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キヤノン、リモートカメラ3モデルのアップデートを予告…映像制作用途の自動追尾/自動ループ機能に対応

左がCR-N500、右がCR-N300

キヤノンは、リモートカメラ「CR-N500」「CR-N300」「CR-X300」の最新ファームウェアを8月上旬に提供開始すると発表した。

主な更新内容として、アドオンアプリケーションズシステムへの対応が追加された。これまでハイエンドクラスの「CR-N700」にのみ実装されていた「自動追尾アプリケーション」(CR-X300は非対応)と、「自動ループアプリケーション」が実装可能になる。各機能を利用するには、同社Webサイトからアプリケーションのダウンロード(有償)が必要になる。

「自動追尾アプリケーション」は、人物の動きに合わせてカメラが自動で被写体を追尾する機能。撮影者の操作負荷を軽減し、スイッチングや配信など、他の作業に集中できるようになるという。認識する被写体は1人のみで、おもにセミナーや発表会といった場での使用を想定する。

追尾対象サイズ(構図)は5段階で調整可能。追尾対象の顔サイズと、指定したサイズが一定になるように自動でズーム制御する。このほか、板書やスライドなど指定した領域が画角から外れないように対象者を追尾する設定など、各種調整機能をもつ。

「自動ループアプリケーション」は、事前登録した複数の画角を繰り返し移動しながら撮影する機能。ライブ会場などで、指定した範囲の観客席を巡回しながら撮影するといった映像制作の現場での使用を想定している。

開始・停止の動きをスムーズにする「フェードモード」を搭載。登録した地点間の移動開始時と停止時の加減速をなだらかに行うことで、プロカメラマンのような動きを実現するという。

このほか、CR-X300の更新内容にはSRTプロトコルへの対応が含まれている。不安定な公衆回線でも、高品質で低遅延の映像伝送が可能になるとしている。CR-N500とCR-N300はすでに対応済み。

CR-N500およびCR-N300は、同社リモートカメララインアップの中で屋内用に位置づけられるモデル。CR-N500は1.0型CMOSセンサーを搭載し、4K 30Pの記録に対応。CR-N300は1/2.3型CMOSセンサーを搭載(4K 30P記録対応)。CR-X300は、CR-N300の屋外用モデルとしてIP65の防塵防水構造となっている。なお、ハイエンドモデルの「CR-N700」は屋内用で、1.0型CMOSセンサーを搭載し4K 60P記録に対応する。

このほかの更新内容は次の通り。

CR-N500・CR-N300

・アドオンアプリケーションズシステム対応
・画質設定保存対応
・画質関連のWEB設定UIにパスワードなしでログイン可能
・WebUIでのPTZ操作性の改善(ドラックムーブ機能の追加)
・初期状態でSDI/HDMIに映像出力
・シャッターモードのアングルを追加
・WBの色補正値(CC)の微調整機能追加

CR-X300

・アドオンアプリケーションズシステム対応
・画質設定保存対応
・画質関連のWEB設定UIにパスワードなしでログイン可能
・WebUIでのPTZ操作性の改善(ドラックムーブ機能の追加)
・初期状態でSDI/HDMIに映像出力
・シャッターモードのアングルを追加
・WBの色補正値(CC)の微調整機能追加
・SRTプロトコル対応
・Free-D対応

本誌:宮本義朗