【女性限定】パナソニック・LUMIXフォトスクール

コムロミホ先生に教わる!初心者のためのLUMIX一眼使いこなし講座編

「LUMIXフォトスクール」とは、パナソニックが主催するLUMIX一眼ユーザー向けの写真講座。無料の初心者向け座学講座から、有料の初心者・中級者向けの実習講座や被写体別テクニック講座まで用意されています。

今回は、女性限定の初心者を対象としたLUMIX一眼使いこなし講座の様子をレポートします!

参加者とコムロ先生でハイ、チーズ♪
コムロミホ先生。パナソニック LUMIXフォトスクールなどの講師を勤めるだけでなく、雑誌・書籍への作品掲載や執筆など幅広く活躍しています。

カメラの構え方から露出の仕組みまで

女性限定の「初心者を対象としたLUMIX一眼使いこなし講座」は、東京・有明にあるパナソニックセンター東京で行なわれました。

パナソニックセンター東京は、新製品が展示されているだけでなく、ワークショップやイベントなどが開催される体験型のショールームです。

この日は8名の参加者で講座が行なわれました。

初めの1時間半は、セミナールームでLUMIX一眼を使いこなすために、カメラの構え方、アングルや焦点距離の写り方の違い、絞りとシャッター速度の関係、ホワイトバランスやクリエイティブコントロールの効果など撮影の基本を学びました。

コムロミホ先生のLUMIX一眼使い方アドバイス

1)カメラは両手でしっかり構える

カメラを正しく構えることで、手ブレが軽減されます。左手の手のひらで下から支えるように持ち、右手でグリップを軽く持ちます。脇を締め、脚は肩幅に広げましょう。

ストラップは落下防止だけでなく、手ブレ軽減にも役立ちます。ストラップをピンと張った状態で構えると、よりカメラが固定しやすくなります。

2)被写体に最適な撮影ポジションとアングルを探す

被写体に対してカメラの構える高さや角度によって写り方が変わります。カメラを構える高さを「ポジション」、カメラの角度を「アングル」と言います。被写体を見つけたらすぐ撮るのではなく、写りがよいポジションやアングルを探しましょう。

ポジションには、被写体の目線より高い位置でカメラを構える「ハイポジション」、被写体の目線の高さに構える「アイポジション」、目線より下の高さで構える「ローポジション」があります。こちらの写真はハイポジションです。
アングルには、上から真下にカメラを向ける「俯瞰」、上から下へカメラを向ける「ハイアングル」、被写体に対して角度をつけない「水平アングル」、下から上へカメラを向ける「ローアングル」があります。
こちらの写真は、ハイポジションで俯瞰に構えた状態です(説明のため片手で持っていますが、本来なら両手で構えます)
コムロ先生が用意した小物を使って、ポジションとアングルによる写り方の違いを体験しました。被写体ごとに、写りがよく見えるポジションとアングルがあるのでいろいろなところから撮ってみることが大切です。
平たい小物は水平アングルではなく(1枚目)、ハイポジションから俯瞰で撮影する(2枚目)と形がきれいに見えます。
動物や子どもなど表情を大切に撮りたい被写体はハイポジションより(1枚目)、アイポジションの水平アングルで撮影する(2枚目)といきいきとした表情で写ります。
コムロ先生の作品です。ローポジションの水平アングルで撮影。ボールを加えつつ、前足をペタンとつけた何とも言えない姿勢がかわいいですね。

3)撮りたい被写体で撮影モードを決める

シャッター速度とは、シャッター幕が開いている時間のこと。絞りとはレンズを通る光の入口のこと。シャッター速度と絞りの組み合わせで、カメラの中に入る光の量が決まります。

動きを撮りたいときは、シャッター優先(S)モードに設定。シャッター速度を速くすると、動く被写体は止まり、遅くすると動きは軌跡で写ります。
ボケの量を調節したいときは絞り優先(A)モードに設定。絞りを開く(F値小)とぼけやすくなり、絞る(F値大)と手前から奥までクッキリ写ります。

クッションを投げて、シャッター速度を説明するコムロ先生。
カメラとモニターをつないで、シャッター速度の設定方法を学びました。
コムロ先生の作品です。動く被写体のときはシャッター速度優先モードで、シャッター速度を遅くしたり早くしたり設定します。この写真は遅くした例です。
絞りはF値で表し、数値が小さいほど光の入口が大きくなりぼけやすくなります。いちばん小さなF値はレンズごとに変わります。
コムロ先生の作品です。F1.4まで開けられるレンズを使って撮影。背景が大きくぼけることで手前の花がより引き立ちました。

4)ボケを作る4つの要素

大きなボケを作りたくてデジタル一眼にした方もいるのではないでしょうか。絞り優先モードでF値を小さくすればぼけやすくなるとお伝えしましたが、大きなボケを作るための要素はほかにもあります。

要素1 被写体にできるだけ近づく
要素2 レンズの望遠側を使う
要素3 被写体と背景の距離を離す
要素4 絞りを開ける(F値を小さくする)

逆にF値を小さくしても、背景との距離が近ければぼけにくくなります。

4つの要素を意識してボケを作りましょう。

要素1で被写体にできるだけ近づくとお伝えしましたが、レンズにはピントが合う最短距離があります。その距離より近づくとピントは合いません。近づいてピントが合わないと感じたら、被写体から少し離れましょう。
どこまで寄れるかはレンズごとに違います。自分のレンズがどこまで近づけるか、被写体を使って実際に試してみました。
要素③の比較です。1枚目はハイアングルで撮影。背景の距離が近いためぼけていません。2枚目は焦点距離やF値は同じにしてアイポジションで撮影。背景の距離が遠くなったため奥の被写体がぼけました。

5)ブレを防ぐにはISO感度
暗いところで撮影するとブレやすくなります。ブレを防ぐには、ISO感度を高めに設定しましょう。ISO感度は高くするほどノイズが発生します。いちばん高いISO感度より1~2つ低い数値までが上限の目安にするといいでしょう。

コムロ先生の作品です。ISO感度をISO3200まで上げて撮影。ISO感度を上げれば、夜でも手持ちでスナップ撮影ができます。

6)自分のイメージする明るさに設定しよう

カメラは明るい(白い)ものは暗く、暗い(黒い)ものは明るく撮影する癖があります。撮影した画像の明るさがイメージと違ったら、露出補正を使って自分のイメージする明るさに設定しましょう。

まず、みんなで何も設定しないで白い壁を撮影。白壁を撮ると暗く写ることがわかりました。
カメラに付いている露出補正ボタン(±のマーク)を押すと、露出補正が使えるようになります。露出とは写真の明るさのことです。
露出補正で数値をプラス側に設定すると明るくなり、マイナス側に設定すると暗くなります。カメラが設定した明るさ(標準露出)が自分のイメージと違うときは、明るさを補正しましょう。

7)ホワイトバランスで色味をプラス

ホワイトバランスとは本来白いものを白く写す機能です。例えば赤い電球の光で撮ると写真は赤く写ります。ホワイトバランスは赤みを補正するために反対の青を写真に乗せます。その効果を利用して、写真に色を乗せて印象的な写真を撮ってみましょう。

夜景に青味を乗せて、無機質で非現実的なイメージを強めました。

8)クリエイティブコントロールでイメージを強める

LUMIX一眼には、「クリエイティブコントロール」というフィルターが入っています。フィルターの種類は機種によって異なりますが、最新機種では22種類のフィルターが用意されています。フィルターを使えば、誰でも写真家のような印象的な写真が撮れるように。積極的に作品に取り入れて素敵な写真を撮ってみましょう。

モードダイヤルのパレットマークに設定するとクリエイティブフィルターが使えるようになります。
いろいろなフィルターの効果を説明するコムロ先生。
コムロ先生の作品です。青味が強いクロスプロセスを使って撮影。非現実的な不思議な色味によって、より印象的な写真になってします。

素敵なおうちで撮影を楽しむ

座学の講義は約1時間半の中に、写真の基本がギュギュっとまとめてあり、とても密度の濃い内容でした。

写真の基本が頭に入ったら、パナソニックセンター東京に隣接するパナホームに移動して、座学で学んだことを実践しました。

パナソニック東京に隣接する施設(※通常は開放されていません)。パナソニックの先進的な製品が展示されていました。
実際の家で撮影するような状況で、花や小物などを撮影します。
希望者には単焦点レンズやマクロレンズ、広角レンズ、望遠レンズなど交換レンズの貸出も行なわれました。交換レンズをいろいろ試せることも撮影講座のよいところですね。
電飾が用意され、点光源をぼかす玉ボケの作り方も学びました。玉ボケを作るコツは、被写体にできるだけ近づき、被写体と点光源の距離を離します。
被写体の手前をぼかす前ボケの作り方を学びました。前ボケを作るコツは、前ボケになるものにできるだけ近づき、前ボケになるものと被写体の距離を離します。
素敵な空間で撮影が楽しめ、シャッターを切る手が止まらない参加者の皆さん。
コムロ先生が参加者を周り、わからないことや、撮りたいイメージに近づけるアドバイス。少人数の講座だったので、参加者の方からも「気軽に質問がしやすくて、よかったです」という声が聞こえました。

最後に参加者の方の作品と感想をご紹介します。

One memory さんの作品です。「楽しく充実な講座に参加できて、感謝してます。A、S、P、Mなどの撮影モードの使い方やマクロレンズの魅力を味わって…後味がよく、近いうちに購入したいと思いました。もっとGM5を楽しめて、いつでも、どこでも持ち歩きたいです。本日の「渾身の一枚」はワンポイントカラー&マクロレンズの効果を楽しんだ作品です。

LUMIXフォトスクールは東京と大阪で開催され、使いこなし基本講座だけでなく被写体別講座も今後は増やしていく予定だそうです。

もっとカメラを使いこなしたい、素敵な写真を撮ってみたいという方は参加してみてはいかがでしょうか。

(2015/3/27)
加藤マキ子(ツナ☆カメラ)
1981年生まれ。写真編集者。カメラ書籍を手掛ける編集プロダクションで女性向けのカメラ雑誌や書籍を多数手掛ける。その後、実用書系編集プロダクションを経て、2013年に独立。『光と色の写真の教科書 〜ふんわりフォトもこっくりフォトも思いのまま〜』『まりこ先生が教える やさしい写真の教室』などの企画・編集を担当。ときに、撮影や執筆も手掛けることも。仕事が好きで、マグロのように止まらず常に全力疾走中!