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2012年冬:いま話題の“高級コンパクト”6機種を試す(操作編)

Reported by 大浦タケシ

 高級コンパクトといわれるデジタルカメラが花盛りだ。カメラメーカー各社、必ずといってよいほどラインナップしており、カメラ媒体などでの注目度も高い。

ピックアップした“高級コンパクト”は、後列中央から時計回りにニコンCOOLPIX P7700、キヤノンPowerShot G15、FUJIFILM XF1、OLYMPUS STYLUS XZ-2、ソニーサイバーショットDSC-RX100、パナソニックLUMIX DMC-LX7。いずれも多機能で個性的なカメラばかりだ。

 ところで高級コンパクトとは、普及価格帯のコンパクトデジタルカメラとは何が違うのだろうか。また、高級コンパクトと呼ばれるには、どのような資質を必要とするのだろうか。以下、昨今の高級コンパクトの必須条件(?)たるものを独断で挙げてみた。

  • 1/1.7型以上のイメージセンサーを搭載
  • 大口径のレンズを採用
  • 優れた描写性能
  • 質感の高いボディ
  • ダイヤル、レバー類を多用するなど直感的な操作性を重視
  • 専用のアクセサリーが多彩

 以上のようなところだろうか。もちろん一部例外とするカメラもあり、必ずしも全てが当てはまるわけではないが、納得してもらえるかと思う。今回はそのような高級コンパクトデジカメの中から、デジカメWatch編集部が選んだ6台を2回に渡り比べてみることにする。1回目の今回は「操作編」としてお届けしよう。

 ピックアップしたカメラは、OLYMPUS STYLUS XZ-2、キヤノンPowerShot G15、ソニーサイバーショットDSC-RX100、ニコンCOOLPIX P7700、パナソニックLUMIX DMC-LX7、FUJIFILM XF1。いずれも1/1.7型〜1型センサーを採用するズームレンズ搭載のコンパクトデジカメだ。

右上より時計回りにPowerShot G15、FUJIFILM XF1、LUMIX DMC-LX7、サイバーショットDSC-RX100、STYLUS XZ-2、COOLPIX P7700。液晶モニターに撮影メニューを表示している。いずれも背面にホイール、上部に撮影モードダイヤルを備えているのが興味深い。

 ちなみに以下の画像は6機種をすべて同じ位置から撮影したものだ。一番大きいものがCOOLPIX P7700、一番小さいのがXF1。ボディの厚みも同様で、XF1が極めてスリムである。

OLYMPUS STYLUS XZ-2 キヤノンPowerShot G15
ソニーサイバーショットDSC-RX100 ニコンCOOLPIX P7700
パナソニックLUMIX DMC-LX7 FUJIFILM XF1

液晶モニターは3型が主流。ボディサイズは様々

 まずは、ボディの大きさとホールドしたときの印象だが、COOLPIX P7700は6機種中もっとも大柄。レンズ交換式のミラーレスカメラに負けるとも劣らない、いや機種によってはこちらのほうが大きいといえるだろう。ボディからぐっと張り出したグリップを備え、一眼レフカメラに慣れたユーザーにとって、ホールドしたときの安定感、安心感は高いはずだ。
 
 次にボディサイズの大きいのはPowerShot G15。前モデルのPowerShot G12と比べれば薄くスリムになったが、それでもコンパクトデジタルカメラとしては押しの強いボディサイズといえる。こちらも大きめのグリップを備えホールド感は上々だ。

 STYLUS XZ-2とLUMIX DMC-LX7は似たようなサイズ感。メカっぽい雰囲気など、外観も何となく似通ったイメージである。ホールドした印象は、重量のあるSTYLUS XZ-2のほうがより安定しているように思えるが、LUMIX DMC-LX7もしっかりとした大きさのグリップが備わっているので、決して悪くはない。質量があれば安定して構えられる反面、バッグなどに入れたときなどに重さが気になりがちだ。このあたりの考え方については人それぞれなので、優劣はつけないでおこうと思う。
 
 1型センサーを積むサイバーショットDSC-RX100は、ボディサイズこそ小さいものの、重量感はSTYLUS XZ-2に近い。グリップはないが、それよりも横幅がさほどないためか、持ちやすさとしては少々心もとなく、他のカメラよりもわずかに劣るように感じられる。
 
 XF1は6機種の中ではもっともボディ自体が薄く、軽い。ボディ重量はメディア、バッテリー込みで225gと、COOLPIX P7700(392g)の半分近い。グリップもないため見た目に心もとなく感じるが、持った印象は意外にもよく、しっかりと右手でホールドできる。ちなみにXF1のイメージセンサーは2/3型と、サイバーショットDSC-RX100の1型の次に大きい(他の4機種は1/1.7型)。

 各機種のサイズと重量をまとめると、以下のようになる。

機種名 外形寸法
(幅×高さ×奥行き)
重量
(撮影時)
OLYMPUS STYLUS XZ-2 113×65.4×48mm 346g
キヤノンPowerShot G15 106.6×75.9×40.1mm 352g
ソニーサイバーショットDSC-RX100 101.6×58.1×35.9mm 240g
ニコンCOOLPIX P7700 118.5×72.5×50.4mm 392g
パナソニックLUMIX DMC-LX7 110.5×67.1×45.6mm 298g
FUJIFILM XF1 107.9×61.5×33mm 225g

 続いて液晶モニターの表示を比較してみた。いずれも3型の液晶モニターを搭載しており、画面は大きく見やすい。なお、同一の露出で画面の撮影を行なっているため明暗に差があるが、実際に見た場合はそれほどの違いは感じない。

OLYMPUS STYLUS XZ-2 キヤノンPowerShot G15
ソニーサイバーショットDSC-RX100 ニコンCOOLPIX P7700
パナソニックLUMIX DMC-LX7 FUJIFILM XF1

 こちらは撮影メニューの表示画面。文字が大きく見やすく思えるのがPowerShot G15、反対に小さく感じられるのがサイバーショットDSC-RX100となる。画面をスクロールしていくメニュー表示と、タブで仕切られているメニュー表示があることが分かる。いずれも撮影メニューのトップ画面であるが、メーカーによってその内容が異なり思想の違いが伺い知れる。

OLYMPUS STYLUS XZ-2 キヤノンPowerShot G15
ソニーサイバーショットDSC-RX100 ニコンCOOLPIX P7700
パナソニックLUMIX DMC-LX7 FUJIFILM XF1

操作系の配置にも個性あり

 次にそれぞれの操作性を見てみよう。高級コンパクトといわれるカメラは、ダイヤル操作を多用するものが多いが、なかでもCOOLPIX P7700はその筆頭だ。前後のコマンドダイヤルに撮影モード、露出補正、クイックメニューの各ダイヤル、そして十字キーを囲むようなロータリーマルチセレクターと6つのダイヤルを備える。いずれも直感的な選択や設定を可能としており、操作は快適。前後のコマンドダイヤルのクリック感もよく、デジタル一眼レフユーザーなら初見でもすぐに慣れることだろう。

 また、今回の6機種の中でSTYLUS XZ-2とともに液晶モニターが可動式であるのもCOOLPIX P7700の特徴。こちらはアングルの自由度の高いバリアングルタイプの液晶モニターで、様々な撮影シーンで重宝するはずだ。液晶モニターは3型92万ドットのものを採用する。

クイックメニューダイヤルにはWBやISO感度、画質モードなど6つの設定機能を備える。中央のクイックメニューボタンを押すと液晶モニターに設定画面が表示される。撮影メニューから設定を行なうよりも、素早い設定が可能だ。 カメラ上部、シャッターボタン側を写したものだが、ダイヤル類が多いことが分かる。左よりメインコマンドダイヤル、露出補正ダイヤル、撮影モードダイヤル、サブコマンドダイヤルとなる。

 一方、バリアングル液晶モニターを省略したことで、先代よりもボディがスリムになったのがPowerShot G15。視野角の広い液晶モニターの採用で、記念写真やスナップなどでは、そう不便は感じないはずだ。こちらの液晶モニターも3型92万ドットである。操作系としては、露出補正ダイヤルが、カメラをホールドする右手親指で操作しやすいところに配置されたことがまず注目だろう。親指を無理に動かす必要がなく、まさに直感的に設定できる。設定できる範囲も±3段までとしているもうれしい部分だ。ISO感度やWBなど撮影に関する設定は、コントローラーホイール中央にあるFUNC./SETボタンを押すと表示されるのも便利に思えるほか、メニューの文字が大きいのもよい。

 PowerShot G15のもうひとつの特徴といえるのが、光学式のズームファインダーを搭載していることだろう。撮影情報等の表示機能などはないが、液晶モニターの見えにくい場所での撮影や、手ブレに注意しなければならない条件での撮影では重宝する。メーカーのこだわりも感じさせるところといえる。

先代のPowerShot G12までは、カメラ背面から見てトップカバー左端にあった露出補正ダイヤルが右側に移動。カメラを構えた状態のまま右手親指で操作が可能となった。補正幅も±3段に拡大している。 光学ファインダーを備える。液晶モニターの視認性の低下するような明るい屋外や、手ブレを少しでも抑えたいときなど重宝する。撮影情報などの表示機能は搭載されていないものの、視度調整機能が備わっているのは驚き。

 設定する機能によって操作感の変わるユニークなダイヤルを搭載するのが、STYLUS XZ-2。レンズの根元にあるハイブリッドコントロールリングは、コントロールレバーの切り換えで絞りやシャッター速度、露出補正などの役割を与えられているときはクリックのある操作性とし、ズームやフォーカスのときはスムースに回転する操作性とすることができる。これは実に使い勝手がよい。

 液晶モニターは上下方向に動く3型のチルト式。横位置撮影でのハイアングル、ローアングル撮影では便利だ。AFもオリンパスご自慢の「FAST AF」で、先の2モデル同様素早いピント合わせが可能としている。撮影に関するISO感度や画質モードなどの設定は、サブダイヤル中央にあるOKボタンを押すと表示されるのも使いやすい。別売の電子ビューファインダーが装着できるのもこのカメラの特徴。明るい屋外での撮影で便利なことが多く、望遠撮影時にはフレーミングをより安定させることができる。

コントロールレバーの動作で、レンズの根元にあるハイブリッドコントロールリングで設定できる機能が切り換えられ、同時にクリックの有無も切り換わる。レバー中央はファンクションボタンとなっている。 アクセサリーポートを備え、別売の電子ビューファインダーを装着可能としている。明るい場所での撮影や正確にアングルを決めたい時などに便利。

 スライドタイプのスイッチやレバー類の多さでは、LUMIX DMC-LX7の右に出るカメラはないだろう。パナソニックの伝統というべきスライドタイプの電源スイッチをはじめ、アスペクト切り換え、フォーカス切り換えの各スイッチのほか、ND/FOCUSレバーを搭載する。なかでもスライドタイプのスイッチは、素早い設定を可能とし、設定状態を常に確認できるので便利に感じられる。

 また、押し込むことで、パラメーターを切り換えることのできるカメラ背面のコマンドダイヤルや、レンズ鏡筒の絞りリングを備えているのもLUMIX DMC-LX7の特徴。絞りリングによる操作は、旧来からのカメラ愛好家には歓迎されることだろう。STYLUS XZ-2同様、電子ビューファインダーの装着を可能としているのも便利に感じられるところだ。

外部ファインダー専用コネクターを搭載。ライブビューファインダー「DMW-LVF2」の装着を可能としている。またアクセサリーシューには外部ストロボや光学ファインダーの装着も可能。 押し込むことで設定の切り換わる“クルポンボタン”こと後ダイヤルは、露出設定と露出補正の切り換えが瞬時に行なえ、たいへん使い勝手がいい。電源ボタンはパナソニックの伝統というべきスライドタイプを採用。
鏡筒には絞りダイヤルのほか、アスペクト切換スイッチとフォーカス切換スイッチを備える。いずれも設定状態が電源を切っても一目で分かり、設定も直感的かつ速やかに行なえる。

 サイバーショットDSC-RX100はレンズ付け根のコントロールリングで露出や露出補正などのパラメーター変更が可能で、ファンクションボタンでその割り当てを切り替える。先の4モデルとは少々異なる操作性のため慣れを要するものの、マスターしてしまうとシンプルかつ直感的で手放せなくなるほどである。コントロールリングの操作に入ると、液晶モニターにパラメーターが自動的に表示されるのも使いやすい。液晶モニターは3型で他機種と同様の解像度だが、白画素入りの123万ドットのパネルを採用したことでコントラストが高く、屋外での視認性もよい。

サイバーショットDSC-RX100の操作の要といえるのが、レンズの付け根にあるコントロールリング。リングの操作に入ると、液晶モニターに設定画面が表示される。露出やISOなどの設定が可能で、その切り換えはファンクションボタンで行なう。 ワイド端開放値はF1.8の光学3.8倍ズームレンズを搭載。明るい開放値で暗いシーンでも心強い。AFについてもストレスフリーといえる。

 ひときわファッショナブルな外観のXF1は、操作性も他のモデルとは一線を画す。まず起動は沈胴しているレンズを手動で繰り出し、ズーミングもマニュアル操作だ。慣れないうちは起動に戸惑うこともありそうだが、ズーミングはユーザーの思った画角に素早くセットできる。電動ズームのように行ったり来たりを繰り返したり、ある程度フレーミングを妥協したり、といったことがない。

 また、基本的にカメラ任せの撮影を前提としているためか、ダイヤル・ボタン類を必要最小限としているのも他のカメラと異なるところ。たしかに撮影に関する設定のほとんどは一度メニューに入って行なう必要があるものの、従来のコンパクトデジタルカメラの操作性に慣れたユーザーや、割り切って使う分にはさほど不足は感じられない。高級コンパクトの概念を、ある意味で覆すカメラといえる。

沈胴していたレンズを繰り出すのも、ズーミングもマニュアル操作としている。特にズーミングは電動タイプのものより、思った位置に速やかにセットできるため使い勝手はよい。鏡筒には焦点距離を表す表示が備わる。 スリムで薄いXF1。ボディ重量も今回の6モデルのなかではもっとも軽量級だ。ちなみにボディカラーは、写真のブラックのほかにブラウンとレッドも選ぶことができる。

操作編・まとめ

 今回は各機種の撮影時における操作性をざっくりと見ていった。操作性の捉え方は主観的であるため、個々で見解が分かれることが多いが、6機種の中で特に使いづらく感じるようなものはなかった。いずれもメーカーの思想やカメラに対するこだわりを感じさせるものばかりで、高級コンパクトに相応しいものであったといってよいだろう。操作性をいくら文字にしても、本当の使い勝手を伝えるのは至難の技である。まずは、気になるカメラを店頭やショールームなどでじっくりと試していただければと思う。

 次回は、これら6モデルの描写について見てみることにする。






大浦タケシ
(おおうら・たけし)1965年宮崎県生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業後、二輪雑誌編集部、デザイン企画会社を経てフリーに。コマーシャル撮影の現場でデジタルカメラに接した経験を活かし主に写真雑誌等の記事を執筆する。プライベートでは写真を見ることも好きでギャラリー巡りは大切な日課となっている。カメラグランプリ選考委員。

2012/11/29 00:00