岡嶋和幸の「あとで買う」

724点目:アイデアを具現化させて写真に落とし込む

南雲暁彦『IDEA of Photography 撮影アイデアの極意』

ネットショップのカートの中にある「あとで買う」には、様子見をしているなど気になるアイテムがたくさん入っています。この連載では、フォトライフに関連する製品を中心にその中身をお届けします。どのような物に興味を持ち、どのような視点で選んでいるのかなど、日々の物欲をお楽しみください。

南雲暁彦『IDEA of Photography 撮影アイデアの極意』

668点目669点目で紹介した本と同じく、今回も写真雑誌『コマーシャル・フォト』(玄光社)での連載を1冊にまとめたものです。筆者の南雲暁彦さんは凸版印刷のフォトグラファーで、広告写真のほか、映像制作や執筆、セミナー講師など幅広く活躍されています。

本書は「カメラ篇」「被写体篇」「レンズ篇」の3部構成になっています。カメラ篇は一眼レフカメラ、ミラーレスカメラ、ラージフォーマット、iPhone、レンジファインダーカメラそれぞれの特性を生かした撮影について解説されています。被写体篇はフォルムと黄金分割、白、黒、光、境界線といった要素、レンズ篇はライカ、ニコン、キヤノン、シグマ、ソニーの名玉を用いた撮影術が紹介されていて、どのページも見応え、読み応えがあります。

誌面に登場する写真はとても美しくハイレベルなものばかりで、ページをめくるだけでも十分に楽しめます。どれも高い技術力によるものだということが伝わってきますが、撮り方や考え方、組み立て方などが丁寧に解説されているので、それぞれの写真からたくさん学ぶことができるでしょう。販売価格は2,530円です。

1967年、福岡県生まれ。東京写真専門学校卒業。スタジオアシスタント、写真家助手を経てフリーランスとなる。作品発表のほか、セミナー講師やフォトコンテスト審査員など活動の範囲は多岐にわたる。写真集「風と土」(インプレス)など、著書多数。主な写真展に「ディングルの光と風」(富士フイルムフォトサロン)、「潮彩」(ペンタックスフォーラム)、「学校へ行こう! ミャンマー・インレー湖の子どもたち」(キヤノンギャラリー)、「九十九里」(エプソンイメージングギャラリー エプサイト)、「風と土」(ソニーイメージングギャラリー)、「海のほとり」(エプサイトギャラリー)などがある。