デジカメアイテム丼

手堅い作りのカーボン製トラベル三脚 VANGUARD「VEO 265CB」

購入すると三脚をすっぽり収納できるカメラバッグも

センターポールを反転して折りたためるいわゆる「トラベル三脚」は、コンパクトに持ち運べる利便性の高さが人気の秘密だ。今では三脚メーカー各社からさまざまな製品が発売されているが、そんな中、VANGUARD(バンガード)ブランドで有名なガードフォースジャパンから、満を持して発売されたのが「VEO」(ヴィオ)コレクションである。

VEOコレクションとは、三脚の他にも一脚やカメラバッグなど、トラベルを意識して開発された一連の製品の総称であるが、今回はそのうちのひとつである「VEO 265CB」(税別4万8,333円)三脚をお借りすることができたので、さっそく使用感を確かめてみた。

まずは三脚としての基本性能をチェック

トラベル三脚といえばその収納性に注目したいところであるが、そうはいっても三脚であることには違いないので、まずは三脚本来の目的である“カメラを固定するための能力”から紹介していきたい。

5段の脚をいっぱいに伸ばした状態の高さ(伸高)は126cm。この高さだと、筆者の身長(約170cm)でファインダーを覗きながら撮影をすると、やや前かがみの状態となりいくらか窮屈に感じてしまう。ただし、ミラーレス機など液晶モニターでライブビュー画像を見ながらの撮影では、楽な姿勢で撮影情報を確認できるので逆に楽だった。

センターポールをいっぱいに伸ばした状態の高さ(最伸高)は150cm。この状態だとカメラの位置がちょうど目の高さとなるため、逆に、ファインダーを覗いた撮影がしやすくなる。

耐荷重は5kg。実際に使ってみた感想を述べると、ミラーレス機や小型の一眼レフであれば、“カメラを固定するための能力”に関しては必要にして十分といえる。また、中型以上の重い一眼レフであっても、キットズームや広角〜標準レンズの使用であれば、多くの撮影シーンで問題なくブレを抑えた撮影をすることが可能であろう。

だんだん細くなる最下段のパイプでも、十分な太さの径が確保されているので、多段式三脚を伸ばすとありがちな、先細りによるたわみが発生してかえって写真がブレてしまうといった心配もない。堅牢性にも配慮が行き届いており、実に良心的な設計だ。

雲台にはアルミ製のTBH-50が付属する。アルマイト加工を施されたボールは傷がつきにくく、高精度で滑らかな動作である。水準器も備える。

クイックシューはアルカスイス互換。本製品付属のもの以外にも、互換性のあるさまざまな形状のリリースプレートを使用可能だ。

もちろん雲台自体も交換可能。雲台を取り外すときは付属の六角レンチで固定用のセーフティーピンを緩める。セーフティーピンやオレンジ色のアンチショックリングを装備するなど、安全性についても細部まで配慮がされている。

悪天候でも滑りにくく握りやすいラバーグリップが施されている。

石突きは、ゴム足を回転させることでスパイクが現れる仕様。接地面の状況に合わせて簡単に石突きの形状を変更できる。

トラベル三脚に相応しい優れた収納性

そして、トラベル三脚の要ともいえる収納性であるが、こちらは収納時の長さ(縮長)が39cm、質量は1.5kgと、大変にコンパクトに折りたたむことができ、カーボン製ということもあって軽量である。耐荷重5kgの実用性の高い三脚として、この収納性の良さは驚きといってよいのではないだろうか。

収納状態からのセットアップ性能も非常に良好だ。脚を開いてからセンターポールを反転させ、次にセンターポールを少し下げるだけで自動的に固定されるので、動作はスムーズかつクイック。この動作に手数が必要であったり、不安定であったりすると、それだけでせっかくの持ってきたトラベル三脚も取り出すのが億劫になってしまうが、これだけ素早いセットアップか可能なら、むしろ積極的に使いたくなるというもの。

三脚を折りたたむときの動作も同様に簡単。センターポールにある金色のボタンを押しながら引き上げるとロックが解除されるので、セットアップ時とは逆の順序でセンターポールを反転し、次に脚を閉じるだけである。

収納時の脚の位置に合わせて、雲台にくぼみが設けられている。よりコンパクトに収納するため、専用雲台ならではの工夫だ。

脚部の伸長はレバーロック式なので操作は簡単。それぞれのレバーを全て解除して一気に脚を最大伸長にすることができる。レバーロックの固さは、固すぎることはなく緩すぎることもなくで、工場出荷時の状態で適度に調整されているところにも好感がもてる。このレバーロックの固さは日本での販売に向けて、特に慎重な検討を重ねて決められたという。また、付属の六角レンチを使えば、任意の固さに調整することも可能だ。

ローアングル撮影にも素早く対応

収納状態からのセットアップだけでなく、ローアングル・ポジションへの展開も大変簡単に行なうことができる。ローアングル・ポジションで撮影するためには、まず、センターポールを三脚本体から引き抜いて、付属の「ローアングルアダプター」に交換。これで低いポジションでもセンターポールが地面に当たることなく撮影できるようになる。

これが付属のローアングルアダプター。センターポールと交換することで、18.5cmの最低高をかなえるローアングル撮影が可能となる。

ローアングルアダプターへの交換をしたら、次は各脚の基部にある大きなグレーのボタンを押しながら脚を開くだけでよい。脚をローアングル・ポジションにするための解除機構には、メーカーによってさまざまな方式があるが、この三脚の場合はボタン式が採用されているので操作が簡単で、また、指を挟んで痛い思いをすることがないのが嬉しいところ。小さなことではあるが、利便性の高さがウリのトラベル三脚にとって、ここは重要なことである。

開脚角度は通常使撮影時で25度、ローアングル撮影時には45度と80度の三段階から選択できるようになっている。最大開脚の80度にセットした状態の三脚の高さ(最低高)は18.5cmなので、かなりのローアングル撮影でもカメラを安定して固定することが可能だ。

「VEOバッグ」でさらに快適

さて、こちらの三脚「VEO 265CB」であるが、同じ「VEO」コレクションのカメラバッグと一緒に使うととても便利なので、さらに紹介したい。

現在、発売されたカメラバッグは、リュックタイプの「VEO 42」とショルダータイプの「VEOバッグ」の2タイプ。どちらも収納状態のVEO三脚のサイズにあわせ、かさばることなく三脚をバッグにしまうことができる。

VEO 42ではバッグの横側に設けられたポケットにいれてベルトで固定でき、VEOバッグでは独立した三脚収納スペースにすっぽり入れてしまうことが可能。個人的にはトラベル三脚という特性上から、カメラやレンズのスペースとは独立した専用の三脚収納スペースをもつ、VEOバッグに感じ入ってしまったのであるが、なんとこのカメラバッグ、7月31日までのキャンペーン期間中に対象商品(VEOコレクションの各三脚、もちろんVEO 265CBも対象)を購入すると先着100名にもれなくプレゼントされるという。手に入れられる100名の方が大変うらやましい……

このVEOバッグの中に三脚が!
こんな風に収納できる。VEOバッグはVEO三脚の購入で、先着100名にプレゼントされる
こちらはリュックタイプのVEO 42。税別1万8,333円

手軽に使えるオススメ三脚の登場

三脚選びというのは、用途や予算を考えると意外に難しいものである。ガッチリした本格的な大型三脚を使えば、どんなカメラやレンズを使っても確実にブレずに綺麗な写真を撮れるのはわかっているが、そうした三脚は往々にして、重く、大きく、高価である。それならば、持ち運びに便利なトラベル三脚にすればどうか、と思うのであるが、携帯性が重視されすぎて予想外に華奢であったり、逆に収納時のサイズが思ったより大きかったりして、目的に合う商品をなかなか見つけられないでいた。

VEO 265CBは、ミラーレス機や中・小型一眼レフ、場合によっては大型一眼レフでも十分に活用できる三脚本来のポテンシャルをもちながら、収納性と操作性、またコストパフォーマンスにも優れた、これまでにないトラベル三脚であるといえるだろう。

●三脚の重要性を認知して常に大型の三脚を撮影に使っていながら、どこかこれまでの三脚を使うことに疲れを感じ始めていた人。

●大きな三脚を持ち運ぶのは面倒なので写真の撮影は手持ちで十分と考え、これまで三脚を使った撮影を経験しないでいた人。

そうした方々にこそ、ぜひ使ってもらいたい、本格的トラベル三脚の登場なのである。

三脚ケースが標準で付属(写真下)。さらにキャンペーンでもらえるVEOバッグには、取付用結束バンドと三脚ポーチ(写真上)」が含まれている

協力:株式会社ガードフォースジャパン

曽根原昇

(そねはら のぼる)信州大学大学院修了後に映像制作会社を経てフォトグラファーとして独立。2010年に関東に活動の場を移し雑誌・情報誌などの撮影を中心にカメラ誌等で執筆もしている。写真展に「エイレホンメ 白夜に過ぐ」(リコーイメージングスクエア新宿)など。