レンズの教科書

被写体&シーン別・レンズワークの実践:道

流れや奥行きを美しく表現する

海岸へとつながる小道。真夏の太陽に照らされた風景を、色鮮やかにとらえることができました。雲が多めの空は表情が豊かで、二分割構図による対比効果で草地とのコントラストが印象的に見えます。広角レンズで切り取ることで遠近感が出て、奥行きが感じられる表現になりました。

28mm相当・プログラムオート・F5.6・1/1,000秒・ISO100・WB:太陽光・シングルAF

1.カーブしている道は曲線構図を意識しながらアプローチ
2.広角レンズのパースペクティブ効果で奥行きを表現する
3.雨などで濡れた路面は光り輝いて立体的に見える

私たちの日常において「道」はとても身近な存在です。魅力的な被写体でもあります。写真で道の奥行きが感じられるようにしたいときは三角構図、流れが感じられるようにしたいときは曲線構図を参考にするといいでしょう。遠近感を強調するとそれらの構図法に当てはめやすくなります。

広角レンズや超広角レンズで撮影すると、そのパースペクティブ効果で動きのある構図に仕上げやすくなります。撮影ポジションやカメラアングルを工夫するなど、フットワークを積極的に生かすことで、道の奥行きや流れがより感じられるようになるでしょう。

道はどちらかといえば平面的ですが、光の当たり方によって立体的に見えるようになります。晴れているときは影を利用することで動きが出たり、雨のときは路面の映り込みで光が感じられるようになるので、立体的に見せたいときは天候や撮影する時間帯にもこだわってみるといいでしょう。

  • 二分割構図(にぶんかつこうず):画面を二分割して、それぞれ主題と副題を配置する画面構成の方法です。両者の印象を平均化できるほか、対比させることも可能です。いずれも安定感のある構図になります。
  • 三角構図(さんかくこうず):3つのポイントを結ぶと三角形になるような構図法です。安定感があって、底辺から頂点までの斜めの線が長くなるほど奥行きが強調されます。
  • パースペクティブ:手前にあるものと奥にあるものがどれくらい離れて見えるかという「遠近感」のことです。平面である写真に奥行きを感じさせることができます。「パース」と略して呼ぶこともあります。

1.曲線構図でやさしい流れを感じさせる

カーブしている道は曲線構図を意識しながらアプローチするといいでしょう。レンズワークとフットワークを効果的に組み合わせながらバランスよく切り取ることで、流れがやさしく感じられるような表現になります。

18mm相当・プログラムオート・F5.6・1/125秒・-0.3補正・ISO100・WB:オート・シングルAF

2.三角構図で道の奥行きを表現する

超広角レンズのパースペクティブ効果を利用することで、道の奥行きを表現することができます。晴れているときは光と陰を利用するといいでしょう。このシーンでは画面内の明暗や濃淡により立体感のある仕上がりになりました。

18mm相当・絞り優先オート・F8・1/250秒・ISO100・WB:太陽光・シングルAF

3.濡れた路面は光り輝いて立体的

乾いたアスファルトはグレーで味気ない感じで、平面的な描写になりがちです。雨で濡れると、空などが映り込んで光り輝いた感じになります。それだけで道が立体的に見えて、より奥行きが感じられるようになるでしょう。

28mm相当・プログラムオート・F4・1/30秒・ISO400・WB:オート・シングルAF

この連載は、MdN刊「レンズの教科書 撮る楽しさを味わうための写真の手引き」(岡嶋和幸 著)から抜粋・再構成しています。

本連載で紹介しているレンズ焦点域や撮影シーンごとのレンズワーク解説だけでなく、レンズ本体や表現効果の基礎知識、レンズのポテンシャルを引き出すワンランク上の使いこなしなど、全6章で構成されています。

10月7日には著者の岡嶋和幸氏を迎えた出版記念セミナーを開催。2部構成のセミナーに加え、質疑応答と懇親会が行われます。

レンズの教科書 撮る楽しさを味わうための写真の手引き(MdN刊、税別2,000円)

(岡嶋和幸)