日」と銘打ちライカ監修のカメラを搭載

背面カメラはメインと超広角のデュアルカメラ。どちらも有効画素数約5,030万画素CMOSセンサーを採用。メインカメラには1/1.55型の比較的大型となるイメージセンサーを採用した。メインカメラのレンズは焦点距離23mm(35mm判換算時)、F値F1.9で光学式手ブレ補正を搭載。

インカメラも含めてカメラはすべて約5,030万画素に。メインカメラには光学式手ブレ補正を搭載した

超広角カメラのセンサーサイズは非公開だが、画素数をメインカメラと同等に引き上げた。レンズは焦点距離13mm(同)、F値F2.2。メインカメラと超広角カメラのレンズをひっくるめて「HEKTOR 1:1.9-2.2/13-23 ASPH.」となっており、前モデルのR8に引き続きHEKTOR(ヘクトール)銘を冠するレンズとなった。

2つのレンズをあわせてHEKTORのズームレンズという扱い

レンズ自体は、ハードウェアとして光学式手ブレ補正が搭載された点以外は同等だという。ソフトウェア面では、画像処理エンジンとしてProPix Proを搭載。最新SoCによる画像処理に加えて、ライカの監修も受けつつ独自の画質チューニングを実施。例えばノイズを消しすぎてノッペリしないようにしながら、肌のノイズは消すといった、セグメンテーションごとのノイズ処理を行っているという。他にも、ホワイトバランスや露出制御を改善しているそうだ。

カメラの出っ張りはそれほど大きくはない

追尾AF性能も強化し、AIによって追尾中の人物がいったん物陰に隠れるようなシーンでも予測して追尾し続けられるようになった。料理写真のような俯瞰撮影で、料理に被さった影をAI処理で取り除く機能も搭載した。

AF追尾中に被写体が隠れても動きを予測して追尾し続ける
俯瞰撮影で生じる影をAIが除去してくれる

動画性能も強化。夜間での動画撮影に強い「ナイト動画」機能をAQUOSシリーズで初めて搭載。ボケをコントロールして映画のように被写体を際立たせることができる「シネマティック動画」機能も搭載した。

夜景時の動画がきれいに撮影できるナイト動画
動画撮影時にリアルタイムで背景ボケの処理を加えて被写体を際立たせるなどの撮影ができるシネマティック動画

カメラ以外のスペックとしては、メモリ12GBを搭載。仮想メモリを最大8GBまで追加可能。ストレージは256GBを搭載する。

主なスペック

ディスプレイは約6.5型フルHD+(1,080×2,340)のPro IGZO OLED。「明るさにこだわった」とのことで、最大で従来比4倍の明るさになっているという。バッテリー容量は5,000mAh。

IP5・IPX8、IP6Xの防水防塵性能に加えて、MIL規格に対応する耐衝撃性能も備えた。nanoSIMとeSIMのデュアルSIMで5Gに対応。OSはAndroid 14を搭載する。さらに内部にベイパーチャンバーを採用したことで放熱性能が向上しているとのことで、長時間の動画撮影などにも効果がありそうだ。

AQUOSシリーズで最大というボックススピーカーを採用して、音量面でも改善。海外では電車内でもスピーカーを使った動画や通話が行われるため音量が重視されるということから改善したという。音量は約2.5倍、低音域は約2倍になったそうだ。

デザイン面では、デザイナー三宅一成氏が設立した「miyake design」が監修してデザインを一新。カメラ周辺の枠が真円でも楕円でも四角でもない「自由曲線」で、「カメラ位置も揃いすぎないで絶妙なバランス」だとしている。

オンデバイスの生成AI機能も搭載。留守番電話機能として、端末内に録音した通話音声を生成AIが認識してテキストとして要約する機能を備えた。Galaxy S24シリーズなどに搭載されているような、画像生成の機能は搭載されていない。

ライカブランドの「LEITZ PHONE 3」のベースモデルとなり、1型センサーを搭載したR8 proも存在しているが、今回後継機種は発表されなかった。ただ、proシリーズを廃止したわけではないそうで、同社ではタイミングを考えながら出していきたい考えを示している。

【2024年5月9日】初出自に記載していたKDDIでの取り扱いはありません。お詫びして訂正いたします。
【2024年5月9日】シャープが「LEITZ PHONE 3」を発売しているとの誤記を改めました。お詫びいたします。

小山安博

某インターネット媒体の編集者からライターに転身。無節操な興味に従ってデジカメ、スマートフォン、キャッシュレスなどといったジャンルをつまみ食い。軽くて小さいものにむやみに愛情を感じるタイプで、「世界最小・最軽量」が大好物。たいてい何か新しいものを欲しがっている。