気になるデジカメ長期リアルタイムレポート

ソニー サイバーショットDSC-RX1【第1回】

苦労の末に手に入れた無理目の女!?

 ソニー「サイバーショットDSC-RX1」は、ちょっとカメラを知っている人間には非常に気になるカメラだろう。高性能なカールツァイス単焦点レンズに、有効約2,430万画素の35mmフルサイズExmor CMOSセンサーを搭載する類い稀なるコンパクトデジタルだからだ。かくいう筆者も発表時から心惹かれたのだが、一眼レフ並みのプライスタグを提げることもあって、それはまるで手の届かない“無理目の女の子”(笑)を遠くから眺めているような感じであった。

サイバーショットDSC-RX1。発売は11月16日。実勢価格は24万8,000円前後(写真のファインダーとフードはオプション)。

 その後、某カメラ誌11月号のレビュー記事で3日間ほどDSC-RX1をトライアルする機会が得られる。待ってましたと喜び勇んで作例撮影を行ったが、その結果は筆者の想像を遥かに超えるものであった。ピントの合った部分の高いシャープネス、画面隅々まで配慮の行き届いた描写、立体感ともに生っぽさのある質感再現性、どこまでも柔らかいボケ味などなど、これまでのどのコンパクトデジタルカメラ、どのミラーレスカメラの描写とは一線を画していたのである。それはまるで「私脱いでもスゴいのよ」といわんばかりで、ますます自分のものにしたくなっていく。しかし、先立つものを考えるとそれは叶わぬ願いであり、楽になりたければカメラの存在を意識的に忘れるしか道はなかったのである。

 DSC-RX1の高揚覚めやらぬうちに世間は紅葉シーズンに突入。撮影ポイントには多くのカメラマンが繰り出した。筆者も奥多摩や高尾山周辺、都内の公園など撮影に出向いたのだが、そこで目にしたのである。発売されたばかりのDSC-RX1を。しかも1台だけではなく何台も、である。と同時に、自分のなかで忘れようとしていた気持ちがむくむくと再び涌き上がってくるのがわかった。数週間熟考(妄想ともいう)した結果、ついに意を決して購入することを決める。ただし、気に入っているカメラでも使用頻度の少ないものなど極力カメラ、レンズを下取りに出すことで、経済的に負担の少ないものとし、尚かつ残金はローンとすることにした。

DSC-RX1は仕事用のカメラではないので、この値段は個人的には正直あり得ない。それでも物欲を抑えられず、上の写真一式を購入してしまったのだが、そこまでさせてしまう魅力のあるカメラだといえる。

 処分したカメラとレンズは何かとか、いくらを何回払うのかという話は別の機会に置いといて、苦労の末に手に入れた無理目の女、じゃなくDSC-RX1だが、正直まだ本格的な撮影とまではいっていない。実際、カメラショップに引き取りに行ったのが12月15日(土曜日)で、筆者の身を置く世界は年末進行とやらでなかなか自分の時間が持てていないからである。仕事の合間に、空シャッターを切ったりと息抜きの相手をして頂いているのが関の山だ。

予備としてバッテリー「NP-BX1」はとりあえず2コ購入。DSC-RX1の電池の持ちはよいほうではないので、しばらく様子を見て必要であれば、さらに買い足していくつもり。
液晶モニター保護セミハードシートは、他のカメラメーカーも見習ってほしいアクセサリー。フィルムよりも簡単に貼り付けることができ、しかも丈夫。透明度が高いのも特長だ。DSC-RX1用の品番は「PCK-LM15」。
プロテクトフィルターは、「カールツァイス」のロゴの書かれたMCプロテクター「VF-49MPAM」が欲しかったのだが、あいにく在庫切れ。とりあえずエツミ製DHGレンズプロテクト49mmを購入した。ちなみにプロテクトフィルターは、心配性な筆者は所有するほとんどのレンズに装着している。
光学ビューファインダーを装着したとき視野を遮らないよう切り欠きのあるレンズフード「LHP-1」。カッコよく、金属製で見た目以上の重さがある。ポーチが付属しているが、これは正直不要。
無理して光学ビューファインダーキット「FDK-V1K」も購入。筆者はコシナ製カールツァイスの21mmビューファインダーを所有するが、見比べるとほぼ同じつくり。おそらく、この光学ビューファインダーもコシナ製かと。
たいへんつくりのよい光学ビューファインダー用のケース。外装は本革製のようで、内装も丁寧なつくり。単品でも販売してほしく思えるが、売価は5千円をくだらないかも。
DSC-RX1の箱を開けると、大きく3つのパートに分かれる。カメラの入っている部分とそれを蓋のように被う小箱A、そしてそれらの脇にあるもうひとつの小箱Bからとなる。プチプチなど緩衝材などは使われていない。
小箱Aには取扱説明書と製品登録の案内、保証書が入っていた。取扱説明書は基本的な部分を冊子で、詳細はCD-ROMというのがソニーのスタイルのようだが、このカメラではすべて冊子のなかに収まる。現像ソフトなどはWebからダウンロードする。
小箱Bにはバッテリー、USBケーブル、ACアダプター、クリーニングクロス、ショルダーストラップが入る。バッテリーの充電はUSBケーブルを使いカメラで行う。バッテリーチャージャー「BC-TRX」が欲しい。
DSC-RX1本体は、丁寧にもラッピングクロスに包まれて梱包されている。絞りリングがF5.6にセットされて入っているのは、小さな感動(笑)。どうせならフードを付けた状態でも入れられるラッピングクロスにして欲しかった。

 そのようななかで、気になったところといえば、充電。バッテリーチャージャーが付属しておらず、USBケーブルを使いカメラで充電を行う。充電中でも撮影や再生はできるものの、やはり不便だ。しかも、カメラ側のミニUSB端子はどうみても耐久性がよいように思えず、付けたり外したりを正直繰り返したくない。なるべく早いうちにバッテリーチャージャーを購入したく思える。そのほかについては、現時点では特別気になるようなところはまだない。次回のレポートでは、そんなDSC-RX1の実際に使ってみて感じたところをお送りできればと思う。

まずはこのセットでスタート。といっても後から付け足すものはさほどない。日常的なスナップと、街撮りでDSC-RX1は使っていこうと思っている。サードパーティからグリップが発売されることを期待したい。
  • 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像をダウンロード後、800×600ピクセル前後の縮小画像を表示します。その後、クリックした箇所をピクセル等倍で表示します。
  • 縦位置で撮影した写真のみ、無劣化での回転処理を施しています。
DSC-RX1 / 約11MB / 6,000×4,000 / 1/500秒 / F5.6 / -0.3EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 35mm
DSC-RX1 / 約8.5MB / 6,000×4,000 / 1/200秒 / F2 / +0.3EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:日陰 / 35mm
DSC-RX1 / 約12.4MB / 6,000×4,000 / 1/400秒 / F4 / 0EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 35mm
DSC-RX1 / 約13.2MB / 4,000×6,000 / 1/80秒 / F2.8 / +0.7EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:オート / 35mm
DSC-RX1 / 約10.8MB / 4,000×6,000 / 1/200秒 / F2.8 / +1.7EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 35mm
DSC-RX1 / 約15MB / 4,000×6,000 / 1/80秒 / F5.6 / 0EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:オート / 35mm
DSC-RX1 / 約16.2MB / 4,000×6,000 / 1/640秒 / F8 / -0.7EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 35mm
DSC-RX1 / 約16.4MB / 4,000×6,000 / 1/2000秒 / F5.6 / -0.7EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 35mm
DSC-RX1 / 約19.7MB / 4,000×6,000 / 1/200秒 / F11 / -0.3EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 35mm
DSC-RX1 / 約10.7MB / 4,000×6,000 / 1/2000秒 / F2.8 / -0.3EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 35mm
DSC-RX1 / 約21.6MB / 6,000×4,000 / 1/80秒 / F11 / +0.3EV / ISO125 / 絞り優先AE / WB:オート / 35mm
DSC-RX1 / 約18.2MB / 6,000×4,000 / 1/250秒 / F8 / 0EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 35mm

大浦タケシ

(おおうら・たけし)1965年宮崎県生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業後、二輪雑誌編集部、デザイン企画会社を経てフリーに。コマーシャル撮影の現場でデジタルカメラに接した経験を活かし主に写真雑誌等の記事を執筆する。プライベートでは写真を見ることも好きでギャラリー巡りは大切な日課となっている。カメラグランプリ選考委員。