【記録メディア転送速度テスト】サンディスク「Ultra 16GB」

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  • 記録メディアの転送速度を編集部で簡易に計測して掲載するコーナーです。
  • 掲載した結果はテストした個体によるもので、市場におけるすべての製品の性能を保証するものではありません。
  • 記事中の価格や仕様は執筆時のものです。価格は市況により変動する可能性があります。

 サンディスクのCF「Ultra」シリーズは、ラインナップの普及価格帯を担うスタンダードモデルだ。

 公称速度は30MB/秒。上位モデルの「Extreme Pro」や「Extreme」シリーズと同様に、旧ラインナップ比2倍の転送速度を謳っている。旧製品の「Ultra II」(公称速度15MB/秒)と比べ、実測値でどの程度の差が出るかが注目点となる。

 容量は16GB、8GB、4GBをラインナップ。大手量販店での実勢価格はそれぞれ1万6,800円、9,980円、5,980円。市場に残っているUltra II(8GB・4GB)と比べると、それぞれ2割ほど高価格となっている。


ニコン「D700」による書き込みテスト

  • カメラ内のバッファをすべて開放した状態で、RAWデータ(ファイルサイズ約8MB)とJPEGデータ(ファイルサイズ約300KB)の同時記録で連写し、レリーズ回数を調べた。途中でバッファがフルになってもシャッターボタンを押し続けている。また、パワーバッテリーグリップなどのオプションは使用していない。
  • Exifに記録された撮影時間をもとに、撮影開始から30秒間のレリーズ回数をチェックしている。
  • Exifには0秒以下の記録がないため、1秒間の誤差を考えて5回計測し、その平均枚数を小数点第1位まで掲載している。
  • フォーカスはマニュアル。レンズは装着せず、ボディキャップを装着した。
  • 露出はマニュアルモードで、シャッタースピードは1/2,000秒に固定。

各カードのレリーズ回数(RAW+JPEG)
製品名容量発売元区分レリーズ回数
Extreme Pro
(SDCFXP-032G-J91)
32GBサンディスクCF71.0
G-Monster CompactFlash 533X Plus Professional
(GM-533CF16SL)
16GBフォトファーストCF69.4
G-Monster CompactFlash 533X Professional
(GM-533CF32ML)
32GBフォトファーストCF65.2
Extreme IV
(SDCFX4-016G-J45)
16GBサンディスクCF61.2
GH-CF16GTX16GBグリーンハウスCF56.6
Extreme
(SDCFX-032G-J61)
32GBサンディスクCF55.0
Professional UDMA 300x Speed 8GB
(CF8GB-300-810)
8GBレキサーCF54.6
Ultra
(SDCFHG-016G-J95)
16GBサンディスクCF53.8
Extreme III
(SDCFX3-008G-J31A)
8GBサンディスクCF51.8
Professional UDMA 233x Speed 8GB
(LCF8GBDRBJP233)
8GBレキサーCF50.8
Professional UDMA 300x Speed 16GB
(LCF16GERBJP300)
16GBレキサーCF48.4
Ultra II
(SDCFH-008G-J61)
(LCF16GERBJP300)
8GBサンディスクCF43.6
GH-CF32GD32GBグリーンハウスCF30.0


USBカードリーダーでのテスト

  • 「HDBENCH Ver.3.30」のDISK計測で5回ずつ計測し、ReadとWriteの各転送量(KB/秒)の平均を記載した。
  • テスト環境は、Windows XP Professional SP3、Core 2 Quad@2.66GHz、メモリ4GB、SATA500GBのデスクトップPC。
  • USBカードリーダーはバッファローの「BSCRA38U2」。Turbo USBはON。
各カードの転送速度(KB/秒)
製品名容量発売元区分WriteRead
Professional UDMA 300x Speed 8GB
(CF8GB-300-810)
8GBレキサーCF28,052.637,222.0
G-Monster CompactFlash 533X Plus Professional
(GM-533CF16SL)
16GBフォトファーストCF26,443.239,278.2
G-Monster CompactFlash 533X Professional
(GM-533CF16ML)
16GBフォトファーストCF24,533.038,578.2
Extreme Pro
(SDCFXP-032G-J91)
32GBサンディスクCF23,042.435,564.6
Extreme IV
(SDCFX4-016G-J45)
16GBサンディスクCF22,092.238,178.6
Professional UDMA 300x Speed 16GB
(LCF16GERBJP300)
16GBレキサーCF21,948.239,462.2
Professional UDMA 233x Speed 8GB
(LCF8GBDRBJP233)
8GBレキサーCF21,752.636,353,2
GH-CF16GTX16GBグリーンハウスCF20,712.438,633.4
Extreme
(SDCFX-032G-J61)
32GBサンディスクCF19,979.435,491.4
Extreme III
(SDCFX3-008G-J31A)
8GBサンディスクCF18,574.629,387.3
Ultra
(SDCFHG-016G-J95)
16GBサンディスクCF15,353.419,281.2
GH-CF32GD32GBグリーンハウスCF12,535.428,197.6
Ultra II
(SDCFH-008G-J61)
8GBサンディスクCF11,502.416,581.0


まとめ

 当コーナーで計測したメディアの範囲となるが、USBカードリーダーを使った計測では、「Extreme III」に次ぐ速度となった。新ラインナップのUltraと旧ラインナップのExtreme IIIは同じ公称速度だが、読み出し・書き込みの両面でExtreme IIIがUltraを凌駕していた。

 デジタル一眼レフカメラによるテストでは一転、UltraがExtreme IIIを上回るレリーズ回数を記録。Ultra IIと比較すると、平均約10回の差をつけていた。

 今回のテストでは、デジタル一眼レフカメラで連写した場合の性能が向上したことにより、幅広いシーンに対応した印象を受ける。PCへの転送は大幅に高速化したわけではないが、総合的に見れば、Ultra IIから性能は順当に向上したと言っていいように思う。

 旧モデルとの価格差もそれほどないことを考えると、現状であえてUltra IIを購入するならば、Ultraを選択しておいた方が、結果的にはパフォーマンスは高くなるようだ。






2009/11/27 00:00