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写真家・鶴巻育子さんがフォトギャラリーをオープン

写真作家・写真愛好家のための「Jam Photo Gallery」

「Jam Photo Gallery」をオープンした鶴巻育子さん。こけら落としとして開催中の「back to square one」は、鶴巻さんの初期の作品で構成された写真展だ。

写真家の鶴巻育子さんが3月26日、フォトギャラリーを開いたというので訪ねてみました。

目黒駅から目黒通りに沿って徒歩約7分、桜の開花で賑わう目黒川のそばに、その「Jam Photo Gallery」はありました。この建物(鈴木ビル)の2階、向かって左側の部屋です。

写真家自らがレンタルギャラリーをオープンする例はままありますが、鶴巻さんはその機会を以前からうかがっていたとのこと。30件以上の物件をつぶさに検討し、落ち着いたのがこのビルの1室でした。

ここはもともと整体サロンでした。ギャラリーにするにあたり、釘を打てるよう内壁を変更。さらに天井を2,800mmまで高くしてレールを置き、演色性の高いLEDを30灯吊るしています。備品もすべて鶴巻さんが調達。自分でできることはなるべく自分でしたそうです。

ギャラリーは基本的に、写真作家・写真愛好家の表現スペースとしてレンタルされます。

写真展示に興味を持つ人が増えている昨今、写真を展示できる場も少しずつ増えています。とはいえ、ここは本格的な写真専門ギャラリーです。利用するには真摯に作品作りに取り組んでいることが条件で、審査もあります。都心にありながら6日間10万円(税込・オープン記念価格)の料金は、比較的とっつきやすい設定ではありますが、展示作品にはしっかりしたコンセプトやテーマが必要になるでしょう。そうした審査条件をクリアするなら、例えば若い写真家2〜3名のグループ展など、新しい才能の発表の場として、ぜひ活用して欲しいとのことです。

ちなみにギャラリー名に含まれる「Jam」には、鶴巻さんによると「集まる」「押し合う」「いっぱいになる」のほかに、「リラックスする」「愉快なこと」「(観客を)呼び込む」といった俗語としても使われるそうです。「この場所が写真好きな人々の交流の場となり、写真文化を広める役割になれば」(鶴巻さん)

なお、レンタルの他に、企画展、ワークショップなども開催予定です。

実は鶴巻さんの写真集のいくつかには、以前から「発行元:Jam Photobook」といった記載がありました。その名を冠したギャラリーを構えたことで、鶴巻さんにとって「Jam」は、さらに大切な言葉になりそうです。

鶴巻育子

1972年東京生まれ。広告代理店在職中に写真を学び、ブライダル写真事務所に勤務した後カメラマンアシスタントを経て写真家として独立。広告写真、カメラ雑誌の執筆の他、写真講師など幅広く活動。個展・グループ展多数開催。

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基本情報

住所

東京都目黒区目黒2-8-7鈴木ビル2階B号室

開廊時間

12時00分〜19時00分(日曜日は17時00分まで)

休廊

月曜日

写真展

鶴巻育子写真展「back to square one」

3月27日(水)〜4月7日(日)

鶴巻育子写真展「back to square one」より

岡嶋和幸写真展「風と土」

4月16日(火)〜4月28日(日)
ギャラリートーク:4月21日(日)13時00分〜14時00分

岡嶋和幸写真展「風と土」より

レンタル情報

料金(オープン記念価格、税込)

6日間(火曜日〜日曜日):100,000円
12日間(火曜日〜日曜日):180,000円
※時間外使用は応相談
※希望日から60日前を過ぎて空きがある場合は30%OFF
※12,000円で1日単位からの貸し出しも可能

設備

SORRA社LEDランプ30灯(調光可能)、椅子20脚、テーブル、冷蔵庫、電子レンジ、湯沸かしポット、スピーカーなど

レンタルフレーム

16×20インチ:NEALSENアルミ黒(6日間1枚800円)
14×17インチ:NEALSENアルミシルバー(6日間1枚700円)

本誌:折本幸治