岡嶋和幸の「あとで買う」

290点目:変貌するアメリカの風景を追う写真家の作品集

ロバート・アダムスの写真集「American Silence: The Photographs of Robert Adams」

私のAmazonのショッピングカートには、そのままレジに進むのではなく、「あとで買う」に移して様子見をしているアイテムが沢山あります。それらは値下がりなど何かのタイミングで購入するものもあれば、気持ちが覚めてしまって削除するものも……。この連載では、カメラや写真関連のアイテムを中心に、日々増え続ける私の「あとで買う」の中身をお届けします。いずれも購入前なので使った感想や評価はありませんが、どのような物に興味を持ち、どのような視点で選んでいるのかなど、岡嶋和幸の日々の物欲をお楽しみください。

ロバート・アダムスの写真集「American Silence: The Photographs of Robert Adams」

ロバート・アダムスは1937年生まれのアメリカの写真家。50年におよぶ作家活動においてとても影響力のある作品を作り続けてきました。モノクロームの作品はスクエアで切り取られたものも多く、柔らかなトーンの美しさに目を奪われます。とはいっても写っているのはドラマチックな自然美ではなく、都市化により変化するアメリカの風景を客観的に捉えています。

本書は304ページ、225点の写真が収録され、販売価格は9,500円前後です。アメリカのワシントンにあるナショナル・ギャラリー・オブ・アートで、今年5月から同名の展覧会が開催されます。できれば彼の生の作品を味わってみたいのですが、このご時世なので難しいです。そのあとネバダ美術館にも巡回するようです。いつの日か日本でもオリジナルプリントを鑑賞できることを心待ちにしています。

1967年、福岡県生まれ。東京写真専門学校卒業。スタジオアシスタント、写真家助手を経てフリーランスとなる。作品発表のほか、セミナー講師やフォトコンテスト審査員など活動の範囲は多岐にわたる。写真集「風と土」(インプレス)など、著書多数。主な写真展に「ディングルの光と風」(富士フイルムフォトサロン)、「潮彩」(ペンタックスフォーラム)、「学校へ行こう! ミャンマー・インレー湖の子どもたち」(キヤノンギャラリー)、「九十九里」(エプソンイメージングギャラリー エプサイト)、「風と土」(ソニーイメージングギャラリー)、「海のほとり」(エプサイトギャラリー)などがある。