岡嶋和幸の「あとで買う」

668点目:長期連載をまとめた本で写真の現在を知る

菅付雅信『写真が終わる前に』

ネットショップのカートの中にある「あとで買う」には、様子見をしているなど気になるアイテムがたくさん入っています。この連載では、フォトライフに関連する製品を中心にその中身をお届けします。どのような物に興味を持ち、どのような視点で選んでいるのかなど、日々の物欲をお楽しみください。

菅付雅信『写真が終わる前に』

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意味深なタイトルが気になる本です。写真雑誌『コマーシャル・フォト』(玄光社)で11年間にわたり連載された「流行写真通信」。本書はその後半6年分を加筆修正し1冊にまとめたものです。著者の菅付雅信さんは編集者で、篠山紀信さん、森山大道さん、上田義彦さんらの写真集なども手がけられています。販売価格は2,200円です。

国内外の主要な写真の出来事をほぼ網羅した「写真についてのジャーナリズム」の決定版とのことで、取材されているのは前述の写真家のほかに奥山由之さん、操上和美さん、佐内正史さん、杉本博司さん、瀧本幹也さん、ホンマタカシさん、松江泰治さん、横田大輔さん、レスリー・キーさんなど錚々たる顔ぶれ。取材者の合計は116名で、四六判ながら306ページというボリュームです。

1967年、福岡県生まれ。東京写真専門学校卒業。スタジオアシスタント、写真家助手を経てフリーランスとなる。作品発表のほか、セミナー講師やフォトコンテスト審査員など活動の範囲は多岐にわたる。写真集「風と土」(インプレス)など、著書多数。主な写真展に「ディングルの光と風」(富士フイルムフォトサロン)、「潮彩」(ペンタックスフォーラム)、「学校へ行こう! ミャンマー・インレー湖の子どもたち」(キヤノンギャラリー)、「九十九里」(エプソンイメージングギャラリー エプサイト)、「風と土」(ソニーイメージングギャラリー)、「海のほとり」(エプサイトギャラリー)などがある。