交換レンズ実写ギャラリー

カールツァイス「Touit 2.8/12」

X-Pro1 / Touit 2.8/12 / 約5.8MB / 4,896×3,264 / 1/750秒 / F5.6 / +0.7EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:オート / 12mm

 ミラーレス機は今、大きな変革期を迎えている。当初、エントリーモデルとして登場したミラーレス機だが、昨今は本格画質を実現したモデルが増えてきた。ソニーNEX-7、FUJIFILM X-Pro1、OLYMPUS OM-D E-M5など、高画質モデルが続々と登場している。ボディの高画質化が進めば、当然ながら高性能レンズのニーズも高まってくる。ここで取り上げるカールツァイスのTouit(トゥイート)2.8/12は、こうした高画質化の波を背景に登場したレンズだ。

FUJIFILM X-Pro1との組み合わせ。発売は6月1日。価格は12万6,200円。

 本レンズはソニーEマウント用と富士フイルムXマウント用があり、ここではXマウント用をX-Pro1と組み合わせてみた。35mm判換算で18mm相当となり、超広角の世界を提供してくれる。なお、レンズシリーズ名はTouitだが、レンズの銘板には「Distagon」の文字が刻まれている。Distagonはツァイスが伝統的に広角レンズに与えている名称だ。

 Touit 2.8/12で撮影した第一印象は、とにかく直線が美しい。歪曲がほぼ感じられないため、直線が縦横無尽に気持ちよく伸びる。水平を出してかっちり撮るもよし、あおってパース強調を楽しむもよし、ストレスなく18mm相当の世界を堪能できる。また、周辺描写も実に手堅い。今回試写した範囲では色収差がほぼ気にならず、もちろん周辺で像が流れるようなこともない。X-Pro1はローパスフィルターレスでそもそもディテール再現に定評があるが、Touit 2.8/12の緻密な描写はそのアドバンテージをしっかりと活かしてくれる。また、シャドウの粘りがよく、薄暗いシーンでは被写体がヌッと顔を出すような描写が官能的だ。

 デザインと操作性については、絞りリングの搭載が特徴的だ。FUJIFILMのX-Pro1とX-E1は対応するレンズの側で絞りも制御できる仕様で、それに準拠してXマウントのTouit 2.8/12はEマウント版にはない絞りリングを備えている。絞りリングは1/3段刻みでクリックストップがあり、リズミカルな動きだ。ただし、クリック感が軽めで、期せずして絞りが動いていることが幾度かあった。個体差の可能性もあるが、この軽い動きは好みが分かれるかもしれない。

 ピントリングはほどよい重みと粘りがあり、微妙なピント調整もやりやすい。鏡胴デザインはシンプルなテーパー状で、純正レンズフードを付けるとデザイン的に完成する。近未来的な鏡胴は賛否両論あるかもしれないが、ミラーレス機との相性はわるくない。

 本レンズはAFに対応している。AF動作は軽快で、純正Xマウントレンズと比較してもストレスなく撮影できた。筆者は日頃からヤシコンマウント、旧コンタックスマウントといったオールドのMFツァイスレンズを愛用しているため、ツァイスレンズをAFで使えるということに、ちょっとした感動すらおぼえた。

  • 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像をダウンロード後、800×600ピクセル前後の縮小画像を表示します。その後、クリックした箇所をピクセル等倍で表示します。
  • 縦位置で撮影した写真のみ、無劣化での回転処理を施しています。
X-Pro1 / Touit 2.8/12 / 約5.1MB / 4,896×3,264 / 1/80秒 / F5.6 / 0EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:オート / 12mm
X-Pro1 / Touit 2.8/12 / 約4.2MB / 4,896×3,264 / 1/30秒 / F5.6 / -1.3EV / ISO400 / 絞り優先AE / WB:オート / 12mm
X-Pro1 / Touit 2.8/12 / 約4.3MB / 3,264×4,896 / 1/30秒 / F5.6 / -1.3EV / ISO250 / 絞り優先AE / WB:オート / 12mm
X-Pro1 / Touit 2.8/12 / 約4.1MB / 3,264×4,896 / 1/30秒 / F5.6 / 0EV / ISO320 / 絞り優先AE / WB:オート / 12mm
X-Pro1 / Touit 2.8/12 / 約6.5MB / 4,896×3,264 / 1/120秒 / F5.6 / -0.7EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:オート / 12mm
X-Pro1 / Touit 2.8/12 / 約5.7MB / 3,264×4,896 / 1/320秒 / F5.6 / -0.7EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:オート / 12mm
X-Pro1 / Touit 2.8/12 / 約3.7MB / 4,896×3,264 / 1/1200秒 / F4 / +0.7EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:オート / 12mm
X-Pro1 / Touit 2.8/12 / 約4.1MB / 4,896×3,264 / 1/800秒 / F4 / 0EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:オート / 12mm
X-Pro1 / Touit 2.8/12 / 約6.7MB / 4,896×3,264 / 1/1300秒 / F2.8 / 0EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:オート / 12mm
X-Pro1 / Touit 2.8/12 / 約2.6MB / 4,896×3,264 / 1/680秒 / F8 / +0.7EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:オート / 12mm

澤村徹

(さわむらてつ)1968年生まれ。法政大学経済学部卒業。ライター、写真家。デジカメドレスアップ、オールドレンズ撮影など、こだわり派向けのカメラホビーを提唱する。2008年より写真家活動を開始し、デジタル赤外線撮影による作品を発表。玄光社「オールドレンズ・ライフ」シリーズをはじめ、オールドレンズ関連書籍を多数執筆。http://metalmickey.jp