気になるデジカメ長期リアルタイムレポート

キヤノンEOS 70D【第3回】

シグマレンズで秋を撮る

 EOS 70Dを購入して約2カ月。これまでの撮影でEOS 70Dが持つポテンシャルの高さは十分に実感することができた。そこで今回はEOS 70Dが持つ高い画質を引き出すためのレンズについて考えてみることにする。

 前回の撮影ではキヤノンの純正レンズを中心に撮影を行ったので、今回は互換レンズメーカーであるシグマのレンズから広角から望遠までをカバーする構成を考えてみた。被写体は主に風景。特に秋を迎えて色づいた木々や葉など、細かい描写が必要とされるものを撮影してその描写を検証してみる。

8-16mm F4.6-5.6 DC HSM
18-35mm F1.8 DC HSM
APO 50-150mm F2.8 EX DC OS HSM
120-300mm F2.8 DG OS HSM
APO Macro 150mm F2.8 EX DG OS HSM

 今回用意したレンズは広角ズームレンズ「8-16mm F4.6-5.6 DC HSM」、標準ズームレンズ「18-35mm F1.8 DC HSM」、望遠ズームレンズ「APO 50-150mm F2.8 EX DC OS HSM」および「120-300mm F2.8 DG OS HSM」、マクロレンズ「APO Macro 150mm F2.8 EX DG OS HSM」の6本だ。これで8〜300mmまで揃えたことになる(35mm判換算ではおよそ12.8〜480mm相当)。

  • 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像をダウンロード後、800×600ピクセル前後の縮小画像を表示します。その後、クリックした箇所をピクセル等倍で表示します。
  • 縦位置で撮影した写真のみ、無劣化での回転処理を施しています。

・8-16mm F4.5-5.6 DC HSM

峠から望む残照の湖と空の星々を長秒露光で捉えた星景写真。広々とした光景を捉えるには最適なレンズ。手前の光の帯は峠道を走るクルマのヘッド&テールライト。強い光でもにじみは少ない。感度をISO3200まで上げているがノイズは少なめ。30秒 / F4.5 / 0EV / ISO3200 / マニュアル露出 / WB:白熱電球 / 8mm
APS-C専用レンズとして現在最も広角域となる焦点距離のズームレンズ(魚眼レンズを除く)。EOS 70Dで使用すると35mm判換算でおよそ12.8-25.6mm相当となり広角端において非常に広い範囲を捉えることができる。この写真は渓谷に架かる橋の上から撮影したもの。手前から奥まで広い範囲で捉えることができる。1/80秒 / F8 / 0EV / ISO250 / 絞り優先AE / WB:太陽光 / 8mm
水平線から天頂付近まで延びる天の川を8mm(35mm判換算12.8mm)の画角におさめた。30秒の長秒固定撮影。解像力も高く星々をしっかりとした点像として捉えることができた。周辺に若干の流れがあるが画角を考えると十分だろう。30秒 / F5 / 0EV / ISO6400 / マニュアル露出 / WB:オート / 8mm

・18-35mm F1.8 DC HSM

夕闇せまる山並み。日が沈んだあとの残照の溜息出るほどに美しいグラデーション。稜線も非常にクリア。1/6秒 / F1.8 / 0EV / ISO100 / マニュアル露出 / WB:オート / 35mm
水平線に日が沈み夕闇に包まれつつある街を山の上から見下ろす。コントラストが高くクッキリと町並みを捉えている。灯りの点光源も滲むこと無く収差も非常に少ない。また手前の森など暗部のディテールもつぶれずに表現されている。APS-CサイズであるがEOS 70Dの階調の広さを感じる。1/2秒 / F2.8 / 0EV / ISO100 / マニュアル露出 / WB:オート/ 35mm

・APO 50-150mm F2.8 EX DC OS HSM

傾いた太陽の光が湖畔の森を浮かび上がらせる。うっすらと掛かる水蒸気のベールがこれから始まる夜を予感させる。全体に霞がかった状態だが、日の当たる箇所とその背景とのコントラストが遠近感を感じさせる。1/320秒 / F4 / +0.3EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 88mm
古い洋館の白壁に真っ赤に染まったカエデが映える。35mm判換算でおよそ80-240mm相当となるこのズームレンズは、純正レンズでいうところの「70-200mm F2.8」レンズを35mmフルサイズカメラで使用した際の画角に相当するものだ。レンズサイズも同等で非常に扱いやすい。画質は非常にシャープで解像力に優れる。周辺までビシっと解像しているのが気持ちよい。1/400秒 / F4 / 0EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 127mm
山間を流れる渓流が日の光を受けキラキラと輝く。高所より徐々に下りてきた寒気が、木々の葉を色づかせる。画面全面において非常にシャープな描写で立体感が感じられる。逆光での撮影だがフレアも見られない。この写真は82mmでの撮影だが、前後に焦点距離域の余裕があるので構図を決める際にも扱いやすいズームレンズだ。1/500秒 / F8 / -0.3EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 82mm
峠の展望台に誰かが器用にも積み上げた石の塔。よく見るとクモさんの棲家になってる。オレンジ色に染まった空を背景にシルエットとなる石のエッジにわずかながら色収差が見られるものの、逆光におけるフレアは見受けられない。1/250秒 / F2.8 / 0EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 150mm

・120-300mm F2.8 DG OS HSM

細かい霧雨が降っては止んでの山の天気。雲間から日の光が射し込んだ瞬間、山に横たわるかのような大きな虹が現れた。いわゆるサンニッパレンズであるこのレンズ最大の特徴は120mmからのズームレンズであること。画面構成における可変さが嬉しい。ただし非常に重いことが唯一の欠点といえる。1/1,000秒 / F5 / +0.3EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:太陽光 / 120mm
ここ数日の気温の下がりでいっきに色付いてきた木々。赤黄緑色とりどりなコントラストが目に映える。すこしエッジがキツく感じてしまう程にシャープネスが強くコントラストも高め。1/500秒 / F5 / -0.7EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 182mm

・APO MACRO 150mm F2.8 EX DG OS HSM

冷たい雨に濡れた笹の葉をクローズアップ。望遠マクロ特有の浅い被写界深度が立体感を生む。描写は固すぎず柔らかすぎず。それでいて葉の質感をリアルに表現してくれる。1/250秒 / F2.8 / -0.3EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:太陽光 / 150mm
150mm(35mm判換算で240mm相当)という望遠域のマクロレンズなので、通常の望遠レンズとしての撮影にも使用可能。非常に解像力が高く収差も少ない。EOS 70Dの高画質を惜しみなく発揮してくれるレンズだ。1/250秒 / F5.6 / +2.7EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:太陽光 / 150mm
森のなかで輝く紅葉。解像力に優れたレンズのコントラストの高さが遠近感のある画作りに活かされる。強力な手振れ補正機能も搭載されているので心強い。1/125秒 / F3.2 / -0.7EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:太陽光 / 150mm

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 今回はいわゆるサードパーティーと呼ばれるシグマのレンズとEOS 70Dを組み合わせて撮影した。以前は純正以外のレンズは安さが一番の魅力とされ画質は二の次という印象が強かった互換レンズだが、ここ数年においてはデジタル対応を積極的に推し進めできたことで非常に高性能なレンズが揃ってきた。

 今回使用したレンズも驚くほど高画質な造りとなっており、EOS 70Dが本来持つ高い画質を十分に引き出してくれる結果となった。風景撮影には35mmフルサイズのカメラを使用するべきとよく聞く話だが、これだけ高画質な写真が撮影できるEOS 70Dであれば、積極的に投入しても良いと思う。高画質なレンズとAPS-Cの画角を活かしてくれる焦点距離のレンズをうまくセレクトしていきたい。

礒村浩一

(いそむらこういち)1967年福岡県生まれ。東京写真専門学校卒。広告プロダクションを経たのちに独立。人物から商品、建築、舞台など幅広く撮影。近年は自然と人の営みをテーマに作品展/セミナー/ワークショップを各地にて開催。Webサイトはisopy.jp Twitter ID:k_isopy