デジタルカメラ総出荷台数・金額が前年の水準越え。世界各地でミラーレスカメラが好調に推移

デジタルカメラ【Worldwide】出荷数量月間推移　出典：一般社団法人カメラ映像機器工業会（CIPA）

一般社団法人カメラ映像機器工業会（CIPA）は4月25日、2023年3月のデジタルカメラ生産出荷実績（同工業会統計）を公開した。

総出荷台数・金額が前年同月を上回る水準に

2023年3月のデジタルカメラ総出荷台数は58万2,527台、金額は489億947万円を記録した。前年同月比でみると台数106.0％、金額137.3%といずれも伸長。2月の時点では前年を下回っていた出荷台数も好調を見せた。

低調なスタートとなった2023年1月からは2カ月連続で成長。とくに2月から3月にかけては台数130.4％、金額133.0%と大きくな伸びとなっており、これにより前年同月の水準を上回ることとなった。2021年3月の水準（台数83万6台、金額462億6,847万7,000円）と比較すると、台数では70.1％と大きく減少したものの、金額では105.7％と上回る結果となった。

カメラ区分で見ると、ミラーレスカメラが特に好調を見せた。前年同月比で台数154.6％（34万7,760台）、金額158.5％（390億7,611万8,000円）となっている。振るわなかったのは一眼レフカメラで、台数59.9％（10万8,232台）、金額73.5％（50億843万円）と大きく落ち込んだ。なお、前月比で見ると台数139.4％、金額145.2%と伸長する様子も見せた。

概ね好調な国内向け市場。中国向け市場も引き続き成長

日本国内向け市場におけるデジタルカメラ総出荷台数は8万2,946台、金額は50億7,089万2,000円だった。前年同月比で台数108.2％、金額112.8%と伸長。前月比でも台数116.1％、金額109.9%と概ね好調だった。

カメラ区分で見ると、世界全体の動きと同様にミラーレスカメラが好調を見せた。前年同月比で台数136.4％（4万2,258台）、金額116.2％（38億9,494万5,000円）を記録。前月比でも台数115.4％、金額108.9％と伸長した。

前月好調だったレンズ一体型カメラは、前年同月比で台数100.0％（3万7,825台）、金額124.0％（9億9,525万2,000円）を記録。前月比では台数119.7％、金額119.0%だった。

一眼レフカメラは前年同月比で台数36.3％（2,863台）、金額53.0％（1億8,069万5,000円）と大きく減少。前月比でも台数88.9％、金額89.1％と苦しい結果となった。

国外向け市場（日本以外）のデジタルカメラ総出荷台数は49万9,581台、金額は438億3,857万8,000円だった。前年同月比で台数105.7％、金額140.8％を記録。とくに金額において大きく伸長する結果となった。前月比は台数133.1％、金額136.4％となっている。

特にミラーレスカメラの成長幅が大きく、前年同月比で台数157.5％（30万5,502台）、金額165.2％（351億8,117万3,000円）を記録した。一眼レフカメラは前年同月比で台数60.9％（10万5,369台）、金額74.5％（48億2,773万5,000円）と落ち込んだものの、前月からは台数141.6％、金額148.7％と大きな伸びを見せた。

地域別では、前月から引き続き特に中国向け市場が好調。デジタルカメラの総出荷台数は10万9,152台、金額は125億5,345万3,000円を記録。前年同月比では台数155.8％、金額173.5％となっている。カメラ区分で見ると、ミラーレスカメラにおいては前年同月比で台数197.3％（8万2,935台）、金額188.5％（110億181万5,000円）と2倍近い成長となっている。

欧州および米州向け市場はともに前年同月より出荷台数が落ち込んだ。米州向け市場では、一眼レフカメラが前年同月比で台数59.6％（3万9,249台）、金額63.6％（15億7,295万2,000円）と大きく落ち込んだが、前月からは台数223.8％、金額235.2％と大幅に成長するという特徴的な動きも見せた。