【記録メディア転送速度テスト】トランセンド「TS16GCF600」

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  • 記録メディアの転送速度を編集部で簡易に計測して掲載するコーナーです。
  • 掲載した結果はテストした個体によるもので、市場におけるすべての製品の性能を保証するものではありません。
  • 記事中の価格や仕様は執筆時のものです。価格は市況により変動する可能性があります。

 今回計測する「TS16GCF600」シリーズは、トランセンドの旧高速モデル「TS16GCF300」に替わってフラッグシップに位置する製品だ。UDMA mode6に対応し、公称速度は従来比約2倍の87~92MB/秒を謳う。

 実勢価格は1万円台後半から2万円台中盤。同様のスペックを有する他社製品と比べて、比較的安価に推移している。16GBのほかに、8GBをラインナップ。速度面ではTS16GCF300との差が注目点となる。


ニコン「D700」による書き込みテスト

  • カメラ内のバッファをすべて開放した状態で、RAWデータ(ファイルサイズ約8MB)とJPEGデータ(ファイルサイズ約300KB)の同時記録で連写し、レリーズ回数を調べた。途中でバッファがフルになってもシャッターボタンを押し続けている。また、パワーバッテリーグリップなどのオプションは使用していない。
  • Exifに記録された撮影時間をもとに、撮影開始から30秒間のレリーズ回数をチェックしている。
  • Exifには0秒以下の記録がないため、1秒間の誤差を考えて5回計測し、その平均枚数を小数点第1位まで掲載している。
  • フォーカスはマニュアル。レンズは装着せず、ボディキャップを装着した。
  • 露出はマニュアルモードで、シャッタースピードは1/2,000秒に固定。

各カードのレリーズ回数(RAW+JPEG)
製品名容量発売元区分レリーズ回数
Extreme Pro
(SDCFXP-032G-J91)
32GBサンディスクCF71.0
TS16GCF60016GBトランセンドCF70.0
G-Monster CompactFlash 533X Plus Professional
(GM-533CF16SL)
16GBフォトファーストCF69.4
G-Monster CompactFlash 533X Professional
(GM-533CF32ML)
32GBフォトファーストCF65.2
TS16GCF30016GBトランセンドCF61.6
Extreme IV
(SDCFX4-016G-J45)
16GBサンディスクCF61.2
GH-CF16GTX16GBグリーンハウスCF56.6
Extreme
(SDCFX-032G-J61)
32GBサンディスクCF55.0
Professional UDMA 300x Speed 8GB
(CF8GB-300-810)
8GBレキサーCF54.6
Ultra
(SDCFHG-016G-J95)
16GBサンディスクCF53.8
Extreme III
(SDCFX3-008G-J31A)
8GBサンディスクCF51.8
Professional UDMA 233x Speed 8GB
(LCF8GBDRBJP233)
8GBレキサーCF50.8
Professional UDMA 300x Speed 16GB
(LCF16GERBJP300)
16GBレキサーCF48.4
Ultra II
(SDCFH-008G-J61)
(LCF16GERBJP300)
8GBサンディスク
CF43.6
GH-CF32GD32GBグリーンハウスCF30.0


USBカードリーダーでのテスト

  • 「HDBENCH Ver.3.30」のDISK計測で5回ずつ計測し、ReadとWriteの各転送量(KB/秒)の平均を記載した。
  • テスト環境は、Windows XP Professional SP3、Core 2 Quad@2.66GHz、メモリ4GB、SATA500GBのデスクトップPC。
  • USBカードリーダーはバッファローの「BSCRA38U2」。Turbo USBはON。
各カードの転送速度(KB/秒)
製品名容量発売元区分WriteRead
Professional UDMA 300x Speed 8GB
(CF8GB-300-810)
8GBレキサーCF28,052.637,222.0
TS16GCF60016GBトランセンドCF27,445.239,417.8
G-Monster CompactFlash 533X Plus Professional
(GM-533CF16SL)
16GBフォトファーストCF26,443.239,278.2
G-Monster CompactFlash 533X Professional
(GM-533CF16ML)
16GBフォトファーストCF24,533.038,578.2
Extreme Pro
(SDCFXP-032G-J91)
32GBサンディスクCF23,042.435,564.6
TS16GCF30016GBトランセンドCF22,501.439,411.4
Extreme IV
(SDCFX4-016G-J45)
16GBサンディスクCF22,092.238,178.6
Professional UDMA 300x Speed 16GB
(LCF16GERBJP300)
16GBレキサーCF21,948.239,462.2
Professional UDMA 233x Speed 8GB
(LCF8GBDRBJP233)
8GBレキサーCF21,752.636,353,2
GH-CF16GTX16GBグリーンハウスCF20,712.438,633.4
Extreme
(SDCFX-032G-J61)
32GBサンディスクCF19,979.435,491.4
Extreme III
(SDCFX3-008G-J31A)
8GBサンディスクCF18,574.629,387.3
Ultra
(SDCFHG-016G-J95)
16GBサンディスクCF15,353.419,281.2
GH-CF32GD32GBグリーンハウスCF12,535.428,197.6
Ultra II
(SDCFH-008G-J61)
8GBサンディスクCF11,502.416,581.0


まとめ

 デジタル一眼レフカメラを使った計測では、TS16GCF300を大きく引き離し、他社のハイエンド製品と同水準の速度を記録した。

 USBカードリーダーでの計測では、同時に計測したTS16GCF300と読み込み速度で同程度。USB2.0のカードリーダーを使用していることもあるが、当コーナーの現時点における計測環境では、全体的に読み出し速度が頭打ちになっているようだ。USB3.0環境の普及やUDMA mode6対応カードリーダーの登場が待たれる現状では、ひとつの情報として参照されたい。

 同容量・同クラスの他社製品と実勢価格を比べると、サンディスクの「Extreme Pro」が2万円台後半から3万円台中盤、フォトファーストの「G-Monster CompactFlash 533X Plus Professional」が1万円台中盤から2万円台前後。

 得られる速度と価格だけを見れば、コストパフォーマンスはかなり高い。

 また、2009年秋に入り、各社からUDMA mode6対応のCFが続々とリリースされている。こちらに関しても、順次計測を行なっていきたい。






2009/11/30 00:00