中井精也のエンジョイ鉄道ライフ「ジョイテツ!」
ゆる鉄探訪 第4回「五能線」
変化に富んだ絶景路線のオススメ撮影スポットを紹介!
2022年5月10日 07:00
僕が大好きなゆる鉄路線をご紹介する「ゆる鉄探訪」。路線の撮影ポイントや見どころのほか、僕がその路線で撮影したBEST SHOTもご紹介します。
4回目にご紹介するのは、秋田県の東能代駅と青森県の川部駅を結ぶ五能線。全長147.2kmという長大路線ながら、変化に富んだ車窓風景を持つ絶景路線で、観光列車「リゾートしらかみ号」も運行されています。
最初にご紹介するのは、最近見つけた穴場スポット。五能線といえば日本海の風景ですが、こちらは米代川を渡る鉄橋が撮影地となります。五能線に行くとついつい深浦駅周辺まで直通し、途中の風景はスルーしてしまいがち。最近までロケハンすらしていなかった場所なのですが、訪ねてみるとドラマチックなシーンが狙えるポイントでビックリ! マンネリになりがちな自分の行動パターンを変えていかなきゃだめだなぁと実感した精ちゃんでした。
橋の手前側はトラスがない部分があるため、空をバックに列車をスッキリと撮影できるのが魅力。夏の青空をバックにしても良いですし、秋から冬にかけては鉄橋の奥に日が沈むので、列車をシルエットにしたドラマチックなシーンも狙えます。
こちらは日本海をバックに五能線を撮影できる超有名撮影地。五能線と並行して走る国道101号の橋から撮影しますが、広い歩道があって安全に撮影できるほか、撮影者向けの駐車場まであり、初心者でもオススメのポイントと言えるでしょう。小入川橋りょうを渡る鉄橋の奥には日本海が広がり、天気が良ければ作例のように男鹿半島を望むこともできます。
鉄橋の下には小入川に沿って集落が広がっており、集落を入れて撮影しても絵になるでしょう。夏の朝をのぞき光線状態は終日逆光気味。方角の関係で、五能線名物である“海に沈む夕日と列車”の撮影ができないのは残念なところです。
五能線は岩館駅を過ぎて青森県に入ると、奇岩連なる険しい日本海の絶景が車窓に広がります。撮影ポイント付近は鉄橋になっているので、国道から海側に下りた岩場付近から、五能線らしい風景を撮影することができます。写っているのは「リゾートしらかみ号」。リゾートしらかみ号には沿線の名所・名物をコンセプトとした3種類の編成があり、この写真に写っているのは「くまげら編成」になります。鈍行列車がステンレスの地味な車両になってしまったので、やはり狙い目はリゾートしらかみ号になるでしょう。
五能線と海を撮影するポイントは深浦駅周辺が中心になりますが、こちらは知る人ぞ知る秘蔵の絶景ポイントです。まるで箱庭のような趣ある入り江の奥を走る五能線の風景はまさに絶景。入り江なので透明度も高く、順光の時間帯に撮影すれば海がエメラルドグリーンに美しく輝いてくれます。撮影ポイントは「賽の河原」と呼ばれる観光スポットで、森山荘の奥の「象岩」、「ガンガラ穴」駐車場から、遊歩道を15分ほど登ります。
こちらは五能線といえばココ!といえるほどの定番撮影ポイント。4両編成の列車もギリギリ収まりますので、日本海らしい奇岩のある絶景を背景に「リゾートしらかみ」をバッチリ撮影できます。
この場所に行くなら、オススメは深浦駅でリゾートしらかみ1号と2号が交換する午前11時前後の時間帯。3種類あるリゾートしらかみ号のうち2種類を効率良く撮影することができちゃいます。写っているのはリゾートしらかみ号の「橅編成」。観光列車のため毎日走るわけではないので、運行日を事前に確認しておきましょう。
深浦町の観光名所である「行合崎」からも五能線を撮影できます。海側からの撮影なので、順光気味に撮影できるのも嬉しいところ。作例は夕方の光線に輝くリゾートしらかみ号の「青池編成」です。望遠レンズで奇岩を圧縮して迫力を出してみました。
日本海ギリギリのところを走る、五能線随一の絶景ポイント。まるで北海道のような、雄大な鉄道風景写真を狙えます。ここでは太陽を入れたパノラマ構図で撮影。人工物が鉄道しかないので、ここまで小さく写しても列車の存在感を失うことはないでしょう。
国道101号を追良瀬駅から驫木方面に進み、バイパスへ右折する交差点を、反対の左方向に進む農道に入り、砂利道になってもそのまま進むと行き止まりに小さな広場があります。そこに車を停めて海に下りる道を下っていくと、息を飲むような大パノラマが広がります。
日本海に近い駅として有名な驫木駅。車が3つの「轟」ではなく馬が3つの「驫」なのは、かつて荷馬車で移動していた時代、日本海の荒波が生み出す海鳴りに驚いた馬たちが、四方八方に逃げていったことに由来しているとか。ホームから日本海が一望できるこの駅は、「映えスポット」としても有名で、列車が来ない時間帯の作品づくりにも最適なのです。何と言ってもオススメは、日本海に夕日が沈む日没の時間帯でしょう。このホームでぼ〜っとしているだけで、日常の疲れが癒されていくような、とにかく最高のシチュエーションなのです。
最後は沿線随一の観光スポット「千畳敷」と列車をからめて撮影できるポイントです。観光列車であるリゾートしらかみ号はこの千畳敷駅で長時間停車するので、乗り鉄がてら岩場を散策することも可能です。どうしても観光客や乗用車が写ってしまうので、「観光地をゆく列車を撮る」という狙いに切り替えて撮るのがオススメです。
初心者でも十分に撮影を楽しめる日本海の絶景撮影ポイントが目白押しの五能線。この夏、爽やかな海の風景と列車をからめた鉄道写真にチャレンジしてみてくださいね。
中井精也からのお知らせ
ゆる鉄画廊NOMAD富山
2022年5月27日(金)〜29日(日)に富山で「ゆる鉄画廊NOMAD富山」を開催予定です。北陸の皆さまぜひお越しください。今回は日毎に会場が変わります。お越しの際はご注意ください。初日はSOGAWA BASE会場、2日目と3日目は富山市民プラザ「ふれんどる」です。
全日程で、中井精也が在廊予定です。中井精也の代表作品「雨晴海岸」をはじめ、立山連峰と列車のカットから富山地鉄のゆる鉄作品まで、ご当地の絵柄作品やオリジナル書籍、グッズを取り揃えて、皆様のお越しをお待ちしております。詳細は、「1日1鉄!」ブログ他、ゆる鉄画廊NOMAD公式ツイッター、中井精也ツイッターでもご案内いたします。
期間:2022年5月27日(金)〜5月29日(日)
営業時間:調整中
会場:
5月27日(金) SOGAWA BASE
5月28日(土)〜29日(日) 富山市民プラザ「ふれんどる」
中井精也の「1日1鉄!ブログ」
https://ameblo.jp/seiya-nakai/
ゆる鉄画廊NOMAD公式HP
https://garou.ichitetsu.com/