デジカメアイテム丼
“iPhoneがオマケ”な一眼レフ風ケース
GIZMON「iCA5 SLR」
Reported by 本誌:鈴木誠(2014/7/16 08:00)
「GIZMON iCA」(ギズモン アイカ)を覚えているだろうか。バルナックライカ風のiPhoneケースであり、その絶妙なオマージュが話題を呼んだ。初代はiPhone 4S/4用だったが、現在もiCA5というiPhone 5s/5用が販売されている。
今回、そのiCAシリーズに一眼レフカメラ風の「GIZMON iCA5 SLR」が加わったとのことで、改めて試用してみた。
iCA5 SLRは、ライカと並び称される国産一眼レフカメラの名機を思い起こすルックスだ。
iCA5 SLRは、いわば「使い手を選ぶスマホケース」である。なぜなら、ボディ(iPhone)に対してバランスよく再現されたレンズ部分はあまりに厚みが大きく、ケースだけで写真が撮れそうな佇まいをしている(つまり、とても嵩張る)。こうなるとiPhoneがオマケのような存在感だ。
バルナックライカ風のiCAは、レンズ部分もレンジファインダーカメラ用を模しているためコンパクトで収まりがよかった。しかし、iCA5 SLRにはそうした慈悲が一切ない。レンズは50mm F1.4がモチーフの1つだけ。50mm一本勝負と口にすれば潔いが、せっかくの“スマートフォン”をポケットにすら入らないような出で立ちにしてしまうのだ。使い手を選ぶスマホケース、と述べた理由である。これぞiCA5 SLR最大の弱点であり、最も愛すべきポイントだろう。
これをスマホケースとして常用することは、デジカメ全盛の今にあって、クラシックカメラのぶっきらぼうな使い勝手を楽しむことに近いかもしれない。それでもiCA5 SLRに注目してしまうのは、この出自が単なる“ネタ”ではなく、明らかに作り手のカメラ愛が形になったアイテムだとわかるからにほかならない。