リコーGXRスペシャル企画【第4回】石川直樹「消える山」

 4人の写真家にリコーGXRを使ってもらい、作品を撮っていただきました。第4回は石川直樹氏です(編集部)。

GXR+RICOH LENS S10 24-72mm F2.5-4.4 VC


 北海道札幌市。除雪された雪の堆積場を撮影した。冬のあいだだけ姿を現す巨大な雪山は、はじめて北の地を訪れたときから気になる存在だった。

 除雪車は休みなく稼働し、雪を運ぶトラックはひっきりなしに街と堆積場を往復する。人工の山は冬が深まるにつれて拡張し、あるときを境にして溶けはじめ、やがて跡形もなく消えてしまうのだ。

 ぼくは普段はフィルムカメラを使っている。今回も中判のフィルムカメラで撮影しつつ、露出計の代わりにGXRを使っていった。機械音痴の自分だが、GXRの操作は割と簡単に覚えることができて、スムーズに撮影することができた。

 普段のカメラがレンジファインダーなので、被写体に寄れないジレンマが今まで時々あった。今回はズーム(RICOH LENS S10 24-72mm F2.5-4.4 VC)しか使わなかったが、50mmの単焦点ユニット(GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO)を使って、小さいものに寄って撮ってみたい。今はそんなことを考えている。

GXR+RICOH LENS S10 24-72mm F2.5-4.4 VC

GXR+RICOH LENS S10 24-72mm F2.5-4.4 VC

GXR+RICOH LENS S10 24-72mm F2.5-4.4 VC

GXR+RICOH LENS S10 24-72mm F2.5-4.4 VC



石川直樹
(いしかわなおき)1977年東京生まれ。写真集「NEW DIMENSION」(赤々舎)、「POLAR」(リトルモア)により、日本写真協会新人賞、講談社出版文化賞受賞。写真集「Mt.Fuji」(リトルモア)、「VERNACULAR」(赤々舎)を含む近年の作家活動によって東川賞新人作家賞を受賞。4月13日~5月9日、那覇の沖縄県立美術館にて写真展「ARCHIPELAGO」が開催される。

2010/3/10 12:20