ミラーレスで新品&お手軽MFレンズに挑戦!

Lomo LC-A Minitar-1 Art Lens 2.8/32 M

あのLC-AのレンズがMマウントに!なんとも言えない味わい深さ

ミラーレスカメラと相性が良いと言われているMF(マニュアルフォーカス)レンズ。特にソニーα7 IIは(そして8月7日発売のα7R IIも!)5軸手ブレ補正機構が内蔵されているため、それまでのα7シリーズより、MFレンズでの撮影が気軽に楽しめるカメラとして注目を浴びました。

MFレンズといえば、中古カメラ店に並ぶオールドレンズが思い浮かぶことでしょう。見た目もクラシカルでかっこいいのですが、中古品ということで、とっつきにくく感じる読者も多いのではないでしょうか。

実はMFレンズには、新品で購入できる現行製品があります。しかも、比較的安く購入できるレンズも。

このプチ連載ではそうした手軽なMFレンズを4本選び、α7 IIに組み合わせて遊んでみました。

ミラーレスで新品&お手軽MFレンズに挑戦!

今回のお題は……

Lomo LC-A Minitar-1 Art Lens 2.8/32 M

  • メーカー:ロモグラフィー
  • マウント:ライカMマウント
  • 開放F値:F2.8
  • 焦点距離:32mm
  • 最短撮影距離:0.8m
  • フィルター径:22mm
  • 最大径×全長:51×18mm
  • 重量:55g
  • 希望小売価格:5万6,000円前後(税別)

Lomo LC-AのレンズがMマウントの交換レンズに

撮影前の印象は……


    コンパクトでかわいい。
    LC-Aのレンズだけに、ヴィネット効果など、トイカメラのような遊び感覚の写りに期待。

35mmフィルムカメラ「Lomo LC-A」のMinitar-1レンズを取り出して、ライカMマウントの交換レンズにした製品です。

厚みが18mmと非常に薄く、単体で持ち歩いたら簡単になくしてしまうんじゃないかと思うくらいにコンパクトです。デザインも個性的で、α7 IIに装着したときに、α7 IIの小型ボディと相まって、若干おもちゃっぽさのある見た目も魅力です。

マウントアダプターと合わせて使います。ピントの調整はレンズ側面のレバーで。設定は4段階。絞りはF2.8〜F22まで変えられます。

撮ってみました

α7 II / Lomo LC-A Minitar-1 Art Lens 2.8/32 M / F2.8 / 1/50秒 / 0EV / ISO50 / 32mm / クリエイティブスタイル:クリア(コントラスト+3、彩度+3、シャープ+3)
α7 II / Lomo LC-A Minitar-1 Art Lens 2.8/32 M / F2.8 / 1/40秒 / 0EV / ISO250 / 32mm / クリエイティブスタイル:クリア(コントラスト+3、彩度+3、シャープ+3)
α7 II / Lomo LC-A Minitar-1 Art Lens 2.8/32 M / F2.8 / 1/40秒 / 0EV / ISO50 / 32mm / クリエイティブスタイル:クリア(コントラスト+3、彩度+3、シャープ+3)
α7 II / Lomo LC-A Minitar-1 Art Lens 2.8/32 M / F2.8 / 1/60秒 / 0EV / ISO80 / 32mm / クリエイティブスタイル:ナチュラル(コントラスト+1、彩度+3、シャープ+1)
α7 II / Lomo LC-A Minitar-1 Art Lens 2.8/32 M / F2.8 / 1/50秒 / 0EV / ISO320 / 32mm / クリエイティブスタイル:クリア(コントラスト+3、彩度+3、シャープ+3)
α7 II / Lomo LC-A Minitar-1 Art Lens 2.8/32 M / F2.8 / 1/100秒 / 0EV / ISO64 / 32mm / クリエイティブスタイル:クリア(コントラスト+3、彩度+3、シャープ+3)
α7 II / Lomo LC-A Minitar-1 Art Lens 2.8/32 M / F2.8 / 1/30秒 / 0EV / ISO400 / 32mm / クリエイティブスタイル:ノーマル(コントラスト±0、彩度±0、シャープ±0)
α7 II / Lomo LC-A Minitar-1 Art Lens 2.8/32 M / F2.8 / 1/125秒 / 0EV / ISO50 / 32mm / クリエイティブスタイル:スタンダード(コントラスト±0、彩度+3、シャープ±0)

ヴィネット効果がはっきり出るので、やはり「デジタルカメラで撮影した」と言うよりは、「トイカメラで撮影した」と言うほうがしっくりきそうな写りですね。背景のボケの崩れ方も面白いです。

何を撮っても雰囲気たっぷりの写真に仕上がるので、撮りたいと思える被写体を見つけた時のわくわく感と、撮ったときの楽しさは格別。レンズの外観も個性的でかわいく、コレクションの一本としても持ちたいなと思えるレンズです。画面周辺のビネットや、フレアももち味のひとつとして楽しめます。

最短撮影距離が0.8mと長いため、テーブルフォトには向きませんが、とても軽いのでお散歩用にはちょうど良いのではないでしょうか。絞りリングは操作しづらいのは、デザイン上仕方がないでしょう。

おまけ:α7 IIでMFレンズを使うときのプチテクニック(Camera Apps「レンズ補正」)

α7 II自体の機能として、「レンズ補正」という機能があります。

これは装着したレンズの周辺光量低下/倍率色収差/歪曲収差を、撮影時に自動で補正する機能で、すべてのEマウントレンズと一部のAマウントレンズに対応していますが、当然ながら、非純正レンズやオールドレンズなどのMFレンズには対応していません。

そうした対応していないレンズでも、任意のレンズ補正を可能にするのが、Camera Appsの「レンズ補正」(税込1,028円)というアプリです。

補正値をプロファイルとして登録できるため、レンズによって登録済みの設定を呼び出し、同じ補正をかけることが可能です。また、作成したプロファイルをエクスポートして、他の対応カメラで使用することも可能です。

使い方は簡単。カメラにインストールしたら、MENU→アプリ一覧→アプリケーションの中から「レンズ補正」を選択します。

レンズプロファイル一覧の「新規作成」から、プロファイルを作成します。

レンズ名、焦点距離、F値を入力します。

周辺光量、倍率色収差、歪曲収差はマイナス16からプラス16までのレベルを設定できます。

アプリ一覧から「レンズ補正」アプリを呼び出し、撮影すると、Exifにレンズのプロファイル(レンズ名、焦点距離、F値)が表記され、撮影結果にアプリでの設定が反映されます。

周辺光量落ちや歪曲収差など、このアプリで補正できるものは、レンズの味とも呼べるものではありますが、「このレンズを使いたいけど、もう少しこの効果を調整したい」というときに活躍するアプリではないでしょうか。
若干動作が重たくなってしまうのが難点ですが、本体でのレンズ補正に対応していないレンズで補正をかけた撮影を行いたい場合は、是非試してみてください。

α7 IIと様々なMFレンズの組み合わせで色々遊んでみましたが、いかがでしたでしょうか。

こんな楽しみ方もあるんだ、と興味を持っていただけるきっかけとなったら嬉しいです!

全4回というちょっとしたプチ連載でしたが、お読みいただきありがとうございました。