初心者あつまれ!デジカメ撮影の基礎を学ぼう

なにはともあれ「ピント」を合わせよう!

写真を撮る上でとても大切なのが「ピント」。どんなにシャッターチャンスが良くても、ピントが合っていなければがっかりしますよね。カメラのオートフォーカスの性能は上がっていますが、思わぬところにピントが合ってしまったり、うまく合わないこともあります。

そこで、今回はピントの合わせ方について詳しく解説していきます。合わせるべきところにぴったりと合わせた、シャープなイメージの写真を目指しましょう。

どこにピントを合わせるの?

ピントは主役に合わせましょう。人なら主役の人物に合わせるのはもちろん、ポイントとなる顔、さらに瞳に合わせてください。

花は花芯に合わせるのが基本です。

また、ピントが合った状態と合っていない状態を見てみましょう。ピントが合っているとシャープに写り、合っていないとピンボケして、ぼやけて見えます。わずかなピントのずれのチェックは再生時に画面を拡大してみるとわかりやすいですよ。

目にピントが合っている写真
目にピントが合っていない!

ピントを合わせるには?

ピントを合わせるにはシャッターボタンを「半押し」します。全部押し切るのではなく軽く力を入れて、半分程度押すだけの状態にすることを「半押しする」といいます。

シャッターボタンを半押ししているところです。大抵のデジタルカメラは、半分くらい押し込んだところで、止まるような感触を持つ機種もあります。そこで押し込むのを止めればOK。

半押しすると、ピピッという音とともに緑色のサインが点灯してピントが合います。

クマちゃんの顔のところに緑の枠が見えるでしょうか。そこにピントが合っています。そのままシャッターボタンを最後まで押し込むと、写真が撮れます。

カメラがピント合わせを迷っている状態ではピントが合わず、サインが点灯します(機種によって表示の仕方が異なります)。

操作音を消していると合焦時の音はしませんので注意してください。

ピント合わせの2つの方法

つい被写体を画面の中心に入れてピントを合わせてしまいがちですが、それではいつも同じ構図になって平凡です。そこで、被写体が端にあってもピントが合わせられるようにしましょう。

やり方は2通りあります。1つはピントを半押ししたまま構図を整える「フォーカスロック」、もう1つはフォーカスエリアを選択する方法です。

ではそれぞれの操作とメリット、デメリットについて解説します。

フォーカスロックを使う

中央のフォーカスエリアを選び、シャッターボタンを半押しするとピント位置が固定されます。そのままカメラを縦や横など平行に動かせば、構図を変えても被写体にピントが合ったままの状態が保てます。

とりあえずピントを合わせたいもの(被写体)を画面の中央に

シャッターボタンを半押ししたまま……

カメラを動かして被写体を画面の置きたい場所に移動させる

シャッターボタンを全押しする

先ほどのクマちゃん。
シャッターボタンを半押ししたまま画面に左に動かしました。
中央でシャッターボタン半押し→全押し
半押ししたまま画面を左に動かして全押し
半押しせずに画面を左に動かす→全押し。するとクマちゃんとキノコの間にピントが合ってしまいました。

このテクニックはよく使うので覚えて損はありません。後で説明するフォーカスエリアを選択する方法よりスピーディな操作で撮影できますが、わずかでも前後に動いてしまうとピントがずれるので、そこは注意してください。

フォーカスエリアを選択する(タッチパネルを使う)

先に構図を決め、被写体がある位置に重なるフォーカスエリアを十字キーで選択する方法です。フォーカスロックを使う方法に比べるとカメラの操作が増えますが、三脚使用時や同じ構図で何枚も撮るときなどは、こちらの方が便利です。

この方法、面倒といえば面倒ですが、背面液晶モニターがタッチパネルの機種だと、一気にわかりやすい操作方法なります。今回使っているOLYMPUS PEN Lite E-PL7もそのひとつです。画面上の被写体を指でタッチだけで、フォーカスエリアが変更されるので、十字キーで操作するよるずっと直感的で簡単でしょう。

中央だと奥の草むらにピントが合ってしまいますが…
フォーカスエリアを左に移動させると、チューリップにピントが合わせられます。
フォーカスエリア(緑の枠)を画面上のトマトに合わせた例です。
手前の木の幹にピントをあわせました。
今度は奥の子どもにピントを合わせました。タッチ操作ができるデジカメだと、こうした操作が簡単に行えます。

マニュアルフォーカスという手もある

ピントがオートフォーカスで合わないとき、ピントが微妙にずれるときは手動でピントを合わせる、マニュアルフォーカスを選びましょう。

オートフォーカスは万能ではありません。オートフォーカスが苦手とする被写体はコントラストが低い場所、暗い室内、細い被写体、キラキラと輝いて眩しい水面や太陽など。こうした被写体だと、シャッターボタンを半押ししても、なかなかピントが合いません。

そんなとき、撮るのをあきらめるのではなく、マニュアルフォーカスで合わせられるようにしましょう。フォーカス方式をMF(マニュアルフォーカス)にし、レンズのピントリングを回します。すると背面モニターの画面がぼけたり、シャープになったりすると思います。自分の目を頼りに、ピントを合わせたいところがもっともシャープになったところでシャッターを切ります。

フォーカスモードを「MF」に切り替えます。
マニュアルフォーカスは時間がかかりますが、カメラのオートフォーカスが迷いがちな、こんな状況でのピント合わせも可能です。

まとめ

ピントがしっかり合わせられると、カメラの撮影に自信がついてくるのではないでしょうか。写真の基礎であり、重要なポイントなので、何度も練習してみましょう。

次は写真のイメージを大きく左右する写真の明るさの調整「露出補正」について学びましょう。お楽しみに!

(2015/4/28)
(よしずみ しほ)1979年東京生まれ。日本写真芸術専門学校卒業後、竹内敏信事務所に入社。 2005年4月に独立。自然の「こころ」をテーマに、花や風景の作品を撮り続けている。日本自然科学写真協会(SSP)会員。