K-5 / DA 18-135mm F3.5-5.6 ED AL [IF] DC WR / 約7.2MB / 4,928×3,264 / 1/8,000秒 / F8 / +0.7EV / ISO160 / WB:日陰 / 135mm |
常用レンズとしてとても使いやすい画角をカバーする、光学7.5倍のデジタル専用高倍率ズームレンズ。今回は、K-5ボディと組み合わせて試用した。
K-5に装着。実勢価格は5万9,800円前後。K-5のレンズキット設定もある |
焦点距離は、35mm判換算で27.5-207mm相当。広角から望遠までを幅広くカバーできる。最短撮影距離はズーム全域で40cm、最大撮影倍率は0.24倍だ。望遠端で被写体に近寄れば、花や昆虫などの小さなも楽々撮影可能。簡易マクロ的な使い方もできる。また、円形絞りを採用しているためボケも柔らかい印象を受けた。
レンズ構成は、11群13枚でEDガラス、ハイブリッド非球面、ガラスモールド非球面レンズを各1枚ずつ搭載。色にじみなどの原因となる各種収差を良好に補正したという。また、レンズ前面には、撥水性と撥油性に優れたSP(Super Protect)コーティングを採用しており、汚れが付着しにくいのも特徴だ。
レンズ内にDCモーターを搭載しており、高速でスムーズなピント合わせが可能。実際に撮影してみて、非常にスムーズで高速なAFを体験できた。ペンタックスにおけるSDM以外のレンズ内モーターの採用は初めてだが、ストレスは全く感じなかった。
また、インナーフォーカスを採用しているため、ピント合わせを行なってもレンズが伸び縮みしない。それに加え、AF中でもピントリングが回転しない非回転機構を採用しており、撮影中の操作性はとても良い。さらにクイックシフトフォーカスを採用しているため、AFでピント合わせを行なった後にもMFでのピント調整が可能となっている。ピントリングには適度な重みがあり、微調整も容易に行なえる。なお、レンズ内モーターを採用するため、機種によってはレンズ内モーターが駆動しないモデルもあるので注意が必要だ。
全長76mm、最大径76mmとコンパクトな設計もうれしい。K-5に取り付けるとバランスも良い。望遠側にズームすると結構な長さになるが、レンズの重量バランスはほとんど変わらない。ただし、重量は約405gなので、コンパクトな見た目の割には、少しズッシリと重い印象だ。
また、このレンズには簡易防滴構造が施してあり、K-5など防滴機構搭載のカメラと組み合わせて使うことで、ちょっとした急な雨や霧、水しぶきなどがかかる場所での耐久性は高くなる。
描写に関しては、絞り開放からコントラストが高く、ピント位置は非常にシャープ。前述した通り、ボケは柔らかく滑らかで美しい。また、絞り開放付近で撮影すると、ハイライト部分の多い被写体のエッジ部分にパープルフリンジなどの収差が現れることもあったが、高倍率ズームレンズだと考えると、個人的には納得できる範囲だ。
ゴーストやフレアも、太陽など強い光源を画角に入れて写しても、ほとんど発生しなかった。ただし、レンズ周辺に街灯などを配置して撮影するとフレアが発生することもある。また、周辺減光に関しては、広角端でF8、望遠端でF11位でほぼ消える印象だ。
幅広い画角をカバーする上、画質も優秀。常用レンズとして満足できるレンズといえるだろう。これから、正月休みなどで旅行に行く際にも、このレンズが1本あれば、快適な撮影が行なえる。バランスのとれたズームレンズだ。
- 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像をダウンロード後、800×600ピクセル前後の縮小画像を表示します。その後、クリックした箇所をピクセル等倍で表示します。
K-5 / DA 18-135mm F3.5-5.6 ED AL [IF] DC WR / 約9.8MB / 4,928×3,264 / 5秒 / F9 / +0.7EV / ISO100 / WB:太陽光 / 18mm |
【2010年12月16日】レンズ内DCモーターに関する記述を修正しました。
2010/12/16 00:00