“商品写真の撮り方 完全ガイド”より
その1「デジタルカメラ」の撮り方
(2015/3/2 08:00)
この連載は、MdN刊「商品写真の撮り方 完全ガイド プロがやさしく教えるブツ撮りの手引き」(著者:鈴木知子)から抜粋しています。これから計5回、様々な商品写真の撮り方を紹介しますので、どうぞお楽しみに!
デジタルカメラは形状や色など種類が数多くありますが、ここではシルバーボディのレンズ交換式ミラーレスカメラを撮影しました。複雑な形状ですが、ライトの位置を見極めて立体感が伝わるような写真を目指しましょう。
Step 1 形状、立体感をライトで表現する
カメラは、細かい部品があるものの、ベースは四角い形状です。正面からの撮影カットは、カメラの中央にレンズがくるようにアングルを決めましょう。
ライトは外部ストロボで傘をつけたトップ光と、斜め前方45度くらいの位置からトレーシングペーパー越しに当てています。シルバーの質感や形状、立体感を、すべての面の明るさを変えることで表現するようにします。一番明るい面はトップ面になるように、ライトの光量バランスを変えましょう。
Step 2 トップライトを加え、バランスを調整
前方からのライトの位置を決め、トレーシングペーパーでディフューズしたあとトップライトを入れます。このように四角い形状の被写体は、トップ面が一番明るくなるような露出バランスにしましょう。
トップライトはストロボに傘をつけ、「天トレ」といわれる天井にトレーシングペーパーを貼り、ディフューズします。被写体は前面とトップ面の間にロゴが入った斜めの面があるので、前面と明るさの差が出るようにコントロールしましょう。
Step 3 レンズの映り込みをつくる
カメラボディはシルバー、レンズ面はブラックなので、レンズ面の見え方がどうしても暗くなってしまいます。レンズ面に白い紙を映し込みましょう。白いレフ板を立てれば白が映り込み、明るく表現することができます。
気をつけなければならないのは、床面とレフ板の境界も映り込んでしまうこと。これは、白ケント紙を床からレフ板まで立ち上げるようにアール状にすることで、境界線を修正することができます。レンズへの映り込みをつくることでカメラ前面にも影響があるので、全体のバランスを見ながら位置を決めましょう。