写真家4人の「ニコン COOLPIX P900」インプレッション

コンパクトなボディサイズがスナップにも好適

イルミネーション:中原一雄さん「他のカメラとは違う作品が期待できそう」

世界最高・光学83倍ズームレンズ搭載の「COOLPIX P900」。そのCOOLPIX P900に、撮影ジャンルの違う4名の写真家がチャレンジしました。

「都市風景」「自然風景」「ポートレート」に続く今回は、中原一雄さんによる「イルミネーション」です。24-2,000mm相当という驚きの高倍率ズームがもたらした撮影スタイルとは? さっそく見ていきましょう。(編集部)

作品写真:中原一雄 状況写真:デジタルカメラマガジン編集部 人物写真:加藤丈博

COOLPIX P900 / 1/25秒 / F6.5 / ISO 1600 / 357mm(2,000mm相当)
COOLPIX P900 / 1/13秒 / F5 / ISO 1600 / 107mm(600mm相当)
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最初にこのカメラを見たとき、どんな印象を受けましたか?

最初の印象は「しっかりしたレンズを積んでるな」ということでした。実は手にする前は所詮はコンデジでしょ? という気持ちが少しあったのですが、実機を手にすると同時にしっかりしたレンズを見て「これはいい絵が撮れるかもしれない」と思い直しました。フィルター径67mmのレンズは、一眼レフのそれと同じ存在感を放っていました。

いままで、600mmを超えるような超望遠撮影をしたいと思ったことはありますか?

私はスナップを撮ることが多く意識して望遠を使うにしても普段は300mmがせいぜいですが、600mmを超えるような超望遠の世界では圧倒的な圧縮効果を生かした新しい表現が可能になるのではないかという思いは常にあります。

ただ、実際に撮影するかというと機材が大げさになりすぎてなかなか腰が上がらないというのが現状でした。

中原一雄(なかはらかずお):1982年北海道生まれ。化学メーカー勤務を経て写真の道へ。バンタンデザイン研究所フォトグラフィ専攻卒業。広告写真撮影の傍ら写真ワークショップやセミナー講師として活動。写真情報サイトstudio9代表。

COOLPIX P900でその願いはかないましたか? その感想は?

一眼レフのシステムに比べてコンパクトで超望遠を楽しめるのは、スナップが多い私のスタイルにはとてもマッチしているなと感じました。特に私が試してみたいと思っていた圧縮効果は焦点距離に比例しますから、一眼レフの超望遠システムとCOOLPIX P900とでまったく同じ世界を楽しめました。ただし、今までとは異次元の世界なので慣れるまで少し大変でしたが。

操作性はどうでしょう。

実際に使ってみるとボタンが使いやすく配置されており、一部のコンパクトデジタルカメラに見られるようなボタンの安っぽさも感じません。ボタンの押し心地は品があり、一眼レフのそれと同じくストレスなく使うことができました。

5段分の手ブレ補正が搭載されています。効果はいかがでしたでしょうか。

想像以上に良く効いていてビックリしました。今回のロケはイルミネーションということで非常に手ブレしやすい状況だったのですが、しっかり構えれば手持ちで1,000mmレベルでも撮影可能だなと感じました。一脚が使える場面では1,000mmにして1/15秒という、普通では考えられないシャッタースピードでも撮影可能でした。

液晶モニターがバリアングル式です。使い勝手はいかがでしたか?

普段の生活とは異なる目線で世界を切り取ることを重視しているため、バリアングル液晶モニターは本当に助かります。今回の撮影もバリアングル液晶モニターを活用し、ローアングルから撮影したものが多いです。

変則的なアングルで撮影するとホールディングが不安定になりがちですが、これと強力な手ブレ補正との相性も良いと感じました。手ブレを恐れずにどんどん攻めたアングルを狙えます。

EVFは使われましたか? 撮影時における液晶モニターとの役割分担は?

一眼レフカメラの大きなファインダーを見慣れていると、正直ちょっと小さいなと感じてしまいます。今回は夜間で視認性も良かったため、背面のバリアングル液晶モニターをメインに撮影しましたが、日中の撮影では視認性の面でEVFは便利だろうと思います。また、ファインダーを覗いた方がしっかりとしたホールディングができるのもポイントです。

サイドズームレバーは使いましたか?

今回はイルミネーション背景のシルエットや玉ボケ越しの花火など通常のAFが苦手なシーンを多く狙ったので、MFを積極的に活用しました。その際、サイドズームレバーにMF機能を割り当てることができ、これは便利でした。

右のレバーがサイドズームレバー

動画記録もできます。超望遠での動画記録に魅力を感じますか? どのような作品・使い方が考えられますか?

ズームしながらの動画記録も可能で、24mm相当の広角から2,000mmまでズームした世界は圧巻です。ズーミングを上手に使うと、他のカメラでは生み出せない面白い作品が作り出せるのではないかと思います。

Wi-Fi・NFCが搭載されています。どのようなシーンで活用されましたか?

スマートフォンに専用アプリの「Wireless Mobile Utility」をインストールすればスマートフォンでリモート撮影できるため、ワイヤレスレリーズ代わり使えます。三脚で超望遠撮影する場合はレリーズが必須なので、万が一レリーズを持っていなくてもスマートフォンさえあれば困りません。

GPSによる位置情報記録に魅力を感じましたか?

今回は1カ所でのロケのためGPSの恩恵はあまり受けませんでしたが、個人的に写真管理は位置情報を含めて管理しています。写真に位置情報がついていると地図と写真が結びつくため、後で写真を見返す際に非常にありがたいです。

一眼レフカメラのサブ機として使ってみたいですか? どのようなユーザーにおすすめできますか?

超望遠と聞くと野鳥や航空機といったジャンルがすぐに思いつきますが、普段のスナップに使ってみるのも面白いと思います。1,000mmや2,000mmでスナップするなんて人はほとんど見かけませんが、実際に使ってみると普段使わないような思考回路がフル回転して非常に刺激的な撮影が楽しめます。自分の写真がマンネリして悩んでいる方は、こういう新しい世界にチャレンジすることで、超望遠での作品づくりはもちろん、様々な気付きが得られることでしょう。普段の撮影にも生きてくるのではないかと思います。

そういう意味ではスナップ主体の人にとってはサブ機というよりは、異なるジャンルのカメラとして使ってみると良いと思います。本当に今まで見ていた世界とは全く異なる刺激的な世界です。

COOLPIX P900 / 1/50秒 / F6.3 / ISO 800 / 98.1mm(550mm相当)
COOLPIX P900 / 1/13秒 / F2.8 / ISO 400 / 4.3mm(24mm相当)

今後COOLPIX P900で撮影したい被写体や撮影ジャンルがあれば教えて下さい。

日中の街の中での1,000mmや2,000mmを使った超望遠スナップを試してみたいです。渋谷や原宿といったゴチャっとした街を超望遠で切り取るというのはなかなか面白そうです。それに、普通の街の中で一眼レフの1,000mmのシステムを使っているとほぼ確実に怪しまれますが、コンパクトなCOOLPI P900ならその心配は無さそうです(笑)

協力:東京ドイツ村
協力:株式会社ニコンイメージングジャパン

撮影に行った「東京ドイツ村」ってこんなところ!

今回、イルミネーションの撮影のためおじゃましたのは、千葉県袖ヶ浦にある花と緑のテーマパーク「東京ドイツ村」。観覧車をはじめとした多彩なアトラクションはもちろん、動物園、パターゴルフなど、子どもと一緒に遊ぶにはぴったりの場所になっています。広大な芝生広場でゆったり過ごした後は、レストランでドイツ料理も。詳しくはこちらのページで。

デジタルカメラマガジン最新号にもCOOLPIX P900が登場!

「デジタルカメラマガジン2016年4月号」では、河野英喜さんをはじめ、COOLPIX P900に挑戦した写真家4名による作品とテクニックが紹介されています。2,000mm相当の世界をぜひご覧ください!

デジタルカメラマガジン
2016年4月号

(デジカメWatch編集部)