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パナソニック名誉技監が旭日小綬章を受章

手ブレ補正の基本特許技術や、5Gの超低遅延を実現する基本技術など開発

パナソニックは4月29日、同社名誉技監の大嶋光昭氏が、令和2年春の叙勲で旭日小綬章を受章したと発表した。同社の技術職社員として初の受章だという。

旭日章は、社会の様々な分野における功績の内容に着目し、顕著な功績を挙げた者を表彰するもの。今回は科学技術の振興に寄与した「発明考案功労」で旭日小綬章を受章した。

今回の受章対象となった発明考案功労は、大きく次の3つとしている(引用)。

高速デジタル通信技術の開発

携帯電話やデジタル放送に広く使われている復調情報の伝送技術と、その応用技術である適応型のデジタル通信方式の基本技術の発明および関連技術を開発。高速性と安定性を両立する伝送に寄与する通信規格や、日本、欧州、米国の各デジタルTV放送規格に幅広く採用。加えて、導入が始まった第5世代移動通信システム(5G)の特徴である超低遅延伝送を実現する基本技術にもなっている。本発明は、平成20年全国発明表彰 経済産業大臣発明賞を受賞。

手振れ補正の基本特許技術の開発と撮影装置への適用・製品化

振動ジャイロの実用化と、カメラ撮影時の手振れ補正への応用に関する発明と事業化に貢献。昭和63年に世界初の手振れ補正を内蔵したビデオカメラ「PV-460」を製品化。本発明は、光学的な補正だけでなく電子的な補正にも適用され、デジタルスチルカメラやスマートフォンの手振れ防止機能として広く普及。本発明は、平成15年全国発明表彰 恩賜発明賞、平成16年 紫綬褒章を受賞。平成20年には特許庁125周年記念平成の発明家10名に選定。

著作権保護の基本特許技術の開発と事業化

光ディスク毎に再現が困難な固有の複製防止マークを記録するための技術を発明。これによりゲームソフトなどの著作権保護が図れ、コンテンツビジネスに貢献すると共に、記録型の光ディスクにも適用し、暗号鍵とIDを記録することで、デジタル放送コンテンツのディスクへの不正コピー防止やコピー回数制限技術にも貢献。本発明は平成22年 大阪優秀発明大賞を受賞。

本誌:鈴木誠