世界全体でレンズ一体型カメラが好調。国内ではミラーレスカメラが昨対比200％超に

デジタルカメラ【Worldwide】出荷数量月間推移　出典：一般社団法人カメラ映像機器工業会（CIPA）

一般社団法人カメラ映像機器工業会（CIPA）は4月3日、2023年2月のデジタルカメラ生産出荷実績（同工業会統計）を公開した。

レンズ一体型カメラの健闘。出荷金額が好調に

2023年2月のデジタルカメラ総出荷台数は44万6,749台、金額は367億6,397万6,000円を記録した。前年同月比でみると、台数は90.4％とわずかに減少したが、金額は113.5％と上昇する結果となった。

低調なスタートとなった2023年1月からは台数119.2％・金額118.0%（前月比）と好調に推移。前年の2022年には1月から2月にかけて下降していたため、それとは異なる傾向を示した。なお、2021年2月（台数67万3,564台・金額357億2,740万7,000円）の水準と比較すると、台数で66.3％と大きく落ち込んだものの、金額では102.9％と微増。カメラ1台当たりの単価が上昇しているものとみられる。

カメラ区分で見ると、前年同月比でレンズ一体型カメラは台数が89.8％（12万5,404台）と減少したものの、金額では137.3％（49億6,082万7,000円）と健闘した。ミラーレスカメラも台数119.5％（24万3,695台）、金額125.9％（283億5,431万3,000円）と好調。一方で、一眼レフカメラは台数51.6％（7万7,650台）、金額55.2％（34億4,883万6,000円）と大きく落ち込んだ。

国内はミラーレスカメラが好調。中国向け市場も上昇傾向に

日本国内向け市場におけるデジタルカメラ総出荷台数は7万1,450台、金額は46億1,573万9,000円だった。前年同月比で台数102.1％、金額159.8％と伸長した。前月比では台数142.7％、金額130.4%となっている。

カメラ区分で見ると、ミラーレスカメラが特に好調だった。前年同月比で台数203.6％（3万6,623台）、金額200.3%（35億7,642万4,000円）と2倍超に上昇した。レンズ一体型カメラは、台数68.6％（3万1,606台）と大きく減少したものの、金額では101.3％（8億3,651万7,000円）と伸長した。一眼レフカメラは台数54.8％（3,221台）、金額73.2％（2億279万8,000円）と苦しんだ。

国外向け市場（日本以外）のデジタルカメラ総出荷台数は37万5,299台、金額は321億4,823万7,000円だった。前年同月比は台数が88.5％、金額が109.0%となっている。特にレンズ一体型カメラが好調で、台数100.3％（9万3,798台）、金額が147.9％（41億2,431万円）を記録している

地域別にみると、中国向け市場は前年同月比で台数107.1％（7万3,901台）、金額136.0％（83億2,052万9,000円）と好調。世界全体の傾向と同様にレンズ一体型カメラの伸びが著しく、台数146.0％（1万3,534台）、金額156.5％（6億7,603万円）を記録している。ミラーレスカメラも台数147.0％（5万2,726台）、金額164.7％（70億4,785万6,000円）と大きく伸長している。一方で、一眼レフカメラは台数32.0％（7,641台）、金額42.4％（5億9,664万3,000円）と落ち込んでいる。

欧州および米州向け市場はともに振るわず、総出荷台数・金額が前年同月を割り込んだ。そのなかで、レンズ一体型カメラは好調に推移。欧州向け市場では、前年同月比で台数91.6％（3万4,870台）、金額で130.6％（14億5,299万1,000円）を記録。米州向け市場ではさらに上昇率が高く、台数122.8％（2万4,195台）、金額193.5％（10億7,116万3,000円）を記録している。