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【新製品レビュー】ニコンCOOLPIX S8000

〜世界最薄ボディに10倍ズームレンズを搭載
Reported by 上田晃司

 ニコンのCOOLPIX S8000は、10倍ズームレンズを搭載したモデルとして世界最薄のコンパクトデジタルカメラ。売れ筋のCOOLPIX Sクラスとしては、最上位機種にあたる。

 カラーは、フラッシュレッド、ノーブルブラック、シャンパンシルバー、ソフトブラウンから選択可能。発売は2月19日。価格はオープンプライス。実勢価格は3万1,000円前後。


薄型ボディに10倍ズームレンズを搭載

 ボディの奥行きは27.3mm。光学10倍のズームレンズが入っているとは思えないほどに薄い。それに加え、レンズの鏡筒の収納分が滑らかに加工されているため、とてもコンパクトに感じる。服のポケットに入れて持ち歩いてもなんの違和感も覚えなかった。

 また、注目すべきは高速起動だろう。電源を押してから起動が約0.75秒と高倍率ズーム機とは思えないほど速い。それに加え、AFのピント速度も速く瞬時にピント合わせが可能になっている。電源を押してから撮影まで約1秒もあれば撮影できてしまうのでスナップには最適だった。ズームのスピードも速く好印象だ。

 レンズには、35mm判換算で30〜300mm相当の画角をカバーできるNIKKORレンズを採用。開放F値はF3.5〜5.6となっている。最短撮影距離はマクロモードを使用すれば、レンズ先端から約1cm(広角側)まで近寄って撮影可能だ。それに加え、レンズシフト式の手ブレ補正機構を搭載しているので、シャッター速度換算で約3段分の手ブレ補正が可能になっている。

 基本的にはシャープで、高倍率ズームレンズにしてはコントラストも高い印象だ。ただし高倍率ズームレンズのためか、広角端での歪曲収差が目立つシーンもあった。また焦点距離によっては、周辺部に大きな流れやパープルフリンジなど生じるのが少々残念だ。

 撮像素子は、1/2.3型の有効1,420万画素のCCD。ニコン独自の画像処理コンセプトである「EXPEED」を引き続き採用している。このクラスのコンパクトデジタルカメラにしては、とてもシャープな画像を楽しむことができる。また、ISO800くらいまでは十分常用できる印象。高感度対応の新しい画像処理エンジンを採用したのが効いているのだろう。ISO1600になるとカラーノイズが目立ち始めるが、シーンや用途によっては許容範囲。ISO3200になると急激にノイズが増えるので、使用するならば被写体を見極めながら使用したい。感度を積極的に上げて自然なストロボ撮影を行なう「新フラッシュ制御」も、高感度画質の向上につとめた本機の特徴といえる。

レンズは30〜300mm相当のNIKKORレンズ ボディ上面にステレオマイクを装備
背面の操作部。動画記録ボタンも備える ストロボをポップアップさせたところ
HD動画記録に対応。側面にはHDMI端子を装備 USB/AV端子とバッテリー室カバー

 基本的に撮影モードはオートもしくはシーンモードを主体とするため、操作は全般的にシンプル。ボタン類も必要最小限に抑えてあり、直感的な操作が可能だ。また、メニュー内のカーソル移動や画像選択時の操作は、十字ボタン周囲に設けられたロータリーマルチセレクターでも行なえる。メニューデザインとして、ニコンのデジタル一眼レフカメラのようなタブ形式の文字タイプと、初心者にもわかりやすいアイコンタイプの2つが用意されている。

 初心者に心強いのは、6つのシーンを自動判別してくれるおまかせシーンモードだろう。また、オートでは、ホワイトバランスやISO感度などの設定は変えることが可能だ。また、新しく「クリエイティブスライダー」を搭載しているため露出補正や色の鮮やかさ、色合いなどを直感的に行なえる。そのため初心者でも直感的に操作して色や明るさの補正ができるので便利だ。

 また新機能として、モーション検知、高感度低ノイズ、手ブレ補正、新ストロボを総合した「夜撮りキレイテクノロジー」を搭載。、夜景から暗い室内、望遠撮影など失敗しやすいシーンをカメラが自動的に判断して、増感、手ブレ補正、ストロボの制御の総合的な制御を行なうという。夜景を手軽に撮りたいというニーズは高い。高感度画質は撮像素子の大きなデジタル一眼レフカメラ並みとはいかないものの、三脚が使えない場所での撮影にも心強い。

「メニュー切り換え」で文字タイプとアイコンタイプを選択可能。左はアイコンタイプを選んだところ
シーンモードなど一部のメニューは、撮影画像にオーバーレイ表示されるようになった 動画設定。720p記録に対応する
新機能の「クリエイティブスライダー」は、「明るさ」(露出補正)、「鮮やかさ」、「色合い」を画面をみながら調整できる機能

H.264のHD動画記録も可能に

 AFも多彩だ。顔認識AF(最大12人)やオート9点、マニュアル99点、中央など、被写体や撮影スタイルに合わせて使いわけられる。また、動く被写体を追尾するターゲット追尾も搭載する。ターゲット追尾には人物の顔を追尾する顔認識追尾という機能もある。

 液晶モニターは広視野角の3型約92万ドット。中級デジタル一眼レフカメラ並みに大きく高精細で明るいため、撮影、鑑賞ともに快適だ。色再現性も高く、日中でも視認性は良好。液晶モニター表面の反射防止コートの力もあるのだろう。

 また、USBからの充電が可能。パソコンからも充電できるので、旅先などに充電器を持っていかなくていいので助かる。バッテリーの撮影可能枚数は約210コマ(CIPA規格)となっている。実際に1日中使ってもバッテリーが無くなることはなかった。

バッテリーと記録メディア。SDHC/SDを採用する 充電器(左)とバッテリー(右)
パソコンからのUSB給電にも対応する

 動画機能は最大1,280×720ピクセル/30fpsで、圧縮方式はMPEG-4 AVC/H.264。音声はステレオで録音可能。本体に動画撮影ボタンも搭載していることからも、動画記録に力を入れている機種であることがわかる。また、HDMI端子経由でのハイビジョン出力も可能だ。テレビなどで撮影した動画を鑑賞できる。

 実際にこのカメラを持って冬のニューヨークを撮影してきた。コンパクトなボディなので、ポケットにいれて一眼レフカメラのサブ機として持ち歩いて撮影したが、予想以上に起動が速く、撮りたい時にすぐ撮影できる。正直もう少し広角側がほしいと感じた場面も多かったが、逆に望遠を活かして撮影することができ、結果的にはよかった。マニュアル露出など撮影にこだわるための機能はないが、カメラ任せで気軽に撮影できるので初心者から幅広い層に受け入れられるだろう。


実写サンプル

  • 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像を別ウィンドウで表示します。

・画角

広角端
COOLPIX S8000 / 約4.4MB / 4,320×3,240 / 1/400秒 / F3.5 / 0EV / ISO100 / WB:晴天 / 5.4mm
望遠端
COOLPIX S8000 / 約5.5MB / 4,320×3,240 / 1/250秒 / F5.6 / 0EV / ISO100 / WB:晴天 / 54mm
広角端
COOLPIX S8000 / 約4.5MB / 4,320×3,240 / 1/320秒 / F7 / +0.3EV / ISO100 / WB:晴天 / 5.4mm
望遠端
COOLPIX S8000 / 約4.6MB / 4,320×3,240 / 1/800秒 / F5.6 / +0.3EV / ISO100 / WB:晴天 / 54mm

・感度

ISO100
COOLPIX S8000 / 約4.7MB / 4,320×3,240 / 5秒 / F3.5 / +0.3EV / WB:白熱灯 / 5.4mm
ISO200
COOLPIX S8000 / 約4.7MB / 4,320×3,240 / 2.5秒 / F3.5 / +0.3EV / WB:白熱灯 / 5.4mm
ISO400
COOLPIX S8000 / 約4.7MB / 4,320×3,240 / 1.3秒 / F3.5 / +0.3EV / WB:白熱灯 / 5.4mm
ISO800
COOLPIX S8000 / 約4.7MB / 4,320×3,240 / 1/1.6秒 / F3.5 / +0.3EV / WB:白熱灯 / 5.4mm
ISO1600
COOLPIX S8000 / 約4.8MB / 4,320×3,240 / 1/3秒 / F3.5 / +0.3EV / WB:白熱灯 / 5.4mm
ISO3200
COOLPIX S8000 / 約4.8MB / 4,320×3,240 / 1/6秒 / F3.5 / +0.3EV / WB:白熱灯 / 5.4mm

・動画

COOLPIX S8000 / 23.5MB / 23秒 / 1,280×720 / H.264

・そのほか

COOLPIX S8000 / 約5.3MB / 4,320×3,240 / 1/1,000秒 / F4.8 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 41.2mm COOLPIX S8000 / 約4.8MB / 4,320×3,240 / 1/640秒 / F3.5 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 5.4mm
COOLPIX S8000 / 約4.5MB / 3,240×4,320 / 1/640秒 / F3.5 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 5.4mm COOLPIX S8000 / 約4.7MB / 3,240×4,320 / 1/800秒 / F3.5 / 0EV / ISO100 / WB:晴天 / 5.4mm
COOLPIX S8000 / 約4.9MB / 4,320×3,240 / 1/100秒 / F4.1 / 0EV / ISO100 / WB:曇天 / 12.2mm COOLPIX S8000 / 約5.4MB / 3,240×4,320 / 1/100秒 / F4.4 / -0.7EV / ISO200 / WB:曇天 / 16mm
COOLPIX S8000 / 約5.2MB / 3,240×4,320 / 1/125秒 / F4.6 / 0EV / ISO100 / WB:曇天 / 24mm COOLPIX S8000 / 約4.7MB / 3,240×4,320 / 1/60秒 / F3.5 / 0EV / ISO250 / WB:曇天 / 5.4mm
COOLPIX S8000 / 約4.5MB / 4,320×3,240 / 1/25秒 / F3.5 / 0EV / ISO800 / WB:オート / 5.4mm COOLPIX S8000 / 約4.8MB / 3,240×4,320 / 1/320秒 / F3.5 / +0.3EV / ISO100 / WB:晴天 / 5.4mm
COOLPIX S8000 / 約4.5MB / 4,320×3,240 / 1/320秒 / F3.5 / -0.7EV / ISO100 / WB:晴天 / 5.4mm COOLPIX S8000 / 約4.6MB / 4,320×3,240 / 1/320秒 / F7.6 / 0EV / ISO100 / WB:晴天 / 8.1mm
COOLPIX S8000 / 約4.5MB / 3,240×4,320 / 1/30秒 / F3.5 / 0EV / ISO800 / WB:オート / 5.4mm COOLPIX S8000 / 約5.3MB / 4,320×3,240 / 1/30秒 / F4 / 0EV / ISO1600 / WB:オート / 10.6mm
COOLPIX S8000 / 約5.1MB / 4,320×3,240 / 1/320秒 / F4.8 / 0EV / ISO100 / WB:曇天 / 41.2mm COOLPIX S8000 / 約5.0MB / 3,240×4,320 / 2秒 / F3.7 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 7.1mm
COOLPIX S8000 / 約5.1MB / 3,240×4,320 / 2秒 / F3.7 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 7.1mm COOLPIX S8000 / 約5.1MB / 4,320×3,240 / 3秒 / F3.7 / -0.3EV / ISO100 / WB:オート / 7.1mm




上田晃司
(うえだこうじ)1982年広島県生まれ。アメリカ、サンフランシスコに留学し、写真と映像の勉強をする。学生時代にTV 番組やCMを制作するものの人物写真に目覚め、写真家を目指すことを決意。帰国後、写真家塙真一氏のアシスタントしながらフリーランスのカメラマン、ライターとしても活動を開始。

2010/3/17 00:00