気になるデジカメ長期リアルタイムレポート

PENTAX Q10【第8回】

ビスケットレンズでお散歩ネイチャー

 今回は、世界最薄(執筆時現在、レンズ交換式カメラ用レンズ)の「DA 40mm F2.8 XS」とPENTAX Q10のカップリングを楽しんでみたいと思います。

 「DA 40mm F2.8 XS」は世界的デザイナーのマーク・ニューソン氏のデザインで、全長9.2mmとものすご~く薄いレンズです。メーカーからは“ビスケットレンズ”と称されていますが、Q10に装着するとマウントアダプターが幅を利かせるので、“カップアイス”くらいの厚みになってしまいました。

 その特徴的な外観に目が行きがちですが性能も盛り沢山で、35mm判換算で約61mm相当の画角を得られて、開放F2.8の明るさ、SPコーティングで汚れにも強いので、レンズキャップを外して首からカメラを提げたお散歩フォト用のレンズとしてはかなり優秀です。

  • 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像をダウンロード後、800×600ピクセル前後の縮小画像を表示します。その後、クリックした箇所をピクセル等倍で表示します。
  • 縦位置で撮影した写真のみ、無劣化での回転処理を施しています。
  • 「絞り目盛り」はマウントアダプターの絞り目盛り(0~8)を表します(0は開放)。実際のF値とは対応していません。
手持ちで遠景をスナップ的に撮るなら、シャッタースピードが速くなる絞り開放が安全。PENTAX Q10 / DA 40mm F2.8 XS / 約4.6MB / 4,000×3,000 / 1/50秒 / 絞り目盛り:0 / 0EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 40mm
三脚かカメラを固定できる台があるなら、遠景でも絞ってみるとこのレンズの性能をより活かせます。PENTAX Q10 / DA 40mm F2.8 XS / 約4.2MB / 4,000×3,000 / 1/4秒 / 絞り目盛り:4 / 0EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 40mm

 Q10だけでなくペンタックスの一眼レフカメラもお持ちの方で単焦点レンズを探しているのでしたら、とってもオススメしたいレンズです。

 実際の写りですが、このレンズは寄りよりも、風景的な引きの画の方がシャープな描写になりました。最短撮影距離は0.4mですが、マクロ的な描写を求めて花などの小さな被写体に近付くよりも、近寄れない遠くにある被写体を撮影するのに向いているように感じました。具体的には、高い所を流れる滝や、手前に柵や他の花が咲いていて近寄れない花などを撮る時に、特に威力を発揮しました。

かなり遠くに咲いていたので、手前の葉がちょうどいい前ボケになりました。PENTAX Q10 / DA 40mm F2.8 XS / 約2.6MB / 4,000×3,000 / 1/80秒 / 絞り目盛り:0 / +1EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 40mm
お散歩撮影らしく足元の名も知らぬ花を……。PENTAX Q10 / DA 40mm F2.8 XS / 約2.1MB / 4,000×3,000 / 1/1000秒 / 絞り目盛り:0 / 0EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:オート / 40mm
かなり高い位置の被写体。息を止めてパチリ。PENTAX Q10 / DA 40mm F2.8 XS / 約3.4MB / 4,000×3,000 / 1/40秒 / 絞り目盛り:0 / +1EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 40mm
色数が少ないこんな画だとピントの浅さをあらためて感じます。PENTAX Q10 / DA 40mm F2.8 XS / 約2.9MB / 4,000×3,000 / 1/320秒 / 絞り目盛り:0 / 0EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 40mm
手前の花は枯れかかっていたので、比較的元気な群生の中央付近の花を狙いました。PENTAX Q10 / DA 40mm F2.8 XS / 約2.7MB / 4,000×3,000 / 1/1,000秒 / 絞り目盛り:0 / 0EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 40mm

 大きな交換レンズを持ち歩くのが面倒な時は、Q10の標準ズームレンズとマウントアダプターを付けたDA 40mm F2.8 XS」をサブに持つ……そんな選択肢もアリだと思いますよ!

水咲奈々

(みさき なな)東京都出身。知り合いの写真家の作品撮りにモデルとして関わったことがきっかけで写真に興味が沸き独学で写真の勉強をし、作品を持ち込んだ出版社に編集として入社。2010年独立。現在はカメラ雑誌の編集やWebでのカメラレビュー、写真講座の講師として活動中。「Pentax+」でも記事を連載。 Twitter:@cosaruruブログ:http://misakinana.com