写真家が監修したフォトグラファー向けPCが登場!

RAW現像をしっかりこなす!写真家・桃井一至監修のスタンダードPCが登場

デュアルストレージにメモリ16GB…フォトグラファーのためのコスパ重視マシン現る

サクサク動くPCを前に桃井一至さんもにっこり!

カメラやレンズ同様、写真を楽しむために必要な製品といえばパソコン(PC)。かくいうワタシも毎日PCを使って、事務的な作業やデジタルカメラで撮影した画像の保管、処理などを行っている。

パソコン歴は23年くらい。Macに始まり、現在はWindowsと両刀使い。――黎明期のAdobe PhotoshopはMac用しか無かったのだ!

今回、TSUKUMOが展開するBTOブランド「eX.computer」からお話をいただき、写真愛好家に丁度良いスタンダードPCを監修する機会に恵まれた。担当の森秀範さんと相談しながら設定したスペックがこれだ。

桃井一至監修
写真愛好家向けスタンダードPC
ブランドeX.computer
CPUCore i7-6700
メモリ16GB DDR4
マザーボードB150 Express
グラフィックGTX750Ti
ストレージ240GB SDD + 1TB HDD
光学ドライブDVD SuperMulti
カードリーダー
OSWindows 10 Home
販売価格10万9,800円(税別)

TSUKUMOのオフィスで森秀範さんに話を聞きます。豊富な知識でサポートしてもらいました。

製品はいわゆるスタンダードクラスだが、一般的なエントリー写真ファンが使うには十分なスペックを持つだろう。カメラに例えるとニコンD5500やキヤノンEOS Kiss X8iあたりだろうか。

デジカメ Watch読者ならご承知のように、いまどき普及クラスのカメラは、画素数や連写性能をはじめとする基本性能では困ることがなく、上位モデルユーザーでなければ不満を抱くことはまずない。

PCも同様に近年底上げが著しく、スタンダードクラスでも満足行く内容になりつつあるが、さらにeX.computerオリジナルで写真編集向けに特化した内容で構成されているのが特徴だ。

コストパフォーマンスに優れるスタンダードクラスのPC

本体サイズは幅18cm、奥行き40cm、高さ35cmの筐体で、いわゆるミニタワータイプ。ノート型に比べれば設置スペースが大きいが、デスクトップタイプは本体の内部空間にゆとりがあり、PCパーツの交換や増設もたやすく、放熱にも優れるメリットがある。基本構成で困るようなことは当面ないと思うが、ゆくゆくはストレージ容量を増やすときなどに安心というわけだ。

左が今回紹介するPCが採用するミニタワーケース。他のeX.computer製品のタワーケース(右)よりも、高さがかなり抑えられているのがわかる。

キーボードやモニターは別売。一見、不親切に思われるかもしれないが、体の中でも敏感な指先が触れるキーボードやマウスは、好みに合わせて選びたい人も多く、同様にモニターも予算や用途に応じてチョイスが変わるため、あえてキット販売されていない。

むしろコストパフォーマンスに優れているので、予算が浮いたぶんでモニターのサイズアップなど自由に選べるのがうれしい。なおマルチモニターにも対応しているので、一方で画像を開き、もう一方でツールボックスやパレットを広げるなど、ダブルで悠々としたモニター環境の利用も可能だ。

余裕のメモリーで快適な画像閲覧

さっそく電源を入れてみる。起動の速さに驚くが、記憶媒体はスピード優先のSSD(240GB)と容量優先のHDD(1TB)を搭載。SSDは主に基本OSを中心に動き、HDDは画像などのデータ保存に使われる。

SSDとHDDの両方を搭載するメリットは?

HDDより転送速度に優れるSSDにOSを置くことで、全体的な動作の高速化が狙えます。その一方でアクセス頻度が少なく、撮影のたびに増えていく写真データを格納するために1TBのHDDも用意しました。BTOオプションでより大容量のSSDやHDDに変更いただく事も可能です。[TSUKUMO 森秀範さん]

参考までにあくまで計算値だが、1TBあれば有効画素数約2,420万画素のキヤノンEOS 80DをRAW+JPEG(約36.5MB)で撮影したとしても、2万8,000コマ(!)程度収まる計算。週末カメラマンが、使い切るにはなかなかハードルの高い容量であるのがわかる。

さっそく標準搭載のカードリーダーにて画像データをPCにコピー。本体にはUSB3.0の端子が本体前面に2つ、背面に2つあり、プリンターなど周辺機器をつなげるにも、十分な個数が用意されている。

実証ではキヤノンEOS 80Dで撮影したRAW+JPEG画像、866コマ(約16GB)を純正ソフトのDigital Photo Professional 4で開いてみたが、写真編集モデルとあって、メモリーは多めに16GB搭載されているので、もたつくようなことは一切なく、極めてスピーディで快適な画像閲覧だ。これなら動画や画像ファイルの読み込みや整理でのストレスも感じない。

メモリはどれくらいあればいいの?

PCの使用内容にもよりますが、一般的には8GBあれば十分といわれています。ただし、ファイルサイズの大きい画像を大量に扱うような場合は、さらに多く搭載されている方が有利です。数多くの画像を一度に扱う桃井さんのPCの動作が高速なのは、余裕のあるメモリ容量によるところも大きいでしょう。[TSUKUMO 森秀範さん]

試しに10コマのRAWデータをJPEGへの一括保存(現像)を試みたところ、2分22秒と良好な数値を叩き出した。ちなみに筆者が日ごろ愛用している少し古いMacよりも1.5倍近く速い結果となった。

高性能なPCなら作品作りも楽しめる

もちろん、これだけでスペックの全てを語れるわけでないが、このクラスに求められる要求は、難なくこなすだけの実力を持ち、少なくとも我慢を強いられるようなシーンに直面することはないだろう。

冒頭でカメラに例えてPCを紹介したが、ふだん高級機を使い慣れた人がお手頃クラスのカメラに触れると、スペックで想像するよりも、出来の良さに驚くことが多いが、まさしくそんな感じだ。

画像データの整理はもちろん、画像処理などもスムーズに捗れば、時間の短縮だけでなく、さらに作品作りが楽しめるはず。デジタル写真を本格的に楽しむ最初の1台にふさわしい内容になっている。

協力:Project White

桃井一至

(ももいかずし)写真家・長友健二氏に師事の後、フリーランスフォトグラファー。撮影は人物・海外風景を中心に、カメラ関係書籍の執筆も行なう。NHK「趣味悠々/デジタル一眼レフ撮影術入門(2006)」「趣味悠々/シーン別デジタルカメラ撮影術入門(2008)」 など、テレビ、イベント出演も多数。公益社団法人日本写真家協会会員。

http://www.gizmomo.com